最近の車はターボエンジンが主流になってからチューン違いの廉価版が増えてきましたが、EVのBMWi4の廉価版はモーターではなくてバッテリーが廉価版なようですね。
以前は廉価版と言えば気筒数が少なかったり排気量が小さかったですが、ターボエンジンになってからはECUチューン違いでパワーを落とすという安易な手段で廉価グレードにしていました。今回のi4はeDrive40のバッテリー容量が83.9kWhから70.3kWhに落とされています。
モーターには違いがないはずですが、パワーもeDrive40の340PS/430Nmから286PS/400Nmに落ちています。EVの場合はモーターが同一でもバッテリーの容量が違うと供給電力に応じて出力が変わるらしく、確かに両者のバッテリー容量の比をそのまま当てはめるとeDrive35は285psになるので順当なところですね。
ちなみにメルセデスベンツのEQSとEQEに関してもバッテリーの容量はEQSが107.8kWhなのに対してEQEは90.6kWhとやや小ぶりで出力もEQSが333ps/568Nmに対してEQEは292PS/565Nmと同様の関係ですが、両者はホイールベースが違うので当然バッテリーモジュールの搭載量も違って当たり前の結果ですし、そもそも車種が違うので問題なさそうです。
バッテリーの容量は13.6kWh減った分の車重の差はeDrive40が2080Kgなのに対してeDrive35は2030Kgで大差無いので、パワーの差が加速の差になると思われますが、400Nmのモーターのトルクがあればそこそこ速そうですね。
しかし、バッテリーが小さくなれば当然航続距離も短くなり、eDrive40の604Kmから532Kmに減少しています。
実際にどのようなバッテリーのセルの間引き方をしているかは不明ですが、2割近くもバッテリーを減らしていると重量配分も変わる?気もしますし、空きスペースも出来てしまいますね。冷却には有利かもしれませんが(爆)。
パワーが減るのは廉価版なので想定の範囲内としても、航続距離まで減るのはちょっといただけないですね。以前の内燃機関のモデルなら排気量が小さくなったりECUデチューンで燃費は向上するので、動力性能は落ちるものの航続距離は逆に増えてある意味便利な点もありましたが、それに比べると残念です。
eDrive40とeDrive35の価格差は100万円近くあるのでお買い得なのかもしれませんが、動力性能が落ちるのは仕方が無いとしても航続距離まで落ちるのはEVとしては使い勝手が悪くなってしまうのはどうなのでしょうか。価格差が13.6kWh分のバッテリーの価格だけではないでしょうから、ホイールやブレーキ、内装などの装備も廉価版なりにグレードダウンしているのでしょうね(爆)。この車に698万円出すのなら、素直にeDrive40に791万円出した方が良いと思うのは私だけでしょうか。
これからのEV時代にはこうした成り立ちの廉価版モデルが増えるのかもしれませんが、個人的にはバッテリー減らしよりはモーター制御のデチューンで馬力を落として廉価版にする方が納得が行きますね。本当に最近のBMWの方向性には疑問だらけです。
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Posted at
2023/02/21 06:45:50