後編です。
ここから具体的にインチアップ・インチダウンした際の適合タイヤを調べていきます。
タイヤサイズ変更の流れとしては、
1)標準タイヤのサイズ・性能確認(速度記号、ロードインデックス、空気圧も含む)
2)タイヤサイズ換算表で目的のホイールサイズに適合するタイヤサイズを選択
3)タイヤ銘柄の選択
4)最終確認
となります。
続きの2)からです。
2)タイヤサイズ換算表で目的のホイールサイズに適合するタイヤサイズを選択
ここでは、まずどのサイズのタイヤが該当するかをざっくり見ます。
コペンセロSの標準タイヤ「165/50R16」をインチップ・インチダウンしてみます。
「165/50R16」を入力。

結果がでます。
〇5mm未満が標準タイヤに一番近いタイヤサイズ。
△15mm未満が次に近いサイズとなります。
(注意:この表では165/65R14を見るとタイヤ外径が小さくなるのに40.1km/hと表示されています。これは標準タイヤが時速40.1㎞のとき、この165/65R14が時速40km/hという意味です。間違えやすいのでご留意ください。)
平成19年以降の車はスピードメーターの誤差が時速40㎞で走行中に「+6.37%~-22.75%」の範囲内でないと車検が通りません。速度で言えば「時速30.9㎞~42.55㎞」となります。
インチアップ・インチダウンの原則は標準タイヤとほぼ同一にするです。
ですので、〇5mm未満の中からまずはタイヤサイズを考えます。欲しいタイヤに〇5mm未満のサイズがない場合は△15mm未満も考慮します。
コペン・セロSは乗り心地改善のためインチダウンすると決めていました。
計算結果より、165/50R16からインチダウンした場合で誤差が少ないのが「175/55R15」「165/65R14」となります。
3)タイヤ銘柄の選択
タイヤは用途に応じていろいろな種類があります。グリップ重視のスポーツタイヤ、普段使いでのコンフォートタイヤ、オフロードのM+S(マッド&スノー)タイヤなどです。
インチアップ・インチダウンの目的に応じてタイヤを選ぶことになります。
各種タイヤにもグレードがあり、どれにするか?となるわけです。
タイヤの性能について
普通の車が履くタイヤであるコンフォートタイヤにもグレードがあり「プレミアムグレード」「ハイグレード」「ミドルグレード」「スタンダードグレード」となっています。
注:各メーカーでグレードの呼び名が変わります。
グレードが上がれば「グリップ」「快適性」「騒音」「ウエット性能」が重視されます。グレードが下がれば「燃費性」「耐久性」が重視されます。
BRIGESTONEでのグレードは上から「REGNO」→「Playz PXⅡ」→「 ECOPIA(EP25)」→「ECOPIA(EP20)」→「NEXTRY」 となります。
コペン・セロSをインチダウンするデメリットとして、標準のブリヂストンPOTENZA RE050Aはスポーツタイヤなので当然、総合的なグリップは低下します。キビキビした操作性もマイルドになります。
インチアップ・インチダウンは発生するメリット・デメリットを自分がどれだけ受容できるか?なのです。
とはいっても、デメリットはタイヤの銘柄である程度解消できます。
コペン・セロSは、インチダウンしてもほどほどのグリップと操作性を重視。
そこで、以前カプチーノに履いていたPlayz PXの後継タイヤPlayz PXⅡにしました。
タイヤサイズを調べると、「175/55R15」「165/65R14」どちらも設定されています。
しかし、「175/55R15」は特殊サイズで取り寄せに時間がかかることが判明。
普段使いの車のタイヤが入手しにくいのはパンクした時に困ります。
ということで、いつでもどこでも置いてある「165/65R14」となりました。
4)最終確認
①タイヤ銘柄が決まったら適応リム幅とのマッチングを見ます。
「BRIGESTONE Playz PXⅡ 165/65/14 79S」の適応リム幅は5Jです。
用意したホイールは「4.5J+45 PCD100 4穴」です。
標準タイヤのPOTENZA RE050Aも適応リム幅は5Jですが、純正ホイールは「4.5J+45 PCD100 4穴」です。
つまり、±0.5J程度ならタイヤは嵌ります。自動車メーカーがタイヤメーカー推奨5Jのタイヤを4.5Jのホイールに嵌めていたわけですから、問題なしと判断します。
②ロードインデックスを調べ空気圧を見ます。
コペンの標準タイヤのロードインデックス値は385kgです。
選択した「BRIGESTONE Playz PXⅡ 165/65/14 79S」を調べます。
ロードインデックス換算表から「79」で385kg以上になる空気圧を調べると、「200kPa」で「395kg」となりました。速度記号の「S」は「180km/h」。
③スピードメーター誤差の確認
タイヤサイズが変わればスピードメーター誤差が出ます。
安全のためにもどのくらいの変化があるかを調べます。
165/65/R14ではタイヤ外径が標準と比較して-0.23%となります。1.3mm小さいです。
時速40km/hでは「39.9km/h」、時速100㎞/hでは「99.77km/h」。
ほぼ、メーター表示で問題ないレベルとなります。
あくまでも計算上の話です。実測ではズレることが多いです。
④結果
【交換前】
ホイール:純正 16インチ4.5J +45 PCD100 4穴
タイヤ: BRIGESTONE POTENZA RE050A 165/50R16 75V
ロードインデックス値385kg 指定空気圧240kPa 速度限界240km/h
【交換後】
ホイール:LaLa Palm CUP 14インチ4.5J +45 PCD100 4穴
タイヤ: BRIGESTONE Playz PXⅡ 165/65R14 79S
ロードインデックス値395kg 指定空気圧200kPa 速度限界180km/h
スピードメーター誤差:-0.23%
時速40km/h表示時「39.9km/h」、時速100㎞/h表示時「99.77km/h」
⑤ダブルチェック
タイヤ・ホイールというのは走る部分に直結しているわけですから、交換後に何か不具合があっては困ります。インチアップ・インチダウンでメーカー規定から意図的に外しているから尚のこと。
だからこそ、この結果が本当にあっているのか?をチェックする必要があります。
必ず購入店でプロの目線から確認してもらってください。
結果は問題なくても、タイヤハウスの形状やディスクブレーキの大きさなどで希望したホイールが装着不可ということもあるためです。