
最近頻度多めのカーボン加工。『リアルルック工法』とか『ハンドレイアップ』というらしいですが、みん友のすぎえもんさんの『YOSHI GROUP』直伝な手順から自分なりにアレンジしていったものを毎度整備手帳にざっくりと載せています。
実際にやってみると1つ1つの工程自体はシンプルなんですが、なかなかうまく行かないことが割とあったり、仕上げとかどこまでもこだわれるので、ホントに『沼』です😅また、肉体労働成分が多めなので、もっと楽にキレイに仕上げたいので『こうやったらどうなるんだ?』とかちょっとずつ手順を変えたりしながらやってます。
手順を超絶要約すると、師匠のすぎえもんさん曰く
樹脂塗って、ペタっと貼って、サクッとトリミングして、ザァーっとペーパー掛けして、フキフキして磨くだけ
とは言うものの実際どんな感じでやってるのかもうちょっと細かく書いてみようと思います。なお、
『これが間違いなく正解』ではないと思うのでそのあたりはご了承を。もっと楽にキレイに仕上げる方法があれば教えてください😁
■使う材料や道具
・加工するパーツ
実車から外すなり、ヤ○オクやメ○カリで調達するなりします。
・カーボンクロス
ガチのカーボンファイバーを編んでを布状にしたもの。最近はすぎえもんさんに教えてもらってAliExpressで買ってます。綾織り(2x2ツイル)の240gsm(グラム/平方メートル)の100cmx80cmを2枚ずつとかですかね。ちょっと厚めです。200gsmだと結構薄い感じです。この辺はお好みで。
Free shipping [Grade A+] Real Carbon fiber fabric Carbon Cloth Boat Car Plane 240gsm 2x2 twill 100cmx80cm [Roll up shipment]
・ラミネートプライマー
カーボンクロスをパーツに固定するための接着剤。FRP材料を販売しているサンライトさんで購入してます。硬化剤も付いてきます。通常は褐色っぽいプライマーを使っていますが、パーツの下地が白っぽい場合は黒のプライマーを使ってます。
ラミネートプライマー 2液 250gラミネートプライマーブラック 2液 250g
・cFRP用パラフィン樹脂(ノンパラフィン、インパラフィン)
貼り付けたカーボンクロスに上に塗り固める樹脂。カーボン加工用樹脂(cFRP)は通常のFRP樹脂よりも透明度が比較的高いやつです。キクメンドットアジアさんで購入してます。最初のお試しセットもここで購入しました。
カーボン仕上 自作 補修 車 船 4点インパラ樹脂250g・ノンパラ樹脂250g カーボンクロス0.5m×1枚
大きめのパーツは結構樹脂の減りが早いので、最近はノンパラ・インパラ各1kgずつ購入してます。こちらも硬化剤付きです。
カーボン仕上 自作 補修 車 船 インパラ樹脂1Kg・ノンパラ樹脂1Kg 汎用ベーシック
・デジタルスケール
硬化剤を添加する量がかなりシビアなので、1/100gのデジタルスケールを使ってます。Amazonで1300円ぐらいでした。
デジタルスケール キッチンスケール 0.01g-500g 精密 電子スケール クッキングスケール 精密電子はかり 電子天秤 コンパクト 風袋引き機能 多用途超小型
・ハケ、紙コップ
ダイソーやセリアなどの100均で定期的に大人買い。樹脂やプライマーを塗るのに使います。ハケはアセトンで洗浄すれば使いまわしできるそうですが、アセトンのニオイと置いておくスペースがないので基本的には1回(1プライ)塗るごとに使い捨てにしています。常にできるだけまとまった量をキープしてる感じです。
・レジ袋や養生シート、布団圧縮袋
クロス貼付け後の圧着に使ってます。ちなみに、樹脂が乾燥するとペリペリ剥がせます。
・マスキングテープ
これもクロス圧着用。レジ袋や養生シートをグルグル巻きするのに使います。
・ニトリル手袋
作業中はどうしても樹脂が手に付いたりするので、使い捨ての手袋は必須です。今はモノタロウで買ってます。
ニトリルゴム手袋 極薄 粉なし ブルー色 100枚入
・耐水ペーパーと耐水ペーパー用スポンジブロック
320~2000番ぐらいまで。基本的にはスポンジブロックに巻いて使います。
・トリミングに必要な各種工具
手持ちの切削工具すべてです!あと、
防じんマスクと防護服と防護メガネ。樹脂を削る工具や方法によっては細かい粉になって舞ってしまいます。作業中に粉を吸い込んでしまいますので
マスクは必須です。できるだけ、
防じんのものを使ったほうが良いです。また、粉が皮膚に付着すると湿疹になったりします(ピリピリヒリヒリします)。最近は使い捨てのフード付き防護服とか売っているので、安いので構わないので着たほうが良いです。防護メガネはリューターなどでトリミングする際に破片が目に飛んでくるのを防ぐためです。
防護服 SMS製 JIS対応 つなぎ
3M 防じんマスク 8710-DS1 10枚入り 8710-HI-10
アウトドア/作業用安全ゴーグル
・液体コンパウンドとサンディングスポンジ
磨きの最終工程。電動ドリルにパッドとサンディングスポンジを取り付けて使います。
16個入 ポリッシャー バフ パッドセット フラットサンディングスポンジ 3mmシャンク付 フックとループ バッキングプレート ドレメルカーワックス Hook & Loop 研磨パッド 電気ドリル用 洗車用
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■作業場所
雨風しのげて風通しが良いところですかね。自分はベランダでやってます。樹脂が垂れたりするので床のみならず、周囲の養生もした方が良いと思います。
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ようやくここから作業手順です。
■カーボンクロスの裁断(5~10分)
カーボンクロスを広げてパーツのサイズより大きめにマスキングテープを貼り、貼ったマスキングテープを切っていってます。そうしないと、切ったところからクロスがバラバラに解けます。綾織りの場合、織りの向きに注意です。また、ギリギリのサイズだと貼り付ける際にめちゃ苦労した挙句の果てに失敗します😅
■パーツの足付け(5~15分)
プライマーの付きを良くするため、耐水ペーパーの240~320番でカーボンクロスを貼る面全体をガシガシ磨き、わざとキズを付けます。シボ加工されているパーツは、ペーパーや電動サンダーでシボを落としておきます。
■ラミネートプライマー塗布(15分)
足付けしたら水で洗浄して、シリコンオフで脱脂します。脱脂したらラミネートプライマーを塗ります。
プライマーや樹脂の計量手順は共通です。
使うプライマーの量はパーツのサイズによってまちまちですが、テールランプカバー2枚なら15~20gぐらい、ダッシュパネルの助手席側なら60~70gぐらいでした。『使うクロスの重さの何倍』とか言った目安があったような。。。
ラミネートプライマー単体だと結構濃い目の褐色。黒のプライマーは『粘度が高い墨汁』みたいな感じで真っ黒です。
プライマーや樹脂の量の1~2%の硬化剤を添加します。気温や『お急ぎ具合』によって変わりますが、気温25℃ぐらいあれば1%とか1.5%あたりにしてます。もうちょっと寒くなったら2%じゃないと固まらないかも。
添加したらハケで混ぜ、パーツに塗っていきます。混ぜるとちょっと色が薄くなります。
塗ったら半乾きになるまで放置プレー。大体30~60分。個人的な目安は『指でちょんと触ったときに指紋の跡が付くが指にはプライマーが付かない』ぐらいです。
■カーボンクロスの貼り付け(1パーツ5~20分)
貼り付けの時は結構急いでるので写真は撮ってません🤣
裁断したクロスを表裏逆に広げて貼り付けたときの綾織りの目の向きを確認し、上からパーツを軽く押し当てて裏返し、クロスを手のひらで軽く押さたあとに手のひらで『クロスの繊維に沿って』軽めにしごきながら貼り付けてます。『綾織りの目』方向にしごくと目がズレます。目がズレてしまった場合は『クロスの繊維に沿って』上下左右から軽く親指で押さえながら外方向に引っ張って直してます。
■カーボンクロスの圧着(10分~一晩)
クロスを張ったら、パーツのサイズによってレジ袋に入れたり養生シートを巻き、絞りながら空気を抜いて圧着します。
その後、解けないようにマスキングテープでグルグル巻きにします。大きめのパーツの場合、クロスが浮いた場合のショックも大きいので布団圧縮袋に入れて真空パックします。
あとは乾燥まで放置プレーですが、目安は『紙コップに余ったプライマーが固まるまで』にしてます。それまでに樹脂を塗ると剥がれちゃいます。なので、プライマーや樹脂の量はギリギリではなくちょっと余裕があるぐらいのほうが良いです。
場合によっては、このまま一晩寝かせたりすることもあります。
■樹脂塗り(1回目)(1プライ15分)
プライマーが乾燥したらご開帳。ここでクロスの目がキレイに貼れてたらテンション上がるんですが、端っことかが浮いてたらショック。。😭場合によっては、クロスを剥がして貼り直します(A・Bピラーの時やった😭)。
うまく貼れてたら(自分が納得できたら?)、cFRP樹脂を塗っていきます。計量手順はラミネートプライマーと同様で、通常はノンパラフィン樹脂2回(2プライ)、インパラフィン樹脂1回(1プライ)塗ってます。ダッシュパネルなど『失敗したら精神的肉体的ダメージが大きい』パーツ😅はノンパラ3プライとか、その辺は適宜調整してます。
1プライ塗ったら、ラミネートプライマーと同様『紙コップに余った樹脂が固まるまで』を目安に放置プレーします。待ち時間めちゃ多いので、その間に家庭内PKO(平和維持活動)をやっときましょう😅
インパラフィン樹脂(通常は3プライ目)を塗ったらひとまず樹脂塗りは終了。塗りたてはテラッテラですが、乾燥すると半透明になります。いつもは一晩以上置いて乾燥させてますので、だいたいここまでが1~2日目ですかね。
当然ですが、塗れば塗るほど厚みが出ますので、パーツを車体に戻す際何らかの加工が必要になる場合があります。
■余分なクロス・樹脂のトリミングと削り(1回目)(30~240分)
樹脂が乾燥したら、余分なカーボンクロスや樹脂をトリミングしていきます。要は、
手持ちの道具をフル活用して、最終的に不要な箇所を削ったり切り取ったりする
ってことです。よく使う工具はこんな感じです。
・電動サンダー
・ホビーリューター+タングステンビット/ダイヤモンドディスク
・耐水ペーパー/棒ヤスリ
・カッター/ハサミ
・ニッパー/ラジオペンチ
・防じんマスクと防護服と防護メガネ
樹脂が付いていないところはカッターやハサミでカット。
樹脂はリューターや棒ヤスリで。端っことかは電動サンダーで。わざと折り返し部分を残す場合もあります。
作業場所はちゃんと養生しときましょう。でないと、家族に怒られます🤣当然、後片付けもお忘れなく。。。🤣
トリミングが終わったら、表面の凸凹をある程度削ります。ここ最近は、この段階で『あとは磨けば完成』に近いぐらいまで削ってます。何となくその方が後の工程(特に2回目の削り)が楽な気がします。
モノにもよりますが、ここまでで2~4日目です。
■樹脂塗り(2回目)(1プライ15分)
基本的に1回目と同じ内容ですが塗る回数だけが違い、ノンパラフィン樹脂1回(1プライ)、インパラフィン樹脂1回(1プライ)塗ってます。厚めにもう1プライ塗るかどうかはパーツや気分によって判断する感じです。
ここで大体2~5日目です。
■削り(2回目)(60分~∞)
『2回目のトリミング』というか。。。😅使うのは耐水ペーパー320番。だいたいここで削り過ぎてクロスを削ってしまってます😭
また、この作業内容が仕上げにモロ影響しますので1回目よりも気を使って整形して『あとは磨けばOK』の状態まで持っていきます。また、巣穴や削り過ぎがあった場合にどう対処するかを決めてます。
ここで大体3~7日目です。
■削り過ぎと巣穴の補修(30~90分)
だいたい『再度ノンパラ・インパラ1プライずつ塗る』『UVレジンで埋める』『放置する』のいずれかになります。
削りすぎた場合は面倒ですけどもう1回ずつ樹脂を塗ったほうが確実です。
巣穴はUVレジンを点付けしてペーパーで磨いたほうが早い事が多いです。
車体に取り付けた際に目立たなくなる or 見えなくなるのであれば『放置プレー』という判断も全然ありです😁
■磨き(60分~∞)
320番でしっかり削り込んだら、番手を上げて磨いていきます。いつもは600→1000→1500→2000番の順ですが、400番と800番を切らしただけなので補充すればもう2つ増えそう。。。😭だいたい洗面台かお風呂場でやることが多いです。
320番で『あとは磨けばOK』の状態まで行ってるはずなので、ここでは軽く『1つ前の番手の磨きキズを消す』ようなイメージで、優しく円を書くように磨いてます。
作業前の養生と後片付けをお忘れなく。。。🤣
2000番まで磨いたら、液体コンパウンドで最終的な磨きです。電動ドリルにサンディングスポンジを付けてやってますが、これでだいぶ楽になりました😊
ここで大体4~10日目です。
■ウレタンクリアーでのコーティング
最近は『樹脂磨きっぱなし』ではなくトップコートにウレタンクリアーを使うようにしています。磨きっぱなしよりも仕上がりがテラッテラになります😁ウレタンクリアーを吹く場合は磨きを800番までにして、シリコンオフで脱脂してから吹付けます。捨て吹き→2回目までは軽め、3回目以降は垂れない程度に塗装よりもゆっくり目に最低でも5,6回吹いて割と厚めにしてます。その後1週間ぐらい乾燥させてから2000番で水研ぎをします。気泡のスポットや垂れた部分はここで磨いて消しておきます。水研ぎが終わったら、コンパウンドで磨きます。
■仕上げ(10分)あとはお好きなコーティング材を塗布して車体にパーツを取り付けて作業完了です。
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パーツの大きさや形状、時間がある/ないにもよりますが、1つのパーツで通常5~14日かかります。小さいパーツでも樹脂の乾燥に時間がかかるので、どうしても5日ぐらいは必要ですね。また、クロスが剥がれたり削りすぎたりしてやり直したり、凸凹や磨きキズが気になって磨きにこだわったりすると、あっという間に3~4日追加でかかったりします。
最近(2022年シーズン)は焦らず割とのんびり1ヶ月ぐらいはかけて作業するようにしています。理由は2つあって、『樹脂の乾燥』と『仕上がり具合』です。
日が当たらないルームランプやインナードアハンドルカバーなら割と良いんですが、陽が当たる箇所は経年でどうしても樹脂が『痩せて』くるので、作成時にできるだけ乾燥(表面じゃなくて内部)させたほうが良いと思うようになってきました。本当は赤外線ヒーターでガンガン熱を入れると良いんでしょうけどそこまではできないので、時間をかけて日向ぼっこさせたりしてます。『仕上がり』については、ペーパー掛けを1番手あたり少なくとも2回以上やるようにしてます。『1度磨いて乾燥させて磨きをチェックし気になるところを再度磨く』の繰り返しです。これで『磨き残し』だったり『曲面の仕上がり』が少しは改善されてる感じです。
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カーボン加工って肉体労働成分が多めでできれば手戻りしたくないので、いろいろと安全策を採ってるんですがそれでも毎回何らか失敗してます。特に削りは『カーボンクロスを削るか削らないかのチキンレース』(すぎえもんさん談)みたいな感じなので心が折れそうになります😅が、ただその分、仕上がりはラッピングでは味わえない達成感があります😊
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今回割と細かく書いてみて『大変そうだ』というコメントしかないと思いますが、やってみると『徐々に出来上がっていく』のを体感できて面白いですよ。
重い腰を上げればサクッとやれると思いますので、お試しセットを使ってぜひ一度😊