2012年12月06日
今回久しぶりに鉱物系のエンジンオイルを使用してみました。そこでちょっとばかり薀蓄を。
まず、鉱物オイルと化学合成オイルですが、どちらが「性能が良いか」ですが・・・
どっちもどっちです(^_^;)
性能表示のSMとかSNとかのランクがありますが、このランクが同じならオイルとしての性能は同じです。特性とかフィーリングとかは人によって感じ方が違うでしょうが、オイルの規格的には同等の性能とされます。イマドキのランクってよくわからんです。自分がこの仕事始めたころはSEが普通で、SFが高級だった記憶・・・それがSGになってSHになって・・・あたりからランク表示は気にしなくなりました。何使っても悪いってことないんだろ?的な(笑)んで会社でワコーズの取り扱いを始めてからはずっとワコーズだったんで。そういやワコーズ4TCって何年か前まで半化学合成だったよね。いつの間にかフルセンシティックになってた。
では何が違うか?体感できるかどうかはわかりませんが、感覚的に違うのは低温時の流動性でしょうか。
同じ粘度でも化学合成オイルのほうが流動性が良いです。同じ粘度なのになんででしょうねー?ワカリマセン
が、今回鉱物油を入れてみて、低水温時の回転の重さみたいなのは感じました。何かエンジン重いな~って。これは油温が50度超えたあたりで解消されます。
完全暖機後、私のGDBは水温油温とも90度付近で安定します。この状態ではとても軽く回り、フィーリングもいいです。油温でこんなに違うのか!?と改めて認識。化学合成以外のオイルを使うのは何年ぶりよ?だったのでこういう感覚は忘れてましたわ(^_^;)
暖機は大切にね!Byだん子
以下、かなり端折った説明ですが・・・
鉱物系オイルも化学合成オイルも元を正せば同じ原油から作られます。
鉱物系は、原油からガソリン・軽油・重油などを精製する過程でベースオイルを作ります。これだけではエンジンオイルとしての性能が低い為、色々な添加剤をプラスして性能をUPさせています。
化学合成オイルは石油からナフサを分離して泡だて器でよく攪拌してから3分チンして「化学合成オイルが欲しいいんだよ~」とドラえもんにおねだりするとパパパパッパパ~ンと出来るオイルです。未来の世界の猫型ロボットなのでコストはかかりますが、分子量が一定でせん断性が安定しています・・・で良いのか?←長文だからこのあたりは飛ばして読んでるから気付かないだろう( ̄一 ̄)ニヤリ
ちなみに、潤滑だけを考えたらヒマシ油がダントツのようです。鉱物でも化学合成でもないまさかの植物産まれ!あ、非ニュートン系でおなじみのエステルも植物産まれですな。
昔の2ストのバイクレーサーは独特の排気の匂いがしました。俗に言う「カストロの焼けた香り」とかいうやつです。レーサーはガソリンにオイルを混ぜた混合ガソリンを使います。そのオイルで圧倒的なシェアを占めていたのがカストロール社です。
このカストロール社の社名の語源が実は【ヒマシ油 英名Castor oil】です(・∀・)b
キャスターオイル→キャスタオイル→カストロール?
さらに!ポパイの彼女のオリーブ・オイルのお兄さんの名前がキャスター・オイルだったり(笑)
ロードバイクでは給油の度に混合ガソリンをつくるのは不便すぎるので、【分離給油方式】として、オイルポンプでキャブレター直後等にオイルを圧送しガソリンと混合させていました。こちらにはヒマシ油ではなく、鉱物系のオイルでしたね。ヒマシ油はナマ物だから日持ちしないんで(笑)←本当の話
レースごとにガソリン使い切る、そのつどエンジンバラすなどの条件でヒマシ油使用だったんですね。
あと身近なとこではエンジン式のラジコンの燃料にもヒマシ油は使われてます。ラジコンエンジンも一部を除いて基本2ストですので。一般的な2ストとは点火の構造が違うのでグローエンジンの名称で分けられていますが。あと下剤にもヒマシ油使ってますね。最速ダウンヒラーになりたければ運転の練習よりもヒマシ油飲んでください(^_^;)
いつもの事ですが、だいぶ話が逸れましたね(・∀・;)
化学合成オイルは洗浄性が高い、鉱物系オイルはスラッジが溜まりやすいなどと聞いたことありますが、言うほど違うかな?とも思います。
なにより大事なのはどっちでもいいから適切なサイクルでオイルは交換しましょうね!ってことですね。
化学合成のほうが少々持ちが良いのでおおよそ5千キロ、鉱物系は単価が安いんだし、もう少し短いサイクルの3千キロくらいかな?と思います。
オイルって汚れますよね。自分は汚れないオイルは洗浄性に疑問を持ちます。エンジン内部の汚れを吸収するから汚れるんだろう?オイルが汚れないってことは洗浄してないんだろう?ドレンボルト付けないで新オイル入れてやったぜ~ワイルドだろう?と。なので汚れるオイルを選んだほうが良いと思います。
あと皆さんが凄く気にする粘度ですが、0W-30と20W-50ではどちらが耐熱性が高いでしょうか?
答えはどっちもどっち\(^o^)/粘度が違うだけで耐熱性は変わらんです。このへん、よく勘違いしますよね。数字が大きいほど高温に耐えられそうな感じがしますもんね。が耐熱性はベースオイルの性能次第です。
0W-30とか20W-50とかの数字で記される粘度は、エンジン設計の段階で決まります。クリアランスとフリクションの狭間でメーカーがベストとした粘度設定です。最近の低燃費エンジンはごく粘度の低いものでフリクションロスを減らす方向の考え方です。0Wや5Wなんて当たり前のように指定されてますね。このようなエンジンに20W-50入れても回転重く感じるだろうし、燃費も悪くなるだろうし、良いことありません。逆にちょっとくたびれてきたエンジン、設計の古いエンジンはフリクションを犠牲にしても粘度高めを選択しておくと経年変化で失った気密性をある程度カバーすることも出来、結果トルクがあるように感じる、なんか調子良いいね!となったりしますが、普通のコンディションならメーカー指定の粘度でおkということで。でもそれじゃ選ぶ楽しみがないから私は色々変えてみたりしますけど(^^)またまた予談ですが、粘度がワイドレンジなほど添加剤の含有量も多い傾向にあるようです。なので、基本添加剤は入れなくていいです。と言いつつ私はワコーズのオイル添加剤【クイックRF】が好きですけど。これはエステル系の添加剤で、通常のオイルを非ニュートン系オイルに換えちゃう魔法の添加剤です。
で、鉱物系と化学合成のどちらが良いか?ですが・・・
①お財布が許すなら化学合成オイル入れたいな→許される範囲でお好きなメーカーのお好きなものをどうぞ
②お財布ちょっと厳しいけどオイル交換の時期だよ→そういう選択はありです。コストコの会員費はすぐに元取れます
③俺はブランドに拘るぜい!→モチュールでもカストロールでもレッドラインでもお好きなものをどうぞ
④よくわかんないから何でもいいや→まずはコストコの会員になりましょう。
という選び方でよいのではないでしょうか\(^o^)/ヤクタタネー♪
このへんのお話は尽きませんな。暇な人はWikiってみてー↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AB
Posted at 2012/12/06 23:05:54 | |
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