symsバッフルプレート油圧確認(パート1)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
30分以内 |
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SYMSのバッフルプレートに変えたので油圧の確認を行いました。
確認した油量は5.5、6.0、6.3Lですが、
バッフルプレート交換時は普段のオイル交換より多く抜けているので、
実際のところは
今回の6.3Lの油面≒過去の6.0Lの油面
と思っていいと思います。
★後日抜き取った際に量を確認します。
東名パワードとの比較結果は次回の予定ですが、先に結論だけ書くと
「ぱっと見て大差ない」結果でした。
詳細は次回。
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■比較方法と結果概要
鈴鹿南のジムカーナデーで各油量を記載の本数走行したデータです。
油量
5.5L 7本
6.0L 7本(AMベストラップ)
6.3L 12本(PMベストラップ)
計測した結果を10Hzにダウンサンプリングしてグラフに出しているので、一つの点が0.1secのイメージです。
油量6.3Lにすると油圧の落ち方が結構マシになりました。
6.0Lまでは東名パワードのままにしておけばよかったと若干後悔&油圧の落ち具合が気になってアタックに集中できませんでした。
アニメ版グラフはブログをご参照ください。
https://minkara.carview.co.jp/userid/3487533/blog/47538319/ 3
■回転数-油圧グラフ
ラップ数が他の倍近くある6.3Lですが、4000rpm付近で200kPaを下回る点が少ないことが分かると思います。
黄色い点の低回転で変な線がありますが、これはスピンしながら後ろ向きにコースアウトした際のデータです。
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■横G-油圧グラフ
マイナスG(画面左)が右コーナです。
今回から4000rpm以下を消して比較してます。
油圧が200kPaを切る点が少ないことが分かると思います。
バッフルプレートの試作で有名な海外のyoutuberさんと情報交換した際に4000rpmにしてると言ってたので合わせました。
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■各油量のベストラップ単体
紫が油圧
緑は横G
水色は回転数
まずは5.5L(L13)単体から。
落ちすぎて怖い。
100kPa台前半。(ロガーの設定ミスで1.3となってますが130kPaです)
アイドリングレベルの油圧。
賛否ある油圧ですが、コレは流石にヤバい気がします。
3速進入なので回転数落ち気味ですが、2速だとレブリミット付近での進入になります。(汗)
ただ過去のデータから、2速進入の場合は回転数なりに油圧も底上げされるので完全にオイルが無いというよりは、
揺れている残り少ないオイルを泡と一緒になんとか吸ってる状態かなと推測します。
マックシェイクの底をストローで吸ってるみたいな。
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6.0L(L23)単体
100kPa台になる時間は5.5Lより短い。
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6.3L(L41)単体
黄緑の横Gは他のラップより小さいわけではありません(むしろ大きい)が、200kPaを切らなくなりました。
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■各油量のベストラップを比較
6.3L(L41)VS 5.5L(L13)
5.5Lの方は0.7秒近く200kPaを切っています。
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6.3L(L41)VS 6.0L(L23)
5.5L(L13)よりマシではあるけど・・・といった感じ。
このシケインのように左→右の切り返しがこのエンジンんで一番油圧がお落ちるシチュエーションです。
メカニズムはこうです。
1)タイミングチェーンカバー内のオイルが左コーナで右に偏る。
2)タイミングチェーンの回転方向がドライバから見て反時計回りなので搔き上げられ、多く滞留(ストレーナが右に寄っているのでオイル供給はセーフ)
3)右コーナのG入れ替わりで、溜まっていたオイルが一気に左へ移動。
このときオイルパンに僅かしか戻らずほとんどがタイミングチェーンの左側へ。
★オイルの戻りを遮る形状のバッフルプレートが逆効果になる場合があるのはこのシチュエーションです。
KillerB製のオイルパンとタイミングチェーン間の壁を塞ぐパーツで逆に油圧が落ちる結果が海外の検証で出てましたがこれが原因です。
同様の理由で板一枚で完全上下を隔てるタイプのプレートもコースや走り方によっては危険かもしれません。
4)ストレーナの先にオイルが無い
※正確には完全に吸えないわけではなく、泡を含んだオイルや戻ってきたオイルをなんとか吸っているものと思われます。
程度問題なのでこれに減速Gや勾配が合わさると更に低下するかもしれません。
※偉そうに語ってますが、スバル技法から得た知識です。
タイミングチェーンからオイルが戻ってこないのが原因なら基本的な対策はオイルを増やすか、オイルが切れる前提で保護性能高めのオイルを入れるかくらいで、バッフルプレートだけで油圧低下を根本対策するのは無理だと思います。
あとはメカニズムを理解した上で、可能な限り逆効果なパーツを付けないこと。
900BRZ氏がアキュサンプなしをコンセプトにVERUSエンジニアリングとパーツを開発してますが、それでなにか良い結果が出るといいのですが。
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ちなみに
オイル6.3Lの中でワーストだったのはL47で5.5L(L23)と同じレベル。
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オイルが多ければ必ず油圧が落ちないという話ではなく、頻度、程度の問題ということが分かります。
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■次回
次回は東名のバッフルプレート装着時のデータと比較してみたいと思います。
■最後に
毎回書いてますが、この油圧低下が他の方々のエンジンブローの原因に関係しているかどうかは分かりません。
無視してても問題ないかもしれないし、実は大問題で次回ブローするかもしれません。
少なくとも吸いたいオイルがそこにない!という状態は良くないだろうという意味でできるだけ対策をしておきたいという意図でチェックしています。
ちなみに、スバル技法を読むと0.9Gを想定し42度エンジンを傾けたCAD図で油面位置を検証していたようです。
重力と横Gのベクトルは
0.9G→42度
1.0G→45度
1.5G→56度
純正タイヤで走って丁度MAX1Gなのはきれいに設計通りなんだなぁと。
保証ガーみたいな人はハイグリップの太いタイヤ換えちゃだめですよ!(割りと本気で)
https://minkara.carview.co.jp/userid/3487533/blog/47433168/
なお、スバル技法に掲載されていたS耐のBRZは1.6Gを想定して評価しているっぽい。
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