
2002年に購入したシトロエン初代C5前期型から私のシトロエンライフが始まります。20年近く乗るとは思ってもいませんでしたが、長く乗るということはそれなりのトラブルもあるわけです。
初代C5前期・後期型の普段の乗り方について。
今のC5エアクロスではしていませんが、初代C5では停止時にNに入れていました。ATで停止時にニュートラルに入れる方法は諸説あり、当時は混沌とした時代で「解」がありませんでした。
しかしながら、壊れると有名なATミッション「AL4」はこの停止時にNするという方法で13万キロを走っています。さらにATフルードは無交換です。13万キロの時点で走行中にまれにギアが抜け、ディスプレイとメーターにチェックランプが表示されました。エンジンOFFで消えています。
後期型でも停止時はNに入れる方法にしていました。後期型はATフルードは一度交換しています。
エンジンオイルについては、1年点検ごとに交換しています。およそ1万キロでの交換です。エンジン自体はこれで壊れたことはありません。
初代C5前期型は、当時流行ったアーシングを行っています。C5前期型でカスタムした唯一の部分でした。後期型は何もしていません。
初代C5前期型は6万キロを経過したあたり(6年目)から故障が出てきています。
廃車にする13万キロまでの故障をざっと書き上げると、
・エンジンオイル漏れ
・エアコン故障A/Cブロアコントロールモジュール交換
・エアコンモーター故障
・ATオイル漏れ ATのセンサー部分のリングからのオイル漏れ
・ウォーターポンプ故障×2
・リアリバウンドブロックの破損 納品まで半年
・パワステポンプからのオイル漏れ
・外気温センサー故障
・ステアリングのベアリングのガタ
・水温計故障
・左リアのパワーウィンドーモーターの故障
・リコール2回
などがありました。
何もないときは国産車と同じ車検代で済みましたが、故障が出るようになってからは1年点検や車検のどちらかで+10万円はかかるようになりました。
ただ、大事には至らなかったです。
これは、夫婦共々レースをしていたおかげて車の異常にすぐに気が付いたためだと思います。高速走行中に水温計故障とウォーターポンプ故障が同時に起こり、水温計が振り切れ、ラジエターの水が減ったときは奥さんが単独で運転していました。奥さん自らディーラーに電話し症状を伝え、ラジエターに水を補給しながら高速を走って帰宅し、帰宅と同時にラジエターからすべてのクーラントが漏れました。オーバーヒートを起こさずに奥さんは自宅までたどり着いています。
とにかく異音・異臭・異常があったらすぐチェックという癖がつきました。異常があったら携帯電話で動画や写真を撮ってメカニックに伝えていました。早期発見・早期治療です。再現性がない故障でも画像や動画を残しておくことでメカニックが故障の当たりを付けることができます。
車の故障は想定外の場所が原因のことも多く、「多分ここじゃないかな?」という素人の思い込みは危険です。自分の予測は伝えず事実・現象のみを伝えることが大事です。
後期型では、
・メーター故障×2
・ウォーターポンプ故障
・パワステポンプからのオイル漏れ
・エンジンオイル減少によるチェックランプ点灯
でした。
ハイドロラクティブⅢの油圧系統からの故障は、初代C5前期・後期型で1回もありませんでした。
フランス娘は何かしらの情報をドライバーに伝えてきます。それをいち早く気が付いてあげるのが長く乗るコツです。
「機械というものは壊れるもの」という認識です。
初代C5前期型のマイナートラブル。
どうも、2000年当時のプジョー・シトロエンはフロントドア回りの立て付けが悪いため、新車でもドア回りからカタカタと異音がしました。
ゴムモールを替えても再発する可能性があります。どうやらこれは2000年以前のプジョー・シトロエンではよくあることらしいです。
この対策は諸先輩方から教えてもらいました。
「3Mスコッチ メンディングテープを異音が出るドアのゴムが当たる箇所のボディーにグルっと1周張り付けろ。」
18mmがおすすめで500円以下です。これで異音が出なくなります。
考察すると、メンディングテープは半透明で表面がざらざらしています。もともと本や紙の修繕用テープでこのザラザラのおかげで鉛筆やマジックで文字がかけるようになっています。また、テープの糊が長時間劣化しなくはがした時糊が残りにくく、耐水性もある。何より貼るとテープが目立たない。
このテープのザラザラの表面がドアゴムとの抵抗となり、わずかなテープの厚さで立て付けの悪さも解消できドア自体がずれにくくなったのかと思います。
また、同じ個所でカタカタ音が出たら?
「貼り替える。もしくは、追加で何枚か重ねて貼っておけ。」
再発することはありませんでした。
前期・後期型では、ポジションランプが点灯しないことがしばしばありました。
諸先輩方からのアドバイスは、
「とりあえず、ライトにビンタしろ!」
ハロゲンランプのみ可能です。ランプ自体が切れている場合は無理ですが、接触不良のこともあるとのこと。一発(もしくは数発)叩けば接触不良なら点灯する場合があります。それで点灯しなければライトが切れているとのこと。
初代C5前期・後期とも確かにビンタを何回かすると点灯しました。
その後はちゃんと交換しましたが。
言うことを聞かないフランス娘はシバけばいいのか・・・。まるで昔のフランス恋愛映画みたいです。
故障は確かに困りますが我が家は故障も楽しんでいました。夫婦共々、気に入った車は最後まで乗り続ける性格でして「故障しても治るならそれで良し!」という考えだったからです。
奥さんのトゥデイRSは、就職してからずっと乗っていました。事故で廃車になるまで15年以上乗り続けていました。私のビートも15年ほどでした。最後はガスケット抜けでした。
初代C5後期型はあまり故障をしませんでしたが、2013年に中古で購入するにあたってディーラーからは「前期型を長く乗っていて故障原因も分かる方なのでお売りします。」と言われました。
シトロエン小田原で購入しましたが、担当者曰く「興味があるからちょっと乗ってみたい。」という人は断っていたそうです。国産車とは違い、予期せぬ故障がまだある時代です。それに対応できないオーナーでは維持するのが難しいという判断だそうです。修理に10万円以上かかることすらあり、AT載せ替えは30万近くします。国産車から見れば「え、何それ?」と思います。けど、それが外国車では普通です。さらに中古車なら何が起きてもおかしくありません。2007年のシトロエンであってもそれなりの覚悟が必要なのです。
この後期型、現物を一度も見ることなくメールのやり取りだけで購入しました。もともと330万円する車が5年落ち認定中古車でコミコミ100万円でした。
同じシトロエンであってもディーラーの経営母体が違うため、シトロエン浜松ではなくシトロエン小田原と同じ経営母体(ALC)のミニ浜松に納車されたのは良い思い出です。
不思議なことにALCとは縁があり、シトロエンジャポン浜松の経営母体であったフジ・オートステーションが撤退した後、シトロエン小田原の経営母体であるALCが現プジョー・シトロエン浜松となりました。
シトロエン初代C5前期・後期は良い車です。しかしながら故障という点は常について回ります。
そして、この初代C5はシトロエンの中では価値がない車とされています。日本では不人気車であり、販売台数も少ない。診断装置はディーラーしかない。部品も国内はすでにない。
それでも、私が20年近く乗り続けるだけの意味がある車でした。