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CAEによる構造解析を飯の種にしているのですが、製造業でも色々な温度差があって面白いです。
自動車産業は何でもCAEで解決し、それらの基礎研究は怠りません。最近は建築業界も同じ様な傾向となっております。

しかし、航空機産業は全く異なります。
今でもひたすら手計算による強度計算で開発しており、お国もそれが当たり前の様に承認します。
でも、手計算による強度計算って応力集中を見ることが出来ないのですよね。
なので、「設計ミス」で部品が不具合を抱えていても分からない訳です。

では、なぜそれでも飛行機は落ちないのか？
それは、飛行に関与する重要な部品はほぼ全てに「有限寿命」が設定されており、設定された有限寿命に達するとオーバーホール若しくは交換となります。車でいれば、車検毎にエンジンやトランスミッションをそっくり交換しているようなモノで、更に自動車の車検にあたる検査では、機体まで全て分解して亀裂等のチェックをします。
しかもその有限寿命やオーバーホール期間は国際的な設計基準を満たしていれば、飛行機メーカーが好きに設定できます。もし特定部品に不具合が発生すれば、その部品のみ寿命を短く設定して交換してしまえば良いのです。

もちろん、そんなこと自動車では出来ませんので、安全走行に関わる重要保安部品は、目標寿命を満たすように設計します。なので応力集中等を見逃さないように自動車業界はCAEの技術が進んだと言っても過言ではありません。もし見逃したら、それこそ某トラックメーカーの様にタイヤが外れる事態となるのです。

一見、最新技術の集結の様に見える飛行機が古典的な方法で設計されているって、面白いですよね。