
私が社会人になって、初めて自腹で買った輸入車は
BMWでした。残念ながらトラックに衝突され
廃車になってしまいましたが、今はなき3シリーズコンパクトというハッチバッククーペでした。トルコンAT+4気筒ながらボディ剛性が巌のようで、実際廃車になるほどの事故であったにもかかわらず私は無傷でした。
ここから
輸入車沼にはまり20余年・・多くの輸入車に乗って来ました。しかし、最初に出会った輸入車がBMWだったこともあり、未だに私はこのメーカーには
強い思い入れがあります。これまで3シリーズコンパクト(E46)、3シリーズセダン2台(E46)、3シリーズクーペ1台(E92)、Z4M(E85)と計5台のBMWを所有してきました。いずれも
クリス・バングル期で、2009年にチーフデザイナーがエイドリアン・ファン・ホードインクになって以降のBMWは一台も買っておりません。さて、近年のBMWは
奇抜なデザインを採用することで議論を呼び、ちょっと前ですと4シリーズやM3 / M4に採用された
ジャンボキドニーグリル、そして最近だと新型X7や7シリーズ / i7に採用されるスプリットヘッドライトが
批判の的となっています。
現在のBMWのデザイン・チーフであるドマゴジ・デュケック氏が「なぜ最近のデザインはこうなっているのか」についてカーメディアの取材に対して、語っています。なぜM3のグリルは大きく、3シリーズのグリルはそうではないのか?まず現在のBMWは「金太郎飴」を脱し、4シリーズやM3 / M4では巨大なバーチカルキドニーグリルを採用する一方、通常の3シリーズや5シリーズについては「常識的なキドニーグリル」を持っていますが、これについて同氏は
「顧客の2/3はエレガントで調和のとれた美しさを求めており、そういった顧客に向けたデザインが3シリーズや5シリーズなのです。これらの販売ボリュームが大きく、デザイン的冒険をするのは妥当ではありません」。
ただし残りの1/3については
「ある一定の人々は群衆から目立つことを好んでいます。4シリーズや新型7シリーズはそういった”極彩色を好む”顧客に向けたものであり、もともと保守的な嗜好を持つ客層を狙った製品ではありません。彼らは非合理的なクルマを求め、その感情的な表現や、その主張のために、もっとお金を払ってもいいと考えているのです」とも説明を行っています。そして統括デザインナーのエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏もこれを支持しており、
「良いデザインは両極端である必要はないと思いますが、美しさという概念は両極端になる可能性があるのです。ある種の顧客が美しく、時代を超越したタイムレスなクルマを求めるのであれば、もちろん私たちはそれをデザインすることになるでしょう」と語っています。
つまり、3シリーズや5シリーズは大衆向けなので、
無難なデザインを維持し、特別なMモデルやiモデルはより
革新的なデザインを狙っているということのようですが、皆さんこの考えは支持しますか?メルセデスベンツやAudiのような
露骨な金太郎飴デザインにする必要はありませんが、わざわざ一部の顧客の目を引くために
下品な奇抜なデザインに拘る必要が一体どこにあるというのでしょうか?現行の3シリーズや5シリーズは割とコンサーバティブなBMWのデザインランゲージを纏っていますが、個人的には全モデルこの方向性で良いのでは??と思ってしまいます。デザインが受け付けないと、それ以上そのクルマを深堀する気持ちも失せます。もうかれこれ10年以上、私は新車のBMWを欲しいと思ったことがありません。
是非とも奇をてらうのではなく、
多くのファンが求めるデザインを作る方向性へと再びシフトしてもらいたいモノです。当時は批判されたクリス・バングルですが、今となっては「かなりマトモだった」と言わざるを得ません。キドニーグリルがBMWのアイコンとなっているのは分かりますが、何事も過ぎたるは猶及ばざるが如し、やり過ぎは良く有りません。少なくともこのデザインランゲージが続く限り、私が新車のBMWを買う事はまずありません。ちなみに歴代のBMW車の中でもっとも好きなのは
E46M3CSLです。派手さはありませんが、シンプルでピュアな佇まいの中に「羊の皮を被った狼」の凄味があり、本当に大好きです。こんなBMWがまた世に出る事を願って止みません。
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BMW | クルマ
Posted at
2024/03/12 14:04:31