(1)スポコン製作記(ステム拡大加工完了)
作業が完了しましたので画像を時系列で紹介します。
まずはステムの切断面にニッケル溶接棒による肉盛を行います。
鋳鉄材を冷間溶接する場合、一層目をニッケルで溶接することで金属中の炭素のヌケ(脱炭)を抑えて硬くてもろいセメンタイト層の生成を抑えつつ、溶接後数秒以内に肉盛したニッケルをハンマーで叩いて溶接時の熱による変形を抑制します。
次に通常の軟鉄をニッケル層を希釈する様に溶接、更に切断面を繋ぐ様に軟鉄で溶接します。
本来、ステムの様に公差の厳しい部品は溶接後に最終加工を行います。
これは溶接により発生したひずみ(変形)を修正することが目的ですが、今回は溶接のみで精度を出す必要があるので、ひずみを最小限に抑えるためにX開先、且つ一部溶接してはひずみを確認して、ひずみを打ち消す様に溶接順序&溶接方向を変えながら作業を繰り返します。
溶接完了後2日放置して溶接ひずみを落ち着かせた後、フォークをつけて各部の精度を確認すると。。。。やはりフォークの平行度のみ問題が。
一見大丈夫そうに見えますが、正面から見てインナーチューブ長さ200㎜間で0.3㎜ハの字に開いてます。
これを角度に直すと僅か0.05度の誤差ですが、アクスルシャフト部では1㎜も開いてしまいます。
鋳物部品は材料の伸びが少ないため、プレスによる修正は行いたくありませんが、溶接部は軟鉄なので伸びると予測して12t中華プレスで修正。
簡単に修正できるだろう。。。。と思ったら、プレス機の能力ギリギリでどうにか修正完了。
デジタルノギスで測定するとインナーチューブ長さ200㎜間での開きは測定限界以下(1/100mm以下)になったのでOK。
12t掛けてギリギリ変形する程の強度であれば問題はないですね。
30㎜拡大すると、120サイズでもフォークまで5㎜隙間を確保できますね。
ここからは装着に向けた作業
新規にハンドルストッパーを作成。
予盛削って塗装して・・・多少のアンダーカットは見なかったことに(笑
ベアリング組み付けて
(hanaちゃんが探してくれたアンギュラボールに変更)
グリスは信頼のトヨタ純正ベアリンググリスを使用
元ネタはMRワゴンのターボAssyを購入させていただいたKurosawaさんですが、その後ゴニョゴニョと情報を調べると、なるほど納得の性能。これは使わない手はないです。
組み付けてみると車体正面カバーに一部干渉しましたので切り抜きます。
eSPであれば、30㎜拡大に大きな問題は発生しません。
左右に入れる15㎜のカラーを旋盤で製作
ぴったり15㎜
ここの精度は、エルデさんに習って1/100㎜を狙いました(笑
無事組み付け完了
作業の所感ですが、溶接でのステム加工は位置精度を出すために困難を極めることが判りました(汗
次回はSS400もしくはA7000台での削り出しで製作します(笑
次回予告
14インチ太リム化逝きます!。。。13インチも(笑
(2)ホイールベアリング交換
最近Fホイールが落ち着かないのでホイールベアリングを交換しました。
プーラーで抜きます。
純正ベアリングは高いので、モノタロウで互換品を購入。
抜いたベアリングを確認すると発錆あり。
ハブ内部にも水がありました。
ダストシールは生きていたので恐らく凝縮水でしょう。
新しいベアリングを装着します。
マニュアル通りに取り付けるとベアリングに過大な予荷重が掛り回転抵抗が増加しますので、ここは自己流で組み付けます。
組み付け後は落ち着きが回復して気持ちよく乗れる様になりました。
Fホイールベアリングは3万キロ毎の交換が必要ですね。
(3)MRワゴンLLC交換
前回の交換から3年経過したLLCを交換。
発錆も見られなかったので単純に交換のみ。
バイク乗りの方も3年に一度はLLCを交換しましょう。
発錆した時には手遅れです。
(4)番外編@頂き物
エルデさんからリアホイール、H390さんから金属端材を頂きましたm(__)m
エルデさんと雑談させていただいた際、空燃比フィードバックでのオートセッティング時に加速時増量が悪さするとの話題は印象深かったです。
と、言うのも、新しいPCXのエンジンを組んだ際に燃焼室のバルブ回り形状を変更してから、アクセル開け始めの空燃比フィードバックとオートセッティングがやたらとシビアになったので・・・要点はプロでもアマでも変わらないと納得。
H390さんはご本人?と溶接機の様子を見にお伺い。
そして、こちらから押しかけたにも関わらず、金属端材をお土産に頂きました。
端材はちょっとしたモノを作る際にとても役立ちます。
いつもありがとうございますm(__)m
Posted at 2015/05/16 22:55:36 | |
トラックバック(0) |
PCX | クルマ