
私は現在、整備工場に勤務してます。
高校卒業して自動車整備の専門学校卒業後、もう25年も経つんだ・・。
メカとしての腕はどうか?わかりませんが、曲がりなりにも食っていける程度には使えるようです(笑)
そんな私が、整備の仕事を選んだキッカケがあります。
1976年10月 富士スピードウエイで日本で始めてF1が開催されました。このレースに国産F1が日本人のドライブで出場するとあって、大変な盛り上がりでした。当時中学生だった私はレースの決勝当日、TVの前で正座して放送開始を待ちました。このレースでフェラーリのニキ・ラウダか、マクラーレンのジェームス・ハントのどちらかにチャンピオンが決まるとあってワクワクです。タイレルP34も見たかったし。レーススタート・・・え?ラウダ棄権?・・あ、星野が3位に上がった!・・え、リタイア?(中略)長谷見は??・・・終了。色々とあったのですが、なんだかわからない内に終わってしまいました。しかもKE007あんまり写らなかった・・・。
このKE007こそ初の国産F1です。金曜日の予選初日。チャンピオン争いをしているニキ・ラウダのフェラーリ312T2やジェームス・ハントのマクラーレンM23、タイレルP34の6輪車などを相手に4番手のタイムですよ!富士スペシャルとも言えるマシンですが、こんな速さを誰が予想できたか。その後、さらなるタイムアップを目指しコースインしたKE007&長谷見昌弘。しかし一番スピードの乗る最終コーナーでサストラブルでクラッシュ。マシンはどう見ても全損・・・。それから奇跡的な修復が始まります。モノコックから作り直すような作業を1日半でやってのけ、日曜の決勝に間に合わせたんです。この修復作業には、チームの垣根を越えて、富士周辺のレーシングチームのメカニックが総出だったそうです。その中には、紫電やNOVA523など、数々のレーシングカーなどを手がけた現ムーンクラフトの由良拓也氏も居たそうです。というかボディは由良拓也氏によるもの。
土曜の予選は走行できなかったので、初日のタイムが予選結果に。ポールポジションのマリオ・アンドレッティのロータス77から約1秒遅れの10位。もしクラッシュしてなかったら?!と思うと残念です。
修復したと言っても形だけで、ロクなセッティングもできずストレートでさえ真っ直ぐに走らない・・が、長谷見は辛抱強く粘りの走行で11位完走しました。・・・レースのTV中継ではこんな事はわかりません。壊れたけど修理して復帰した、程度のアナウンスしかありませんでしたし。
翌月、この修理の件は、当時唯一のレース専門誌だったオートスポーツ誌で記事を読んで知りました。チームの垣根を越えてメカニックが集まって徹夜で修理する、というくだりで、感動して泣いちゃいましたよ。すげー、メカニックすげえよ・・あの舞台の裏でこんなドラマがあったんだ・・そりゃ長谷見も答えるために完走するさ~・・・俺もメカニックになりて~!!
このF1in JAPANN 特集号は本当に擦り切れるほど読みました。読むほどにメカニックに憧れ・・・・
私って単純なんですね(笑)本当にメカニックになっちゃいました(^o^;)
プライベートでも、整備士になったキッカケってあんまり話してないな。まわりの友人にKE007やF1好きいなかったし。なので、車好きだし~・・程度しか話してません。結果的にレース界と畑は違うものの、自動車のメカニックになり、それなりに仕事がこなせるようになり、現場班長をさせていただき、今は現場の一線からは退き、後進の指導に当たる立場になり・・・この会社で仕事が出来る年数が残り12~3年。ここらで初心忘れるべからず!!それと、みんカラ1周年という節目もあり、自分なりの原点を省みてみました。
写真は、『
VAIOちゃんのページ』管理人の‘み’様よりご好意でいただきました。ありがとうございましたm(__)m
なにしろ30年前の車両ですから写真も少ないんですね。
ちなみにこの車両、展示用に転売を繰り返され行方不明になっていたのですが、○○さん(ここでは実名は伏せさせていただきます)という方が、とあるタイヤショップで発見。有志で復元されたもので忠実に復元されています。その後、イギリスで開かれたクラシックカーのイベントで、当時のドライバーである長谷見昌弘氏によって再びドライブ・・・されたのかな?するって話題はあったのですが、実際に走ったかどうかは検索したけどわかりませんでした。
コジマエンジニアリングのKE007に興味のある方、‘み’様より頂いた写真を
フォトギャラにアップしますんで見て下さい。タイヤのみ当時のダンロップではなくヨコハマになってますが、とても30年前の車両とは思えない美しさです。
イマドキのみんなおんなじスタイルのF1より断然カッコ良いですよ~(*^-^)b
最後になりますが、復元作業をされた○○様、もちろん面識もございませんが、このネットの時代に復元していただいたおかげで、約30年ぶりにKE007を拝見させていただく事が出来ました。ありがとうございましたm(__)m
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Posted at
2008/11/20 00:49:37