2020年03月08日
前回のブログ、RZ改と少し年代が被ります。
私の最初の車はトヨタTA27型セリカ1600GTリフトバック、ハッチバックを持つ2ドアクーペという今じゃお目にかかれないボディの通称LBです。これはエンジン本体はノーマルのまま、機械式燃料ポンプを電動ポンプに変更したり、オルタネータの発電量を調整する接点式レギュレーターを改造して発電量を大きくしたレギュレータを並べて昼と夜で切り替えできるようにしたりの小細工程度しかしてませんでした。何しろ昭和49年式、普通に動かせることの方が重要だったのでw
その次がTA41型トヨタカリーナ1600GT 2ドアクーペ。この2車のエンジンはキャブとEFIの違いはありましたが、同じ2T-Gという当時の市販車には珍しかったDOHCエンジン。今風にいうとツインカムでしょうか・・・今どきはエコカーにすらごく普通に搭載されているカム方式のエンジンですが。
2T-Gは元々は2TというOHVエンジンです。シリンダーブロックにカムを収めて、プッシュロッドでロッカアームを介してバルブを動かします。そのカムの位置にアイドラ付けてカムチェーンを2重にしてヘッドに延長して、ヤマハ製DOHCヘッドのカムを駆動するというヤマハチューンドのエンジン。同様の方式で2000ccの18RをDOHC化した18R-G,レース専用でしたがスターレットなどのK型をDOHC化した3K-Gもあったっけ。当時はトヨタのスポーツエンジン開発はヤマハ発動機が担当していました。今はどうなんだろ?
でね、その2T-Gって当時のF3で主力エンジンだったんですよ。同系列の1800ccの3Tエンジンのクランクを使ってストロークアップ、ボア広げて2000ccにって手法で。後にトヨタでも3Tベースのブロックに2T-Gヘッドベースのツインプラグ仕様のロングストローク1800ccにターボ付けた3T-GT、限定車でもうちょっとボア広げた4T-GTなども出ました。これはラリーでも活躍、耐久レースでも使わたり、非常に発展性のある名機でした。
当時の2T-Gチューンは、3Tクランクに戸田レーシングのピストンで2000cc仕様か、クランクはノーマルでボアだけ広げた1750cc仕様、あまりいなかったと思うけど3Tベースで2T-Gヘッド乗せた1800ccロングストロークなど。戸田レーシングはノバエンジニアリングのF3用2T-Gのエンジンメンテを担当していたので2T-Gには強かったんです。カムチェーンをギア駆動に変更するギアトレインキットなどマニアックな商品も販売していました。
時は昭和50年代終わりころだったかな?2T-Gチューンに着手!
私がやったのはクランクは変えずにボアだけ広げる1750cc仕様、通称イナゴってやつ。
これ、ピストンとヘッドガスケット、ボーリングだけで済むというお手軽チューン・・・お手軽ではないか(;^ω^)
若い頃から先見の明をお持ちだったノイエさん、セリカLBを解体に出すときにエンジンを降ろしていたんですね♪
そのブロックをベースにボーリングに出して腰下を組んでおきます。
カリーナからエンジン降ろしてヘッドはカリーナの物を移植。ヘッドはぐったついでにポート磨いたりインマニとの段差も研磨したり。ヘッドをカリーナの物を使ったのは制御がキャブからEFIになるのでセリカのヘッドだとカムやら細かいところがEFIに対応しないためです。後から聞いた話では、初期の頃のエンジンのほうがブロックが頑丈だったと聞いて、偶然にも正解だったってオチもありました。
EFIはいじった話も聞いたことないような時代でしたので制御系はそのまんまという今じゃ「ん???」なハナシです。
が、吸入空気量を測定しているエアフロがフラップ式だったので抵抗は大きくて非効率ですが正確(っぽく)には計れていた模様w小細工として、水温センサに可変抵抗かませて手元で疑似的に水温が低い状態を作り出しECU騙して燃料増量なんてことはやったりも。効果あったかは謎ですがwww
ラリーやさん経由でTRDクロスミッションのギアセットも入手♪デフはノーマルのままでしたが、クロスは速い!ミッションばらしてクロス組み込むついでにフライホイールを軽量研磨加工。当時はフライホイールは交換するものじゃなく、削って軽くするのが一般的でした。
エキマニはセリカLBから移植したトラストのタコ足。O2センサのボスを溶接して取り付け。今はタコ足じゃなくてエキマニって言うねw
2T-Gはベースになった2Tと排気系が互換があったので、コロナライトバンの4-2-1集合タイプなんかも使えたっけな。トルク重視とか?ほんとかよw
完成したイナゴカリーナ。当時デビューしたばかりの16バルブ1600ccエンジンのAE86に負けない加速♪シグナルGPとか密かに流行ってたのもあり、AE86見つけると追っかけたりしてました(遠い目)AE86さん、なんでオンボロカリーナが速いのか不思議だったでしょうねw
そしてやるなら3Tクランクで2L化までしちゃえばよかったかなとほんの少し後悔。イナゴを選んだのは、ショートストロークでよく回るから。太いトルクよりブン回すほうが楽しそうって理由でした。実際楽しかった♪
数年乗って、ボディのあちこちがサビで穴開いて修理が追っつかなくなってきたので、たまたま知り合いの中古屋に入ってた激安だったいすゞジェミニイルムシャーに乗り換えとなりましたが、そのカリーナは売却後に海外へ行ったようです。日本のスポーツタイプは人気があって売れるとか・・・現代と同じじゃんwww
余談ですが、何年前だったかな?関連会社の古い車が好きなヤツがTE27レビンを購入したんですよ。ノイエさん!買っちゃいましたよ!って喜んでましてね。が、毎朝エンジン始動する度に「ジャー」って変な音がするんですと。
2T-Gのカムチェーンテンショナー、常に自動調節なんてものはなく、エンジンかかったら油圧で作動というもの。エンジンかかってないと油圧が無いのでチェーンはダランダランです。なので基本的に外部からテンショナーのプリロード調整をしなければなりません。そこで、ちょっと弄ってもいい?と確認してカムチェーンテンショナーを調整。外部調整機構のロックナット緩めて手で締め込む。重くなったところから1/8回転戻し。これでジャー音は出なくなるはず。エンジンかけてみて~、はーい!キュルキュル・・ボン! おお、静かになった。が、アイドリングがすげーバラ付いて止まりそう。絶不調じゃん・・・キャブ弄ってもいい?はい!お任せします!ってことなので、ソレックスの同調を試みる。これTA27セリカで毎週ペースでやってたからバキュームゲージなくてもなんとなく出来ちゃうんですワタシ。
スロットルスクリュをチョイチョイ・・・ん、だいぶ良くなった。
空ぶかしした時のガオ!って吸気音がたまらんね!!
それからっていうもの、転勤でそいつが居なくなるまで。なんだかんだとそのレビンを弄らされましたっけ(;^ω^)
現代の車にはない「機械」としての車、それはそれで楽しかったんですよ(^^)
今現在、2T-Gのソレックスキャブ弄れるメカニックってトヨタにも居ないんだろうな・・・。今の整備士って機械屋じゃなくて電子屋に近いからね。
またまた長くなってしまいました。
書きたいことがいっぱいで要点まとめられんわwww
お次はメカチューン最終回。カワサキZ1100R編です。
Coming Soon!
Posted at 2020/03/08 09:24:45 | |
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