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自分では割と映画は観るほうだと思いますが、最近はもっぱらDVDやTVですので、久しぶりの劇場鑑賞です。

観たのは『少年H』。原作は読んでいたのであらすじはほぼ知っていましたが、嫁にも観てもらいたかったので。

原作の妹尾氏のご両親は立派な人だったんだなぁと、映画を観てあらためて思いました。
お金持ちなわけでもないし、大勢の人から尊敬されるようなことをしたわけでもない、名もなき一市民ですが、強く大きく、そして何より人として正しい。どんな状況であれ、私もかくあらねばと心をあらたにした次第です(￣^￣)ゞ

いかなる理由があろうと、人を人種、民族、国籍、宗教で差別するのは人間として恥ずべきことです。

（ネタバレ注意です）
＊僭越ながら、敬称は略させていただきます。

邦画はあまり観ない私ですが、地上波で放送されていたので、先日録画した映画2本をほぼ立て続けに観ました。

内容的には全くかけ離れていますが、両作品とも偶然にも妻夫木聡と深津絵里が恋仲の役です。

『マジック・アワー』はかなり笑わせてもらいましたが、緻密な構成はさすが三谷監督ですね。
前半部の、売れない役者に対する現場の雰囲気（スター俳優の態度など）なんかはなかなかウィットに富んでいて、映画界を皮肉っているようにも感じました。生前の市川崑監督も、監督役でカメオ出演しています。

『悪人』の方は内容が内容だけに決して愉快な作品ではありませんが、それだけに重厚で考えさせられるテーマです。
私が男だからかもしれませんが、深津絵里の役には最後まで感情移入できませんでした。妻夫木聡に惹かれる動機付けをもう少し描いて欲しかったです。『マジック・アワー』での佐藤浩市演じる売れない役者が、妻夫木聡演じる胡散臭い監督の話に乗っていくところとは対照的に感じました。（まぁこれはこれで不自然ではありますが）
間違いなく芝居としての主演は深津絵里だと思うので、そこが少し残念…。

映画の本筋からは逸れますが、『悪人』は配役が絶妙だと思います。なかでも刑事役の塩見三省。
この方は私の刑事のイメージそのもので、刑事演じたらいいのになぁと以前から思っていたので思わずニンマリしてしまいました。

先日、市川崑監督が亡くなった。

個人的に好きな監督だったので、非常にショックだ。

芸術性と娯楽性を兼ね備え、多彩な作風で観客を魅了してきた。

全ての作品を観たわけではないけれど、映像のきれいな監督だなという印象が、私の中にある。ここでいう「きれい」というのは、薄型テレビなどの宣伝文句によくある、いわゆる画質のことではない。照明の使い方が独特で、影というか暗い部分の使い方がうまい監督だった。八リウッドなどの映画ではなかなか見られない画像だと思う。

照明に関しては、いまだに日本映画のほうがハリウッド映画より上だと思っている私にとって、市川監督の逝去は本当に残念でならない。

心よりご冥福をお祈りいたします。