BRIDGESTONE DUELER H/L850 235/55R18を装着して500㎞ほど走りました。
私が高速175㎞、通勤75㎞。奥さんが高速200kmほど走っています。
やっと雨も降ったので雨天走行もチェックできました。
「MICHELIN LATITUDE TOUR HP」のHPは「highway Performance」の略。
「BRIDGESTONE DUELER H/L850」のH/Lは「highway luxury」の略。
共にオールテレーンタイヤでアスファルト重視のタイヤですが、性格がちょっと違います。
LATITUDE TOUR HPはオフロード性能を少し残しつつもアスファルト向けのタイヤ。
DUELER H/L850はさらにオフロード性能を削り、アスファルトに振ったタイヤ。
DUELER H/L850のオフロード性能を完全に捨て去り、SUVアスファルト専用タイヤとして ブリヂストンは「ALENZA001」を発売しています。ミシュランで言えば現行販売のC5エアクロスに装着されている「PRIMACY 4」となります。この2種はオールテレーンタイヤではありません。
アスファルト性能で言えば、「ALENZA001」「PRIMACY 4」>「DUELER H/L850」>「LATITUDE TOUR HP」となります。オフロード性能は真逆です。
「BRIDGESTONE DUELER H/L850」はオールテレーンタイヤの中では一番アスファルトに性能を振ったタイヤとなります。発売時期はやや古く2013年12月です。
同社の低燃費タイヤ「ECOPIA」のエコパターンとプレミアムタイヤの「REGNO」の静粛性を併せ持ったタイヤとして「DUELER H/L 683」の後継として発売されました。
発売からすでに10年近くになりますがモデルチェンジをしていません。これはSUVアスファルト専用タイヤである「ALENZA001」が2017年2月に発売されたことも絡んでいます。オールテレーンタイヤでこれ以上のアスファルト性能を追い求めるのは難しいと判断したと考えられます。
タイヤ選びというのは難しくも楽しい時間です。
メーカーのHPカタログを見比べているだけでもあっという間に時間が過ぎていきます。
尚、インプレッションとかレビューはほとんど見ません。あくまでもカタログから判断しています。インプレッションでの科学的データは参照しています。レビューは参考程度です。
LATITUDE TOUR HPは良いタイヤでした。オールテレーンタイヤでアスファルト寄りです。アスファルトでは晴れでも雨でも問題なく、急制動でもしっかり止まります。砂地も荒れた路面も思ったよりも走れました。騒音も気になるほどではなくSUVとしてはかなり静かでした。これはC5エアクロス自体の静粛性の高さもありますが。路面からの衝撃も嫌味がなかったです。とはいってもC5エアクロスのPHCダンパーの出来の良さも多分にあります。絶対にダメだ!という不満な点が全くないタイヤです。
こういう出来が良いタイヤで次を選ぶのは難しいです。
ですので、これまでの2年半使った状況を鑑みて次のタイヤ選びとなりました。
基本はアスファルト。隧道(トンネル)好きなのでアスファルトで路面が悪い所も良く走る。隧道は古い峠道にあるためです。湧水が流れていたり、苔むしていたり、小さな落石があったり、亀裂があったり。所々ダートになったり。
高速道路もよく使う。多分、走行距離の1/4ほどは高速走行している気がします。
C5エアクロスにはクリップコントロールがあるのでこれは生かしたい。
そうなると、オールテレーンタイヤは外せない。普通のタイヤよりも悪路が走れて、かつ高速性能も欲しい。
となれば、オールテレーンタイヤでよりアスファルト寄りとなります。
そこで、「BRIDGESTONE DUELER H/L850」となりました。ミシュランのオールテレーンタイヤで DUELER H/L850ほどアスファルト走行に性能を振ったタイヤが無かったのです。
LATITUDE TOUR HPがアスファルト9に対して悪路1ですが、DUELER H/L850は9.5:0.5という感じです。
夫婦でほぼ500㎞ほど走った感想です。
全体的にアスファルトでの性能はLATITUDE TOUR HPよりもDUELER H/L850の方が上回っていますがこれはある意味当たり前です。タイヤの性格が違うからです。
【静粛性】
一般道でも高速道路でもDUELER H/L850は静かです。ロードノイズが少ないです。ただ、高速道路で古いアスファルト路面では85~95km/hでコ~~~というやや甲高い音が聞こえます。路面とタイヤのロードノイズが高音で共鳴している音です。
私は普段からC5エアクロスに乗っているので気になったのですが、奥さんは全く気にしませんでした。
奥さん曰く「普段がコペンだから。全然静か。」とのこと。
後部座席に座っていた息子曰く「フィールダーに較べれば全然静か。どこが気になるのかわからない。」とのこと。息子の方が当然私よりも耳が良く聞こえる。
結局、気になるのは本人のみということ。インプレッションやレビューを鵜呑みにしない理由がここにあります。人の感性は全員違う。その人が何に乗ってどんなタイヤを履いていて比較したのかも全員違う。長年連れ去った夫婦・親子でさえもこんな状況なのです。特に感覚や感性が左右されるタイヤなどの部品のレビューは「そういう意見もあるんだ。」という程度としています。
買うのは自分のために買うわけで、自分で選んで自分で納得できることが大事です。失敗したとしても自分の糧になり、次の購入時に考えれば良いことです。
【走行性能】
ダートは走っていないのでアスファルトのみです。
グリップは通常走る分には不満が出ないです。攻めてもイケますがそういう車じゃ無いので。雨でもちゃんとグリップします。
転がり抵抗は高いです。アクセルOFFで減速しにくくなっています。
走り始めた時、LATITUDE TOUR HPでのアクセルOFFでの減速距離よりも伸びているのでブレーキを今までよりも強めに踏みました。今では慣れました。高速道路での減速もLATITUDE TOUR HPよりも早めのする必要があります。より予測運転をする必要があります。それだけ低燃費タイヤに近い転がり方をします。
実際、燃費が0.5㎞/Lほど上がっています。これは距離をもっと走ってみないと解らないのですが、体感的に上がっています。
【衝撃】
LATITUDE TOUR HPよりも全体的に柔らかいです。LATITUDE TOUR HPでゴ!っとくる衝撃がコッ!となります。柔らかいからフニャフニャというわけでなく、路面衝撃だけ柔らかくいなす感じです。
【乗り心地】
タイヤのブロック1つを見れば柔らかいのですが、全体としてまとまると剛性があります。乗り心地としては劇的な変化はありません。多少、ドンブラコ感が増えた程度ですが、良い感じです。
オールテレーンタイヤでアスファルト寄りのDUELER H/L850でさえ、良い感じなので普通のコンフォートタイヤならもっと乗り心地が良いかと思います。
LATITUDE TOUR HPでも乗り心地は不満が無かったので、DUELER H/L850でも当然不満がありません。
【コストパフォーマンス】
235/55R18で1本3万円ちょっと。製造年月日は2022年5月。タイヤ代・工賃でみれば13万円ほど。ここからさらにアライメント調整とハブ錆取り、パンク保証を付けて16万円ほど。
高いか安いか。
車で一番ケチってはいけないのはタイヤだと思っています。次にメンテ費用。
高いタイヤを履けというのではなく、自身のライフスタイルにあったタイヤの値段という意味です。オーバースペックも問題ですしアンダースペックも問題になります。丁度良い塩梅が肝要だと思っています。
そういう風に考えると、この性能で18インチで3万円ちょっとなら妥当な値段でしょう。
自分の命を乗せているので、タイヤだけは妥協はできない部分ですね。
今後は、耐久性や摩耗時の状況変化を追ってみます。2年半でヒビが入り始めたLATITUDE TOUR HPと比較してどのくらい持つのか興味があります。