以前から期待していたマツダの新型直6ディーゼル、先日
技術発表がありましたね。
排気量は3.3Lとの事なので現行のスカイアクティブ2.2ディーゼルとボア、ストロークは同一で6気筒化した感じでしょうか。ディーゼルエンジンは燃焼がかなり重要性を持つのでボアやストロークをいじるより気筒数で加減した方が有利らしいので、モジュラー化で6気筒は順当なところでしょうか。
ピストン形状もスカイアクティブ2.2の段付きエッグシェイプピストンに比べて新しいものになっていますね。
ピストンに新たな出っ張りを設ける事で燃焼室を上下に多段化して更に燃焼効率を上げており、この新燃焼システムにより、従来のPCIより効率の良いDCPCIという燃焼領域を広げているそうです。
更にこのエンジンに組み合わせるのがなんとトルクコンバータレス!の8速ATです。ダイレクトな応答やキビキビした変速を実現し、燃費向上にも貢献しているようです。今までは高級車種でも6速だったのが8速になったのも魅力大ですね。
と、こんな感じで新基軸てんこ盛りの新型直6ディーゼルですが、肝心のパワーは254ps/550Nm…予想よりも少ない気がします。メルセデスベンツやBMWの最新6気筒ディーゼルは340ps/700Nm程度なのに比べると、やや見劣りする気がします。
例えば
メルセデスベンツの上級4気筒ディーゼルは272ps/550Nmですから、直6で3.3Lなのにトルクは一緒でパワーは負けています。車重1900KgのCX-60が0-100Km/h加速7.3秒なのに対してGLE300dは2350Kgもあるのに0-100Km/h加速は6.3秒と速いです。パワーも負けている上に車重が軽いにも関わらず遅いと、直6ディーゼルの存在価値を疑われてしまいそうです。ちなみに車重1610Kgのミドリーヌ号は0-100Km/h加速が7.0秒ですから、10年以上前の4気筒ディーゼルより遅いというのもちょっと残念です。
マツダではこの新型エンジンが従来の2.2Lに対して燃費の向上や理想燃焼の拡大している点を強調していますが、排気量が1.5倍になっているのにトルクアップが24%というところは疑問ですね。
もちろん速さだけが売りではなく、効率の良さや直6エンジンならではの高級感もアピールしたいのかもしれませんが、こちらの
プロトタイプの試乗記事では、ノイズやバイブレーションは欧州ディーゼルに一歩及ばず、トルク特性も2000回転から急に立ち上がるようであまり好印象ではないようです。
欧州勢の6気筒ディーゼルは1千万円以上の高級車がほとんどなので価格によっては国内市場では競争力があるのかもしれませんが、輸出した時にこのスペックだと、他社の6気筒ディーゼルに対してかなり見劣りする感じがするのは私だけでしょうか。
実際に試乗してみないと本当の実力は分かりませんが、これでそれなりの高価格だと、欧州勢の4気筒ディーゼル勢にも負けそうな気がします。厳しい戦いになりそうな予感がします。
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マツダ | 日記
Posted at
2022/04/09 07:00:18