さまよう・・・さまよう・・・さまよう刃

東野圭吾氏の「さまよう刃」を読みました。

少年犯罪被害者の復習劇を通じて
今の少年犯罪の裁きのあり方を問うという重いテーマです。

これもテンポがよく、登場人物への感情移入がしやすく
被害者遺族、加害者家族、警察とそれぞれの立場が
くっきりと書かれていて、臨場感があって
パラパラとページをめくっているうちに
あっという間に読み終えてしまいました。


事件自体のラストは意外とあっけなく感じましたが
本ラスにビックリな事実が・・・
この最後の展開で単なる復習の話ではないのだという作者のメッセージが
すごく伝わってきました。
復習が達成できて、めでたしめでたし・・ではないのですよね。

そして、ラストで、新たな事件の一報に、
「今度の事件は犯人がガキじゃないと祈ってくれ」という刑事のセリフと
途中の
「警察は市民を守っているのではない。警察が守るのは法律の方だ」という
セリフが印象的でした。



元々未成年犯罪での、「未成年」という免罪符に疑問でしたが
この本を読んでますますそう思いました。