ミドリーヌ号も7年間、19万Kmでついにトラブルが…リアワイパーの不調で修理と相成りました(ただの経年劣化の断線のようですが)。代車に普段とは違う車をリクエストして、i3をお借りしました。最初はバッテリーのみのモデルをお借りする予定でしたが、ちょっと事情がありレンジエクステンダー付きのモデルになりました。
前回乗ったのは燃料フィルター交換の際に
半日お借りした時でもう2年経っていましたので、乗り込んでの操作はほとんど忘れていました(爆)。ステアリング右側のロータリースイッチが一般の車のシフトレバーと一緒です。シートは全部手動の調整ですが、そこそこしっくりきます。
走り始めるとさすが電気自動車、無音で滑らかに発進します。レンジエクステンダー付きの車両はモーターのみのモデルに比べて130Kgほど重いはずですが加速感はあまり変わらず、速いです。0-100Km/h加速は7.9秒ですが体感的にはもっと速く感じるのはワンギアで加速に途切れが無いせいでしょうか。
一定速度からの再加速でもタイムラグが無い分加速感が強いです。モーターのレスポンスは踏んだ瞬間からの加速になるので気持ち良く、エコプロモードでも特に加速が鈍い印象はありません。一旦システムをオフにして再始動すると必ずコンフォートモードになっていますが、エコプロモードがデフォルトでも良いと思いました。
最初に乗った時に感じたアクセルオフ時の回生ブレーキの強さですが、さすがに1週間乗っていると慣れてきてほとんどブレーキを踏まなくても問題なくなりました。ただ、アクセルオフでのブレーキの加減が微妙に難しく、メーターの表示を見ながらの調節が多かったです。
それにしても加速方面に関しては電気自動車のモーター加速は本当に魅力的で、タイムラグ無く自分のコントロールで好きな加速が出来るのは本当に楽しいですね。
本国のサイトの加速データでは0-100Km/h加速に加えて80-120Km/hの中間加速のデータも載っていました。一番軽い60Ahバッテリーのみのモデルだと4.9秒、最も重い94Ahのレンジエクステンダー付きでも5.7秒です。これはかなり速いです。
かなり以前(7年くらい前)はBMWの標準車でもこのデータが載っていましたが、最近ではiモデルだけのようです。ちょっと馴染みの無いデータだと思いますが、以前に「
なぜディーゼルはガソリンより中間加速が良いの?」というブログ記事を書いた時のデータがありました。
データはE90モデルで335i、325d(6気筒3Lディーゼル)、320d、123d(ミドリーヌ号とほぼ一緒)を横並びにしています。データは4速、5速での中間加速ですが3Lツインターボの335iでも5.5秒です。フル加速ですとギア比の関係で80-120Km/h加速は2速か3速までシフトダウンしなければならないので、シフトチェンジとターボラグの時間まで考えるとi3の80-120Km/h加速は335i相当かやや上回る事になります。今回お借りしたレンジエクステンダー付きの代車の加速で、E90の335iの4速フル加速とぴったり一緒のタイムです。
現行のF30モデルと比較しても330iより速く、340iと同等かわずかに遅い程度でしょうか。という事は常用域ではほとんどのBMWの標準車より中間加速が速いという結果です。しかもこの加速はガソリン車だとアクセルを床まで踏んで一番低いギアまで落とさないといけないフル加速です。
やはりモーター駆動で瞬時に最大トルクがタイムラグ無しに引き出せるのと、ギアチェンジが要らないのが最大の利点ですね。80Km/h以下だとモーターは低回転になってもっと最大トルクが引き出しやすくなるので、一般道だともっと加速の質に差が付きそうです。
他メーカーの車種と比べても同様でしょうから、i3の中間加速を上回るにはガソリン車では4LのV8ターボや6LのV12ターボ、あるいはスーパーカーのような一般的では無い車が必要なようです、唯一の例外は3Lディーゼルだと思いますが、これも車重がかなりある車種が多い(例外はALPINAの6気筒ディーゼル)ので、一般道の加速では独壇場かもしれません。
そういう意味では、100Km/hプラスアルファまでの普通の走行においては電気自動車はスムーズで静かで振動も無く、強い加速がアクセルだけで自在にコントロール出来る、という現状ではベストの駆動コンポーネントだと思います。
それならメリットばかりに思えますが今回痛感したのはやはり充電問題でした。今回のi3はレンジエクステンダー付きだったのでいざとなればエンジン始動で100Km以上走れるので不便はありませんが、今回ちょっと遠出するに当たって周辺の充電設備をチェックしました。
住所から10Km近辺のところのモールに急速充電設備があるため、そこでフル充電に近い状態にして出掛けましたが、最初の予定の某市役所では何故か充電コネクターを認識してくれず充電が失敗に終わりました(涙)。
仕方が無いので向かったのが日産のディーラーさんです。さすがにリーフの大元だけあって急速充電していただき、一息つきました。
とは行っても、日産ディーラー全店で急速充電が配備されている訳ではないのでチェックが要るかもしれません。i3のカーナビ画面では、普通充電設備と急速充電設備が違うマークで表示されるので分かり易くて良いですね。
BMWに関しては急速充電のあるディーラーさんがあまり無く、iモデルの専売スペースをとってある浜松のディーラーさんでも急速充電設備がありませんでした。i3といえどもいざとなったら日産のお世話になる場合が多そうです(爆)。一応プレミアムメーカーですし最近ではPHEVモデルもかなり増えて来ているので、全店舗に急速充電設備を作って欲しいですね。
帰りがけに静岡市内のモールに寄って充電の追加をしようと思ったのですが先客のテスラが…充電状況を見たら70%だったので「あと10分くらいかな」と思って待っていたら大間違い。テスラはi3やリーフの4から5倍の容量のバッテリー(そのおかげで航続距離は500Kmくらいです)なので、規定の80%までの充電で45分くらいかかりました。これがもっと少ない容量からの充電だったら何時間も待たされるところでした(爆)。
i3はマイナーチェンジでバッテリーの容量が94Ahになったので、フル充電なら300Km以上走れる計算になり、普段の通勤やちょっと遠出には問題無さそうですが、そこからの充電時間には要注意ですね。
地元のモールの急速充電では開始の充電量が100A!で30〜40秒で1%上がるくらいの勢いですが、80%を超えると充電量が少しずつ下がり、90%を超えると30A、95%だと10Aくらいになってほとんど充電出来ません。実際に不便無い充電ペースとしては80%くらいまでが現実的なのかもしれません。
今回のi3は60Ahのバッテリーでしたので、マイナーチェンジ後の94Ah版だと充電時間は1.5倍かかるという計算でしょうか。
技術の進歩でバッテリーの電流密度や容量が進化しても、それに合わせて充電時間も増えてしまいそうなので、技術のブレークスルーが無ければ大容量になっても充電に取られる時間も馬鹿にならない印象です。
旅先の充電スペースに先客がいれば待たざるを得ませんし、遠出をする時には充電時間もしっかりスケジュールの計算に入れないとはまりそうですね。この辺りのインフラ整備に関しては、まだ電気自動車は気軽に普及出来るレベルでは無いのかもしれません。
最後に1週間乗って気が付いた細かい突っ込みを…
全長4mのサイズの割りにしっかり座れるリアシートなので、折角なら3人掛けにして欲しかったです。
観音開きのドアは長短あり、その場で両方開けたりしてそれなりに便利なのですが、微妙にドアが大きいです。
特にリアドアの下端にフロントドアとの結合の出っ張りがあり、そのせいでイメージよりも開くスペースを取ります。
エコなイメージのダッシュボードですが、白っぽい繊維が混じっているためガラスに反射して微妙に見にくいかも…
更にドアの取っ手部分が狭い上に角度的に力が入れにくいので、風が吹いていると押さえが効かずにお隣さんへのドアパンチに要注意です。
そして最大の欠点は…日本仕様だけ4m1cmの全長!!本国では4m未満なので早く改良してフェリー代を安くして欲しいです(爆)。
色々小言を言いましたが、乗り物としては非常に楽しいので、次世代のi3に期待ですね(激爆)。