お菓子研究会(仮称)か・・・ それより机の上にある飛行機の模型が気になる。
心なしか部長と思われる少女が不安げな表情だが、ちょっと話しかけてみるか。
「あの、すみません。」
「こんにちは。」
英語で話しかけた方がいいかなと思わせる姿の小柄な少女は、驚いたことに、しかし安堵したことに、日本語で答えてくれた。
「お菓子研究会、とのことですが、これ、C.714ですよね?」
不安そうだった少女は、桜が満開になったかのような笑顔になる。
「はい、コードロンC.714です。・・・CRではなくC.714と、おっしゃいましたよね?」
・・・それがうれしかったのだろうか?
「わたし、昔の飛行機が好きで。C.714を飛ばしたくてオンラインゲームやってるぐらいです。これ、自分で作ったんですよ。」
「僕も好きですよ、もしかしてオンラインでお会いしてるかもしれませんね。」
「そうかもしれませんね。何度か他のC.714とロッテ組んだことありますし・・・」
「「あ・・・」」
海外の空戦オンラインゲームで、何度か2機編隊で飛んだフランス空軍機。
・・・・・妙に息があっていたのを思い出す。
「・・・ところで、お菓子研究会とのことですが、立ち上げたばかりですか?」
「ええ、何か、お友達サークルみたいなのが作りたかったんですが、とりあえずお菓子ってことで始めてみようかと。まだサークルとして正式には登録していないんです。」
「「もしよかったら」」 ハモった・・・
ぷ・・・ あはははは・・・
「部員その1になりますよ。これからふたりで部員集めしましょう!」
かぁ・・・再び桜が咲く。
「あ、ありがとうごじゃます! な、仲良くしまちょ!」
・・・・かんだw しかし、笑ってはいけない、いけないのだ・・・w
「どうしましょう、お菓子研究会の勧誘ということで、しばらく様子を見ますか?」
「・・・そうね・・・私、空戦サークルにはしたくないし。」
「同感、僕も、のほほんと飛ぶのが好きだし。」
「じゃあ、初めは・・・・僕ができるレベルというと・・・チョコを溶かして型に流し込むぐらいのレベルから狙っていきませんか?」
「それ・・・いいですね♪」
「料理研あたりと被らないようにしないと。」
「そのための・・・C.714です!」
あはははは・・・。
「部長は上級生、なんですよね?」
「いえ・・・1年です」
・・・・すごい・・・・。
入学早々、サークルを立ち上げようなんて、そうできることじゃないぞ。
あの不安そうだった表情からは想像もつかない。
・・・・最終的に何のサークルになるか少々不安になるものの、この娘とは楽しく過ごすことができそうなのは、確実だと思った。
ビブ・ラ・フランス! (違うだろw
Posted at 2020/06/27 17:55:21 | |
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