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2024年05月11日

欧州自動車産業を飲み込む「EV沼」

欧州自動車産業を飲み込む「EV沼」 近年、世界の自動車需要をけん引してきたのは中国に他なりません。少なくとも、対外的には高度経済成長を続ける中国に於いて、よりプレミアムな物への欲求は高まり続け、クルマに限らずハイブランド商品が中国で飛ぶように売れて来ました。欧州メーカーにとっては正にドル箱市場でしたが、ここに来て「中国特需」が急失速しています。

欧州では排ガス規制への機運が高まった2010年代半ばからいわゆるEVシフトが始まり、各メーカー2030年までにガソリン車を撤廃するなどの狼煙を上げました(その後、2035年に延長)。表向きは「環境への配慮」ですが、この裏には、当然トヨタなどハイブリッド車をメインに据える外国企業への対抗策という意味合いが強かったのではないか、と思います。それがここに来て急速なEV離れ(というか、EV需要がすでに満たされ頭打ちになった)が始まり、どの欧州メーカーのEVも苦戦しています。加えて、中国BYDが台頭し、テスラなどの古参EVメーカーの存在もあり、国内でも海外でも思ったほどEVが売れない現状が続いています。流石にこの状況では欧州自動車産業存亡の危機という事で、各企業からEUに相当な圧力がかかったものと想像します。結果、2035年ガソリン車撤廃案はいつのまにか有耶無耶になりつつあります。

しかし、ここまで中国への依存度を高め、EVへと舵を切った欧州メーカーが内燃機関回帰の機運を再度高めていくというのはなかなか難しいように思います。結局、どっちつかずの状態になってしまっており、欧州メーカーにとって状況は非常に厳しいと言わざるを得ません。VWグループも、ポルシェも2024年の第一四半期は大幅な収入減を表明しており(なぜか2024年度としては黒字目標を崩していませんが)、他メーカーもほぼ同じような状況です。結局、すったもんだ有った挙句、トヨタの一人勝ち、という状況になりつつあります。策士策に溺れる、皮肉な物ですね。個人的にはEVはオワコンだとは思いませんが、しばらくは頭打ちの状況が続くと思います。全固体電池の普及やインフラ整備などが急速に進まない限り厳しいと思います。加えてリセール極悪問題がより消費者の財布の紐を堅くしているように思います。EVの未来に光明はあるのでしょうか?
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Posted at 2024/05/11 14:47:54

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この記事へのコメント

2024年5月11日 23:48
こんばんは。
1年余り所有したEV経験者として興味深く拝読しました。
リセールが極悪なのはそのとおりですね。
年々着実に劣化していくバッテリーの価値が車両の価値に含まれるうちは、バッテリーの耐久性や航続距離にさらなる技術的なブレークスルーが起きない限り、EVがガソリン車に取って代わるのはまだ少し先のような気がします。
コメントへの返答
2024年5月12日 8:49
Viki師匠はこのタイミングで、非常に貴重な体験をされたと思います!

私はiD4と、タイカンしかEVは乗った事がありませんが、ただ乗る分には正直言って不満はありませんでした。ただ、実際所有するとなると充電インフラの問題や、航続距離の問題、タイヤ摩耗の問題、リセール問題など、問題が山積みです

食わず嫌いでハナからEVにアレルギー反応を示すのは勿体無い気がしますが、おっしゃる通りEVに移行するのはまだもう少し先で良い気がしています
2024年5月13日 9:52
街中チョイノリ車は、現状でもBEVで全然OKと思いますが、今のエンジン車の完全置き換えと考えるとすると‥‥。

数年後の全個体電池(正確には、バルク型全固体リチウムイオン電池)が実用化されれば、電力量と充電時間の問題は大きく緩和されることとなると思います。
ただし、前者は「同じ重さで倍の走行距離」もしくは「同じ走行距離で半分の重さ」くらいにしかならないので、それくらいあれば十分とはなっても、エンジン車より軽い車にはならないでしょう。そしてそれが打ち止めで、それ以上のエネルギー密度向上はほぼ無理だと思われますので「車の重さはこんなもん」という常識の方が変わるのでしょう。
後者はおっしゃる通り、電池側が急速充電に耐えられるようになったとて、インフラを整えなければ急速充電はできないので、大幅な改善は当面しないだろうと思います。膨大な電力を使う充電ステーションは、その背後のグリッドや発電方法もセットで考えないと作れないので、おいそれと普及できるものでもありません。電力の変動幅が猛烈になるので、そのロバストネスを確保するのはきっと大変で、特に日本では急速充電ステーションの広い普及を目指すべきではないかもしれないくらいです。おそらくは、全個体電池で大容量化できた後は、急速充電に向かうのではなく、ちょこちょこどこでも補充するような使い方を目指すのではないでしょうかね。それも大変でしょうが、まだマシだと思います。

当初は、全個体電池の値段は猛烈に高いはずで、実用化後の3世代くらい後になった頃に、ようやくトータル性能がまともなものになるくらいではないかと思います(それでも今のエンジン車並みまでのコストダウンは難しく、車の値段帯が上るでしょう)。

BEVの先々が暗いわけではけっしてないと思いますが、タイムフレームを見誤っているというか、わかっていて騙しているというか、すぐにその地に辿り着けるという時間軸の楽観、技術レベル・実用化レベルの誤認があるだけだと思います。実用していかないと実用性は上がらないので、走りながらいくしかないでしょうけども。

また、リチウムイオン電池(全個体電池もリチウムイオン電池の一種)の大量普及は、廃棄方法(リサイクル方法)が確立していないことが大問題だと思いますね。
最も勢いのあるBYD自慢の「ブレードバッテリー」は、素材リサイクルの前にそもそも分解することすらできないようになっています。https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02462/070500017/
というか、リサイクル手段は当面(ずっと!?)確立できないと思っているから、素材ごとに分解することを放棄した設計になっています。各社競争下にあって電極材料も多様な上に詳細は非開示であることも、リサイクル上は問題です。
リチウムのリサイクルはおそらく未来永劫できないので、せめてそこは捨てやすくして、他の有用素材だけは集めやすいようにする工夫(内容明示、分解可必須化)は義務化するとかしないと、捨てることもままならない電池が、大量にそのままの姿でどこかに保管され続けることになりかねません。なんで誰も咎めないのか不思議です。

そして、リチウムイオン電池以外に、今の汎用の車用に向く電池はきっとできません。
(ボイジャーにも載っている原子力電池は、低電力長期間運用の優れた電池ですが、車どころかスマホにも向きません。電力を確保できません。)
コメントへの返答
2024年5月13日 12:54
いつもながら大変勉強になるレスありがとうございました。一々うんうん、と頷きながら読ませていただきました♪

そうですよね、ご指摘の廃棄の問題は私もずっと気になっておりました。廃棄コストももちろんですが、廃棄による環境負荷というものも絶対あるハズです

この辺の議論がまったく進まないまま、欧州と中国主導でEV推進の方向に舵が切れてしまったことは非常に納得の行かないところです

現状、リチウムイオン電池に取って代わるのは全固体電池くらいしかないのでしょうが、何か他画期的なブレークスルーでも無い限り、パラダイムシフトは起きないのではないでしょうか?

私も今はまだ「試行錯誤」の段階だと思っていて、タイムフレームとしてはまだまだガソリン車に匹敵する魅力ある商品になるのは時間が掛かると思います

果たしてBEVの未来は明るいのでしょうか?

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