数日前のTVで知多半島の半田市にある赤レンガ倉庫でドイツと日本の交流物語展・ドイツ深堀マンガ展が開催されているというニュースが流れました。
ちょっと面白そう。
調べてみるとこの赤レンガ倉庫近隣にもいくつかの資料館や博物館があります。
9月は珍しく奥さんとの休日が被っており、この日(9/11月)もお互い休み。
久しぶりにコペンで出かけることにしました。
9時の時点で知多半島に線状降水帯があったけど、到着するころには抜けていそうです。
9時過ぎに出発して11時半前に到着しました。
カブトビール。もともとはビール工場(廃業)で、半田市が解体途中で買い取り修復・耐震補強を行った施設です。近代産業遺産に認定されています。
設計者は明治三大建築家の一人、妻木頼黄。東京の日本橋も彼の設計。
この建物は旧丸三麦酒 醸造工場(現・半田赤レンガ建物)で、1898年(明治31年)に建築。建築会社は清水組(現清水建設)、建築費は現在の貨幣価値にすると55億円ほど!
この当時の設計図が清水建設に残っていたため、耐震補強も同社が行っています。
このカブトビールの広告塔は「風立ちぬ」で使われていた広告塔を復元したもの。
赤レンガ、一つ一つすべて人力で作成しおよそ300万個ほど。隧道好きには馴染みのある「イギリス積み」となっています。
イギリス積み:レンガを長長長・・・と積み、その上に半分に切った短短短・・・のレンガを並べる方式。堅牢な積み方。古いレンガ作りのトンネル(隧道)に使われています。
フランス積み:レンガを長短長短長短・・・と並べて、半分ずらして長短長短長短・・・と積んでいく方式。デザイン性が高い積み方で小~中規模の建築物によく使われています。
ぐるっと1周したかったのですが、雨がかなり強く館内に入ります。
入場料は200円。
新見南吉記念館とのセットもあったのですが、月曜日は定休日。
次の目的地は新見南吉記念館だったのに・・・。
夫婦で残念がりますが、11月ごろまでは彼岸花が咲き誇っているので今度は晴れたら来ようと決めました。
建物の構造を見て。
カブトビールの歴史を堪能して。
中埜家がキーとなります。そして、この家紋もこの後に訪れる場所に関係してきます。
他にもいろいろ写真を撮っているのですが、ビール好きにも建築好きにも楽しめる内容なので、実際に見た方が良いです。
ニュースでやっていたイベント。
アインシュタインの来日についてもあり、ついじっくり読んでしまう。
そして、毎度当然のことながら後から来た見学者に次々に抜かれて午前中最後の見学者となりました。
時刻は12時半。お腹空いた・・・。
併設するカフェで昼食。
復刻ビールの飲み比べセットとジャーマンプレート。
プレッツェルはチーズ入り。奥さんはビール飲んでいます。
知多和牛のローストビーフ丼とドリンクセット。
柔らかくて美味しかった。
お土産を購入して次の目的地へ。
次は、新見南吉記念館で「ゴン~!!!」と泣き叫ぶ予定でしたが本日は休業日。
予約していないけどショップだけなら大丈夫かな?と、もう一つの候補地へ。ここから1㎞も離れていません。
車は前の神社の境内に止めてくれという看板。なんかただで止めるのも悪い気がして、神社にお参りしてお賽銭入れておきました。
狛犬がこっち睨んでいたような気がしたので。
中埜酒造 「国盛」酒の文化館です。
ビールの次は日本酒。
国盛はこちら静岡県西部のスーパーでも置いてある銘柄。
創業は古く江戸時代まで遡ります。
また、中埜です。
中で伺うと見学者がいないので自由見学ならOKとのこと。
製造工程。
お酒好きなので、だいたいのお酒の発酵・醸造方法と菌の種類、蒸留方法は頭に入れていますが実際に見るのはやっぱり良いものです。
この運河を使って船で江戸に酒を運んでいたそうです。
で、家系図。
これが、今回の旅行のキーです。スゴイ一族だなあ・・・。
ショップでお土産を購入して、次の施設へ。
15時に見学の予約を入れています。
距離は、ほぼ隣ですが。
反対側の正面に回ります。
これが、国盛酒の博物館で紹介されていた半田運河。
この橋の奥が、黒沢監督の初作品「姿三四郎」のロケ地だそうです。
正面に回ります。
美術館か?と思う佇まい。
その奥にあるビルの屋上には「MIZKAN」とお馴染みのロゴ。
このロゴ、カブトビールでも見た。
ビール→日本酒ときて、最後はお酢です。
中に入ると。
美術館だよなあ。
ここは要予約。大人300円です。
企業見学になるので、予約制で見学時間は90分かかります!
案内のお姉さん付きです。
建物の中に建物があったり、船があったり。
ちょっとしたアトラクションもある。面白い場所ですので、写真はこのくらいで。
ミツカンの歴史も面白く、先ほどの家系図から見れば造り酒屋です。
そして、余った酒粕を利用して酒粕酢を日本で初めて製造し、江戸に運んで大ヒットしたのが、このミツカンの始まり。
酒粕を熟成させ、そこにいる酵母を減らして酢酸菌を増殖させて次の発酵をさせ酢を作ります。
この酒粕酢は安くて美味いので、江戸では握り寿司で使用していた高い米酢(赤酢)から
こちらに切り替わったそうです。
何気にすごいのが、造り酒屋が酢を作ったということ。
日本酒作りでの一番の大敵は、酢酸菌。この菌が蔵に根付くと蔵が潰れます。
造り酒屋が酢を作るというのは、廃業してもおかしくないとんでもないリスク。
その後は、酢の製造1本となります。この中埜家は日本酒の方は先ほどの国盛。明治時代にビール製造。その時に得られた知見から製粉工場を作り、これが敷島パン。
さらにソニー創設者もこの一族出身となります。
90分の見学はあっという間に過ぎました。
ビール→日本酒→お酢と醸し(発酵)を巡る日帰り旅行。しかもこの半田ではすべてが線で繋がるという。
なかなか面白い旅行でした。
・・・新見南吉記念館、行きたかったなあ。
当時の小学生に悲しみを植え付けたトラウマ文学「ごんぎつね」は、まだ小学校の国語の教科書に載っているのだろうか?
10月、奥さんと休みが会うのなら行きたいです。ちょうどオープンカーの季節だし。
往復220㎞ほど。久々にコペンでMTで走って程好く疲れました。
Posted at 2023/09/12 12:24:11 | |
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