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2024年01月23日

その手があったか…2ストロークエンジンも奥深いですね

その手があったか…2ストロークエンジンも奥深いですね HONDAがGP500でマシンデビューさせ、レースでは結果を出せなかったものの市販化にまで漕ぎ着けた楕円(レーサーでは長円)ピストンエンジン、開発者の談話の中に「2ストロークでも検討しました」という発言があって「バルブが無いのに楕円って意味あるの?」と思っていましたが、面白い記事がありました。



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こちらの雑誌ではGP500でフレディ・スペンサー選手とケニー・ロバーツ選手が史上稀に見る大接戦を繰り広げた1983年のシーズンを特集しており、ホンダのNS500開発プロジェクトリーダー宮腰信一さんはインタビューの中で翌シーズンの1984年型NS500に対して「ロングストローク化(ボア小径化)による高回転化限界の追求を考えた」という発言をなさっているのですね。


普通だと「えっ、ロングストローク化したらエンジンは回らないからパワーアップ出来ないのでは?」と考えてしまいますが、そうとも言い切れないみたいです。

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2ストロークエンジンでは4ストロークエンジンと違って吸排気はシリンダーヘッドではなくシリンダー壁の掃気ポートからされます。2ストロークエンジンでは燃焼ガス交換スピードが重要になるので、4ストロークエンジンのバルブ拡大、高回転化と同様の効果がボア小径化によってシリンダー円周に対する掃気孔全幅の比を上げる事でパワーアップにつながるようです。


したがって2サイクルエンジンで楕円ピストン(長円ピストン)を使うと、4サイクルエンジンとは逆に縦長方向の楕円になって、ピストン幅が狭いままで掃気効率が高くなってパワーアップにつながるという発想です。


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4ストロークだと楕円(長円)ピストンは同じボア面積でもバルブ面積が稼げるのに対して、2ストロークでは同じボア面積に対してシリンダー壁の掃気ポート面積が稼げるという理屈のようです。これはなかなか盲点ですね。

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実際にはV3エンジンのNS500は1983年で開発を終了して翌年V4エンジンのNSR500へバトンタッチされるのですが(数戦優勝しましたが)トラブル続きでチャンピオンは獲得出来なかったNSR500よりも、楕円ピストンで更にパワーアップしたNS500が実現していたらもっと強力でフレディ・スペンサーも連覇出来ていたかもしれませんね。


でも、横長ピストンだったらコンロッドは2本で安定しますが縦長の長円ピストンだと大丈夫なの?などと疑問は噴出してくるので(爆)、実戦に投入されてもやはりトラブル続きで結果は残せなかったかもしれませんね。でも、4ストロークエンジンとは異なって長円にこだわる必要はなさそうなので、楕円ピストンにすれば部品の加工性やピストンリングの精度も上がって意外といけたのかも。


それにしても、常識だと考えられない長円ピストンを4ストロークエンジンだけでなく2ストロークエンジンにも採用しようとしていたとはちょっと驚きですね。今やほとんど絶滅してしまった2ストロークエンジンですが、もしこの技術が実用化されていたらどんな事になったのかちょっと興味がありますね。
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Posted at 2024/01/23 00:01:36

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この記事へのコメント

2024年1月23日 11:58
確か戦車とかも2ストエンジンだった記憶がありますが、内燃機関てまだまだ実際には研究の余地がかなりある気がします。

安易に電動化する方が、短期的には安上がりなのかも知れないですが、触媒技術も上がった今、総合的な一番の効率を求めて研究は続けるべきな気がします。

あんな中国も、実は内燃機関無茶苦茶研究しているようですし。
コメントへの返答
2024年1月23日 12:16
いつもコメントどうもです。

大型船舶のディーゼルも確か2ストエンジンだったような気がします。最近では対向ピストン(共通の燃焼室を挟んでピストンが対になって動く)エンジンも研究されているようなので、まだまだ色々なアイディアがあるようですね。

市販車でも熱効率はちょっと前のF1エンジン並みになっているようなので、まだまだ伸び代はあるのかもしれませんね。後はコストとの折り合いの問題でしょうか。

EV化でも電池製造のための原料はその内枯渇しそうですから、内燃機関もまだまだ研究と向上の余地はありそうですね。
2024年1月24日 17:15
2ストロークエンジンの可能性はまだまだあるようです。
そのうちすごいの出ますよ。
コメントへの返答
2024年1月25日 8:16
2ストロークエンジンってバイク用のエンジンで絶滅した感じがありますが、技術的にはまだまだ可能性があるみたいですね。凄いの出るの期待したいです。

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