2017年11月26日
テレビで池の水を抜いて何が出るかって番組を観てたのですが、まあ、突っ込みたくなることが色々と。
昔とちがってコイを外来魚扱いにしてるとこは少しは考えも進歩してるんだろうけどさ(コイは中国からの移入です。日本古来の魚ではありません。歴史が古いってだけです)
まず、ブルーギル。捕獲されてましたが、あまりに軽くスルーされてるなーと。
ギルは卵などを好んで食べるので、生態系の破壊に一番影響があるんと思います。
でも、マスコミはブルーギルは叩かない。
いや叩けない、が本音か。
特定外来魚に指定された時も、ブルーギルの名指しはなく、ブラックバスとセット扱いでいつのまにか指定されてた。バスにしても、当時の小池環境相(現都知事)が、「バスはダメよー、ブラックなんでしょ?」と言ったとか言わなかったとかw
ブルーギルは、日本に持ち込んだ人が誰だかもわかっています。これがマスコミが報道しない理由なんですが・・・。
最初に持ち込まれたのは15匹。現在日本各地で捕獲されるブルーギルのDNAを調べたところ、すべて最初の15匹と同じミトコンドリアが検出されたそうです。たった15匹が数十万匹以上に繁殖しちゃってるんですね。
そして、持ち込んだのは現・天皇陛下。皇太子の頃に食用としてアメリカから持ち込みました。その後、国内のいくつかの湖に放流され、いまはほぼどこでも居る状態です。ギルは魚卵などを好んで食べるため、とてもやっかいです。
このことについては、「とても心を痛めております」と陛下ご自身も語っています。陛下を責めるつもりはありませんが、公平な立場の報道ならば正しく伝えて欲しいとも思います。臭いものに蓋だけして絶対に開けちゃダメ!はやめようよ。
余談ですが、ギルを釣るのは簡単ですよ。ケシゴムでもなんでもいいので、ちっちゃい丸っこい形にして針につけて放り込んでおけば勝手に釣れます。ちっこい丸いのって魚卵のイミテーションなんですね。
ブラックバスは食用で移入みたいなことをサラっと言ってましたが、実業家の赤星さんて人が釣り目的で芦ノ湖へ入れたのが最初だと文献で読んだことがあります。
現在も食用として輸入されてますけどね。原材料は伏せて、ヒメスズキの商品名で主に韓国から輸入されているそうです。韓国ではすごく養殖されてます。これを3枚にカット、衣をつけて輸入されるので、揚げるだけで白身フライの出来上がりですよwたぶん大多数の人が食べてると思いますよ。某弁当などの白身フライ。
色んな河川でニジマスを放流して釣り客から料金を取って営業している漁業組合も多いですよね。そのニジマスも外来魚ですけど。
バスとニジマスは、埼玉水族館で夏休みの特別展示で人の役に立つ魚と、悪い魚ってことで展示されてました。もちろん良い魚にニジマス、悪い魚にバスです。
ニジマスは食べて美味しい、養殖も盛んで人々の暮らしに役立つ。
バスはメダカなどを食い荒らし、小魚が居なくなってしまう。
という展示でした。
釣り目的で放流したニジマスが、遡上してきた鮎を追っかけまわしてるの見たことありますけど鬼怒川で。鬼怒川も栃木、茨城ともに堰堤がいっぱいで遡上する鮎が減って、釣り客向けの鮎はほとんど放流もの。貴重な天然遡上鮎なんですがね。
ニジマスも悪食です。なんでも食べる。特に大きくなると魚食性が高くなります。遡上してきたばかりの小さい鮎はご馳走ですね。さらに多種のマスを掛け合わせて新種をボコボコ作っては放流してる現実をご存知でしょうか?イワナとブルックトラウトをかけたジャガー、ニジマスとブラウントラウトをかけた信州サーモン、など多種多様です。ほとんどがF1固体という繁殖能力が無い種になりますが。しかもマス類は淡水ではなく海水で養殖すると大型化します。
これは自然界でもそうなのですが、川ではヤマメ(東日本)、アマゴ(西日本)ですが、降海するとサクラマス、サツキマスとなります。降海したブラウントラウトはシートラウト、ニジマスはスティールヘッド、イワナはアメマス逆に海へ降りられない陸封型の鮭がヒメマスだったり・・・回転寿司で人気のサーモンも、実は海で養殖したニジマス、中禅寺湖で有名なレイクトラウトもイワナ系の外来種、、、
話が脱線しました。。
バスによる食害はもちろんありますが、展示・説明されていたようにはメダカは食いません。まず生息域が違う。メダカは水深数センチの浅い田んぼの水路などにいます。そこにバスは行けませんので食いようがない。農薬などでメダカが棲める環境が減ってしまったほうが問題でしょ。それをやったのは人間。
タナゴなどの魚もバスに食われて減っているんですと。タナゴは2枚貝に卵を産みつけます。2枚貝は川岸の泥や土の中にいますが、なんでもかんでもコンクリで護岸しちゃうから、産卵床になる貝が居なくなる。卵を産めないタナゴが減る。当たり前です。人間の所業を責任転嫁ですね。
水族館のようなところでさえその程度の考えですから。
結局は金になる外来種は良い、そうでないものは悪者って程度でしか考えていないんでしょうね。
タイトルの番組、一番「え?」と思ったのは、神奈川の某施設周辺の日本古来のサンショウウオの行。
絶滅危惧種だそうですが、絶滅に追い込んだのはその施設を建設するために生息地の湿地帯をつぶしてしまったことが原因。道路や施設にしちゃっておいて、絶滅しちゃうから人工的な池や湿地を造り、保護にのりだしたようですが、そこに外来生物が増えて、サンショウウオの生息を脅かしているので何とかして欲しい的な番組への依頼。そもそもの原因はその施設を作った為だというのにwwwまさに笑止wwwそしてバスがたくさん居たので、これでサンショウウオも天敵が減って安心ですってあんたwwwサンショウウオは陸上と浅い水深のとこを行き来して生活してるんでしょ?バスは陸上に上がってサンショウウオを食うとでも?自分で仕事作って(保護地域の管理)税金投入して仕事するとかどうよw天敵はお前らだっつーのwww
そしてなんでも食べちゃうと言われるバスの豆知識、フナ類は基本食いません。バスの体では消化できない酵素があるとかで食うと腹壊すんだって。
カミツギガメ、ワニガメ、アリゲーターガー、ロングノーズガーなど、危険な生物もたくさんいます。アメリカミシシッピーアカミミガメ(お祭りカメ釣りのミドリガメの成体)アメリカザリガニ、でっかいタニシなど危険は少なくても、環境への影響が大きいものなど、もちろん野に放してはいけないし、本格的に繁殖する前に駆除するべきですが、番組の内容はどうも偏った偏見が多過ぎると感じました。
結局は、番組製作側もよくわかってない、依頼側もわかってない。まずは正しい知識を勉強したうえで伝えて欲しいなと思います。
そうそう、昔、バスが特定外来魚に指定されたとき、某日本一の湖で、某知事が日本の魚が増えるように!と稚魚を放流するシーンがニュースで報道されてましたが、放流してたのはコイ。思いっきり外来魚じゃんwwwwwwwww
結局のところ、一番の悪者は、ブルーギルでもブラックバスでもカミツキガメでもアリゲーターガーでもなく、それらを勝手な都合で放流したりしてしまう人間なんだよね。
私も釣りをします。
ブラックバスも、マス類も、海でも、ほぼノンジャンルになんでもやります。
なので、知識は自己努力で仕入れてます。知らなかったでは済まされないこともありますので。
ここ数年、あまりバス釣りをしなくなったのはこのへんも考慮してというのは正直ありますね。
と、観てて気持ちよくない番組でした。
ま、犯人は天皇陛下だ!とは言えないでしょうことは理解できますけどね。そういうこともあったんだと知識だけは知っててもいいと思います。
Posted at 2017/11/26 23:49:36 | |
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