
先般からこのブログでもお伝えしている通り、新型Gクラスは純ICEから
ISG搭載のMHEVに移行します。992.2も、素カレラとGT3系を除き、全モデルMHEV化が
ほぼ確定的と言われています。そんな中、市場のリアクションを見ていると、どうもMHEV化を歓迎する声が少ない。むしろ、
ネガティブに捉えられることが多く、改めてこの機構が「不人気」であることが浮き彫りになっています。どうしてMHEVは受け入れられないのか、について考察しました。
まず、欧州車の多くが採用するMHEVシステム(メルセデスベンツのISGが有名)ですが、いわゆるプリウスやPHEVモデルに採用されるシステムとはまったく違います。基本的には、48vバッテリーとモーターを組み合わせたシステムで、その構造から「なんちゃってハイブリッド」と揶揄される事も少なくありません。MHEVによるメリット、デメリットをまとめてみました(他のもあればご指摘ください)。不人気なのは単純に
イメージの問題もあるかとは思いますが、
メリット
・モーターにより発進トルクが大きくなる
・燃費がやや向上する
・エンジンスタートストップ時の振動が低減できる
・CO2排出量を低減できる
デメリット
・システムが複雑化することによる故障リスク増大
・システムが複雑化することによる車重増
・メインバッテリー・サブバッテリーの寿命が短くなる
・エンジンの高回転化には寄与しにくい
・車両価格が上がる
・燃費は期待しているほど良くならない
こんなところかと思います。。残念ながら、
単純にデメリットの数の方がメリットの数を上回ってしまっています。飽くまで私見ですが、たしかに軽量かつシンプルに造りたいスポーツカーに於いては、ほぼ
MHEV化のメリットは無いと思います。一方、もともと車重が重たいGクラスのようなSUVに於いては、発進時のトルクをモーターアシストできるというのは街乗りのストップ&ゴーを繰り返すような場面では意外にも
恩恵があるのではないか、と考えます。
なので、現状スポーツカーの場合はMHEVは手放しで喜べる代物ではないが、SUVなどの車重が重たい車両に於いては
一定のメリットがあるのではないか、というのが私の目下の結論です。EVが世界的に大失速している一方、ある程度メーカーとしてもCO2排出低減という目標値がある中では、残念ながら何かしらのハイブリッドシステムは当面主流になるのではないか、と思います。とどのつまりは効果の割には割高、かつ
過渡期の産物という点が災いし、「不人気」なのかと推察します。
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Posted at
2024/04/15 13:52:31