タイヤのトレッド幅の話。
トレッド幅とはタイヤが実際に地面と接地している部分を差します。写真では灰色に汚れている部分が実際にタイヤが地面と接している箇所。
同じタイヤ幅でもインチアップ・インチダウンでトレッド幅が変わってきます。
タイヤ幅、165/65R14の165の部分を差していますが、上の図で165を差しているのがタイヤの断面幅(2)になります。
タイヤロゴまで含めたのが「タイヤの総幅(1)」で、実際に地面と接地している部分が「トレッド幅(3)」です。この2つはタイヤに表記されていません。
トレッド幅はインチアップとインチダウン、リム幅を変えるとどうなるか?
※タイヤ幅は同一で偏平率のみ変え、タイヤ外径も同一とします。空気圧もいずれも同一とします。
①タイヤ幅は同じでインチアップする。
空気圧が標準タイヤと同じであれば、タイヤの横方向のふくらみ(たわみ)は標準サイズより大きくなります。
「トレッド幅」が増加します。
結果、標準タイヤと同一の空気圧でのインチアップではグリップは増加します。
②タイヤ幅は同じでインチダウンする。
インチアップの逆です。
空気圧が標準タイヤと同じであれば、タイヤの横方向のふくらみ(たわみ)は標準サイズよりも小さくなります。
「トレッド幅」が減少します。
結果、標準タイヤと同一の空気圧でのインチダウンではグリップは減少します。
ただし、「インチアップ・インチダウンでも標準タイヤと同一の空気圧にした場合」にはこうなるということです。
③リム幅を広げる。
リム幅を標準より広げれば、同じサイズのタイヤであればトレッド幅は増えます。
+0.5Jで偏平率50なら5mmほど広がります。たわみが少なくなりますが、タイヤが横に引っ張られるためです。そのため、段差などでリムを打つ可能性が高くなります。
実際には、インチアップするとタイヤのロードインデクスから見れば空気圧は標準タイヤと同等かそれ以上、インチダウンすると空気圧は標準以下となります。
奥さんのコペンセロSでは、
標準タイヤ「165/50R16 75V ロードインデックス値385kg 空気圧240kPa」からインチダウン「165/65R14 79S ロードインデックス値395kg 空気圧200kPa」と減っています。
空気圧が減った分、タイヤがよりたわみます。つまり、空気圧が標準タイヤ同等にしたときよりも、トレッド幅が増えグリップが増すということになります。
ただ、実測してみないとどのくらい変わったのかは解りません。とはいっても数ミリ程度の差でしかないのです。
インチアップ・インチダウンすればタイヤの銘柄も変更することが多いです。となると、タイヤ性能の方がより表に出てきますので、トレッド幅の数ミリの差なんて実感できません。
【おまけ スタッドレスタイヤについて】
よくスタッドレスタイヤをインチダウンすると、「タイヤをインチダウンするとタイヤの幅が小さくなり、車の重さが一点に集中します。そのため、雪面への接地圧が上がりより滑りにくくなるというメリットがあります。」と書かれています。
これ、フェイクです。
これは標準タイヤと同一の空気圧にした場合のみの話です。実際には、インチダウンしロードインデックス値を標準タイヤに合わせた場合は空気圧は減ります。
さらに、「タイヤの接地面積が減ると接地圧があがるのはメリットでも記載した通りですが、面積が減ることによるデメリットもあります。アイスバーンや氷上ではグリップできる面積を大きくしたほうがよく効くといえます。」とも書かれている。
これ、誤解を招く表現です。
雪道。新雪、圧雪、シャーベット状、アイスバーン、雪がないアスファルト。これらが混在しているのが一般道です。
スタッドレスタイヤは、雪道のどんな条件下であっても走れるように作られています。
インチダウンでアイスバーンや氷上が不利なら、インチアップでは接地圧が減るため新雪・圧雪は不利ということです。
ある一定の条件のみで比較するのは、誤解を招きやすいです。
スタッドレスタイヤをインチダウンしても標準タイヤと同じ外径と幅で、ロードインデックス値から正しく空気圧を設定してあるのなら問題ありません。
インチダウンするとアイスバーンや氷上は走れないというように捉えられるような書き方は不適切だと感じます。
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Posted at
2022/03/27 04:16:11