
少し前に湾岸線で暴走するGT2RSが国産車に突っ込んで、被害車両に乗っていたご夫婦がお亡くなりになりました。ポルシェに限らず、時折ハイパフォーマンスカーが絡むこのような
痛ましい事故が起き、一ポルシェ乗りとしては
忸怩たる想いがします。何故公道でそこまで
無謀な運転をしてしまうのか?せっかく大枚叩いて買った高性能車、その性能を試してみたくなる気持ちは分からなくもないですが・・。
そもそも直線でスピードを出すだけなら
サルでも出来ます。アクセルペダルをべた踏みすれば良いんですから。ハイパフォーマンスカー本来の性能や、限界域の挙動を体感したいのであればやはり
クローズドコースに愛車を持ち込むのが王道の楽しみ方だと私は思います。一方、クルマ関連のメディアやSNSにおいて、「サーキットは安全」という話をやたらに見聞きしますが、サーキット=安全という話が独り歩きしすぎるのもまた危険な気もします。もちろん、縦横無尽にクルマが往来する公道に比べれば、ある意味安全なのは間違いありません。しかし、公道では考えられないほどの高速域でクルマを走らせる、ということは、走行に耐えうる
車両整備や
安全点検は必須ですし、最低限のスキルを習得することや、安全装備の装着なども
当然の責任として付随します。
私自身はかつて、約10年間に渡りサーキット通いをしてました。雑誌やショップ主催のドライビングスクールやクラブ主催の走行会への参加、広場トレーニング、草レースなどなど。サーキットも関東圏の主要サーキットはもちろんのこと、時にはSUGOやスパ西浦にまで遠征しました
(日本が世界に誇る鈴鹿サーキットだけは走った事が無いのが悔やまれます)。で、
怖い思いをしたことも2度や3度ではありません。幸い、大きなクラッシュを経験したり、怪我をすることはありませんでしたが、スピンしてグラベルに突っ込んだり、オイルが沸騰してエンジンがオーバーヒートしかかったり、夏場の走行でキャリパーが熱で溶けたり、ホイールが脱輪しかけたり、まあ
色々ありました。しかし、40歳手前で自分の
体力と
動体視力の
衰えを自覚するに至り、「引退」を決意しました。
で、何が言いたいかというと、やはりクルマ好き、とりわけポルシェ好きなら
サーキットは経験しておくべき、ということです。それも可能なら若いうちに。私がサーキットデビューしたのはたしか29歳くらいの頃だったと記憶していますが、その頃に色々経験したことがその後のカーライフに大きく影響しました。クルマってこう動かすんだ、こう操作するとダメなんだ、ブレーキって本当にフェードするんだ、という
原理原則を
肌で理解出来るようになるんですね。ただし、いきなり走行会に行って
おんどりゃーっと走るのはお勧めしません。やはり最初は地味かもしれませんが、オーバルトレーニングやスキッドパッド、八の字走行等の
基礎トレから初めて、
徐々にステップアップすることをお勧めします。そういった「基礎」があると無いとで、いざとなった時の
対応力がまるで異なってくるからです。
サーキットで事故に遭った場合、すべては
自己責任です。事故を誘発しても、もらっても、怪我をしても、自分で治すしかありません。掛け捨てのサーキット保険も敷居が上がったと聞きます。まかり間違って死んでしまったらサーキット保険で遺族に多少のお金は出るかもしれませんが、
スズメの涙です。であるが故に、私たちは所詮素人なので、十分準備に準備を重ねて、絶対に事故らないよう、
安全マージンを保ってサーキットに臨むことが肝要です。そしてサーキットで得たことは、公道走行の際にも必ず役立ちますし、愛車に対する見方もまた変わります。私も未だに「またサーキットを走ってみたいな・・」、とふと思う事もありますが、周りの方や家族に迷惑をかけるワケにも行きませんので、昔の記憶を
宝物として、日々安全運転に努めています♪
Posted at 2022/05/16 14:28:33 | |
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