
ここ最近、GT3、カレラTと矢継ぎ早に「売れ線モデル」がポルシェより投入されました。しかしながら、いずれも「マーケティングの産物」という印象をぬぐえません。正直言って、ここ数年でポルシェが
本気で作ったと思えるモデルはS/Tと992.1GT3RS、992.2カレラGTSくらいです。それ以外は
小手先のギミックに終始しているように感じます。
ポルシェの台所事情としては、①中国市場の
急激な冷え込み、②2025年から施行される
Euro7規制、③Varta社の
バッテリー供給不足、④VWグループの工場閉鎖に伴う
従業員の士気低下、という4つの問題があります。①については、すでにポルシェはディーラー網の縮小を公表しており、中国経済の状況を考えると当面回復の見込みはないと考えます。ユーザー目線で見れば、「中国枠」が日本市場に回ってくるという意味では
良い面もあります。②についてはすでに見られるように、かなり
厳しい状況です。GT3もカレラTもほぼ「性能面での上澄みがなかった」ことから分かる通り、Euro7/Lamda1の適合はICEにとってはかなり
ハードルが高いと言えます。③は深刻で、肝いりで発表したハズのGTSの生産が
大幅に滞っています。本来992.2の目玉モデルとなるハズであったGTSが売れない、というのは痛手であることは想像に難しくありません。そして④についてはご存じの通り、VWのドイツ国内の
主要工場が閉鎖されることが決定し、これに伴い
大規模な解雇が予想されています。これに呼応する形でポルシェの労働組合も今週から
ストライキに入っています。
VWグループ内に於いて、常にポルシェはグループの
稼ぎ頭として君臨してきました。コロナ禍の影響がありつつも、ずっと
増収増益で来ていたポルシェですが、2024年の第1、第2四半期の決算は
厳しい状況になっています。こうした現状を踏まえ、とりあえずマーケティング主導で
日銭を稼げるモデルを世に出さないと・・と考えた結果が新型GT3、新型カレラTなのではないかと邪推します。これまでの75年を超えるヒストリーの中で、ポルシェは常に新しい技術、時代の中では「最高のモノ作り」を通じて
確固たる地位を築いてきたメーカーです。そうしたメーカーが、日銭を稼ぐために、マーケティング主導の
お茶を濁したようなモデルと次々と投入せざるを得ない状況は正直不安になります。EVが
大失速する中、マカンEVやこれから登場するボクスター/ケイマンEV、そして7人乗り高級SUVのプランは一体どうなってしまうんでしょうか?再三再四述べていますが、私はEVに必ずしも否定的な立場ではありませんが、VWグループはEV路線に舵を切るのがとにかく早すぎたのではないか、と危惧します。やはり何かしらの形で内燃機関が生き残る道をもう少し模索するべきではなかったのか?
ここからは完全に個人的な憶測ですが、内燃機関は恐らく今後も何かしらの形で存続すると思います。それが化石燃料であれ、バイオフューエルであれ、とにかく
内燃機関が完全に消えるまではまだあと5、60年間はかかると思っています。故に、今後のスポーツカーの生き残る道はやはりライバル他社がやっているような
ハイブリッドしか現状無いのかな、と思います。実際、296も、アルトゥーラも試乗しましたが、ハイブリッドながらしっかりドライビングプレジャーを伴った
素晴らしいパフォーマンスカーとなっています。992.2GTSは乗っていませんが、恐らく同様に素晴らしいモデルに仕上がっているのではないか、と想像します。これから出てくるターボS、GT2などのスペシャルモデルもハイブリッド不可避ですが、ポルシェの事ですから
素晴らしいモデルに仕上げて来ると思います。
手枷足枷で中途半端なモデルを投入し続けるくらいなら、個人的にはハイブリッドで最高な物を作る、という路線を突っ走ってもらいたいと思います。とはいえ、いざ自分が狙うとなるなると、とりあえずは
ポルシェが最後に作るICEということになるんですけどねw。このコダワリだけはどうしても捨てることが出来ません!😅
Posted at 2024/10/31 21:24:00 | |
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