20年近く乗り継いだ初代C5、何かに残したいと思い書き綴りましたがラストです。我ながら10回も続くとは思いませんでしたが、思い入れがそうさせたのでしょう。
回顧録を書くことで、改めていろいろ調べたり振り返ることができ自身の勉強になりました。
初代C5は時代の狭間に生まれた車でした。それ以前はAX/BX/CX/ZXがあり、その後、シャンソン/エグザンティア/XMの直線基調、クサラ/サクソの曲線基調と続きます。そして、Cシリーズに繋がります。
初代C5は前期型はクサラやサクソのデザインで、エグザンティアまでの直線基調から一気に曲線基調になります。。クサラやサクソはWRCで走っていたのでそれなりに有名ですが、C5はセダンです。丸っこくエグザンティアよりも肥大化したボディに楕円形ライトであり、それまでの直線基調のシトロエンから見れば没個性的な見た目となりました。これは初代C4ピカソも同様です。
Cシリーズになり半ば強引に後期型では初代C4の顔つきになりました。リアも大きく変わりましたが、取ってつけた感がありデザイン面では不利でした。
ですので、初代C5は雑誌ではほとんど触れられることはありませんでした。
初代C4や2代目C5・C6は当初からCシリーズのデザインで企画されているため違和感がありません。そして直線と曲線を巧みに取り入れ、バランス良いデザインとなりました。
初代C5はシトロエンの時代の狭間に生まれた車でした。固有の名前があるシリーズからCシリーズに移行する最初期の車であり、シトロエンのデザインが錯綜されていた時期でした。
時代の狭間に生まれた車は残りません。消えゆく車です。
過渡期の車というのは面白いものです。初代C5前期・後期に乗りましたが、中身はほぼ同じでもデザインが全然違う。当時のシトロエンの錯綜した時期を実際に体感できたことは幸いでした。初代C5前期型はその曲線基調のデザインのためシトロエンらしくないシトロエンであり、後期型は曲線基調の中に直線を取りれた今のCシリーズに繋ぐデザインとなりました。
初代C5前期・後期型は過渡期のためデザイン面で錯綜していましたが、中身はやっぱりシトロエンでありシトロエンが求める快適さとは何ぞや?は一貫してあります。
現在、エグザンティアは昔のシトロエンの直線基調最後の車であり専門店もあります。
けれども初代C5の専門店はありません。国内の部品もほぼない、フランス本国すらもわずかです。前期後期合わせても1000台程度しか売れていないため日本国内に現存する個体は数少なくなっています。
希少価値がない車ですし、販売から20年経つので絶滅危惧種です。今現在、中古車は50万円以下で購入できますが、どこが壊れるか分かりません。ATは間違いなく壊れます。そして診断機はディーラーにしかありません。単純に修理に30万円以上かかりますが、それだけ出しても乗り続けるほどの人気がある車ではないのです。
そんな初代C5ですが、気に入ってしまって前期・後期を乗り継いだわけです。
あらためて良い車であったと思います。
初代C5はいずれは国内からなくなりますが、記憶・記録はなくなりません。
シトロエンCシリーズという狭間に誕生したマニアックな初代C5という車があったと、ここを読んでくださった方の記憶に残れば幸いです。
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シトロエン | 日記
Posted at
2021/08/17 00:15:53