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RANちゃんのブログ一覧

2018年10月09日 イイね!

なかなか上品…ALPINA D5s試乗と世間話

なかなか上品…ALPINA D5s試乗と世間話
先日気が付いたXD4にちょっと興味が出ましたが、デビューは先のようなのでXD3の試乗車があるかと思いましたがこれもまだなので、久し振りに世田谷でD5sの試乗をしてきました。




試乗車はアルピナブルーでした。車内はウッドトリムとブルーのメーター、ステアリングのステッチがアルピナらしいですがそれ以外は5シリーズと大差ありません。


エンジンをかけても静かで特にディーゼルを意識する部分はありません。発進も普通に緩やかです。


今回からは標準の5シリーズに搭載されている後輪操舵もオプションで選べるようになったそうですが、低速での逆位相操舵はしないようで、やはり交差点ではやや大回りの印象がありました。


試乗コースは第三京浜でしたが、ディーゼル特有の太いトルクでどんどんシフトアップしてしまうので、ほとんど1500回転近辺を保ちながら高速になってしまいます。100Km/hで1200回転くらいのようで、先代のD5Turboよりはややローギアードなのですが、カタログを比較するとXD3とギア比は同一ながら最終減速比はすこしスローになっています。


コンフォートモードの1200回転前後からでも充分に力強い加速なのですがあまりに平和なので(爆)、マニュアル操作で少し回してみると流石にパワフルで、ディーゼルエンジンなのに5000回転オーバーまで綺麗に回ります。エンジンサウンドも6気筒の綺麗な音ですしあまり音量も大きくないのでジェントルで好みです。


自由自在の加速で特に不満はありませんでしたが、先代のシングルターボに対してツインターボになった分は4輪駆動になったための重量増しで相殺された感じで、3シリーズのD3Biturboで感じたほどのパワフルさではありませんでした。


しかし乗り心地は上質でステアリングの手応えもアルピナならではの滑らかさでした。本家のBMWの6気筒ディーゼルでは740XDの評価が高いですが、それよりも廉価ですし、自分ならALPINA D5Sを選ぶと思います。


お店に戻ってからは新型XD3、XD4の話を伺いましたが、XD3は今年の生産枠はもう埋まっているそうです。当初の予定よりはかなり安い価格設定ですが、どう急いでも1年待ちになるので本家のX3M40dでも良いかな、と思いました。XD4の方は来年10月が最初の生産枠で、納車は再来年になるそうですが(爆)、それでもすでに数台注文が入っているそうです。やはりクワッドターボの魅力は大きいですね。


G20型ベースのB3、D3系については、本家のデビュー後1年かかるらしく日本導入は今からだと3年後!!のようで、パワーもEuro6の規制がらみで現行の350ps/700Nmからややダウンするらしく、在庫のD3Biturbo(アルピナグリーンのツーリングもありました!)でも良いかな、と思いました。


3年経つと自動車事情もかなり変わっていろいろ違った車もデビューしそうなので迷うところですね。
Posted at 2018/10/09 08:14:47 | コメント(4) | トラックバック(0) | 試乗インプレ | 日記
2018年08月14日 イイね!

これなら必要十分…代車は320dでした

これなら必要十分…代車は320dでした

ミドリーヌ号のカーナビ修理の間の代車にお借りしたのは今回はLCI後の320dセダンでした。




前回の代車は320iのツーリングでしたが、今回はセダンなので車重は車検証で1570Kg、ツーリングよりもかなり軽くミドリーヌ号よりも40Kg軽いです。前後の重量は780Kg/790Kgで後ろがわずかに重いのがちょっと意外でした。ディーゼルエンジンは重いという印象がありますが、新型のB47型はエンジンブロックはガソリンのB48型と共通らしいのでバルブトロニックやVANOSが無い分軽いのでしょうか。カタログ表記でも320iより10Kg軽いです。


シートはフル電動なのでしっかりポジションが合います。エンジンをかけるとアイドリング時にはややカラカラ音がしますが充分静かで振動もありません。そう言えばウインカーの動作が国産車のように解除は逆方向に戻すタイプになっていましたがLCI後からの変更なのでしょうか。今までずっと続けて来た方式が変わるとちょっと違和感がありますね。


走り出すと低速から充分なトルクがあります。さすがにアイドリング直後はそれほど力強くありませんが1300回転くらいからは実用的なトルクが発生し、1500回転から上はパワフルといってもおかしくない程の太いトルクが発生します。


ECO PROモードで走行しているとすぐにシフトアップしてしまって1500回転未満をキープしている事が多いのですが、そこからアクセルを踏んでもシフトダウンせずに充分な加速をするのでストレスがありません。これがガソリン車の320iだと1段か2段のシフトダウン後に加速するので、瞬時の気持ち良い加速という感覚にはなりません。日常的に使う範囲ではディーゼルの方がドライバビリティが上な印象があります。


そのまま加速していっても綺麗に吹け上がって3000回転くらいまではパワフルですが、そこから先はやや加速感が鈍るのはディーゼルの特性でしょうか。レッドゾーンは5400回転でしたがそこまで回すと流石にちょっと辛そうです。

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いつもお世話になっている方からのグラフを再掲しますが、320dのB47型エンジンはシングルターボなのに低速の立ち上がりはツインターボエンジンのVOLVOと同様で、実際に乗ってみても互角に感じます。

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もうちょっと拡大すると2500回転までのトルク曲線はほぼ一緒です。しかもトルクピークの2500回転の落ち込みが4000回転まではB47型の方が少ないのも優秀です。そこから先のトルクの落ち込みは大きいのでさすがにシングルターボの限界なのかもしれませんが、常用域ではツインターボのVOLVOと互角か上回る程優秀です。


B47型エンジンはターボの回転抵抗を50%低減したらしく、それがブーストのレスポンスをかなり向上させているのでしょう。そのため低速寄りのセッティングでトルクを確保しても高速側も犠牲にならないのかもしれません。VOLVOと低速側のトルクがほぼ一緒なのが不思議(もしかすると共通のターボでしょうか)ですが、BMW独自の改良があるのかVGTが別物なのでしょうか。


また、気筒毎に振動センサーを設置してインジェクターの制御を行っているようで、こちらもVOLVOが採用している「i-ART」と同様の効果があるのだと思います。


先代のN47型エンジンでは1500回転未満のトルクはやや細くて「やはりシングルターボの限界かな」と思ったのに比べると長足の進歩で、素晴らしいですね。


8速ATもシフトチェンジが速くてロックアップも素早く、何の不満も無く走れます。普段使いには何の不満も無く優秀です。


ミドリーヌ号の修理が予想外に早く終わって(爆)1週間でお返ししましたが、450Km程走って給油量は25L、ほぼ18Km/L走っているので燃費も優秀でした。


これだけのパフォーマンスだとガソリン車では「330i」くらいでないと追い付かない感じなので、コスト的にも320dはお買い得かもしれません。330eは燃費、コストパフォーマンスは高そうですが、標準車より約200Kg重い部分が引っかかります。


お山を走るとどうかと言うと、これもなかなか楽しいです。低速から充分に太いトルクが出てそのまま綺麗に吹け上がるのでかなりのダッシュになるので楽しいです。前後の重量配分もほぼ50:50なのでコーナリングも楽しいです。


では、ミドリーヌ号(E91 ALPINA D3Biturbo)と比べるとどうかと言うと、やはり微妙な差はあります。まずは足周りですが、ランフラットタイヤはかなり進歩したとは言え、微妙に重さを感じます。ミドリーヌ号は前245/40-18、後265/40-18ですが非ランフラットタイヤな上にミシュランのPSSなためバネ下は軽い感じで、乗り心地も良い上にしっかりグリップ感があります。


更に差が付くのがステアリングで、320dはコンフォートモードだとステアリングの手応えがあまり無くワインディングで飛ばすにはちょっと心許ないですが、スポーツモードにしてもステアリングが重くなるだけで遊びやフリクションは一緒なので、ちょっと改善する程度です。


それに比べるとミドリーヌ号のステアリングは320dのコンフォートとスポーツの中間くらいの重さですが、遊びと滑らかさがかなり違い、ステアリングの修正や戻す時の感触がとても良いです。また、20万Km以上走行しているにも関わらず、(多分)新車時と手応えが変わらないのも驚愕ものです。ALPINAが言うところの「公差ゼロ」を実現している感じです。


エンジンについては車重差と8速ATの優秀差がありほぼ互角に近い感じですが、厳密に比較すると低速トルクはミドリーヌ号がやや太い感じで、高速側でも雑味なく高回転側まで回る感じは不思議です。


320dは加速時にわずかな振動とカラカラ音が混じっていましたが、これはKUREのスーパーディーゼルトリートメントを注入したら改善してしまいました(爆)。


マニアック(爆)な部分ではまだミドリーヌ号が優位な気がしますが、ヘッドアップディスプレーや安全装備、8速ATなど車トータルでの普段使いではもう320dで充分、という印象でしたが、セダン同士だとまた印象は変わるかもしれません。実際MTのALPINA D3Biturboのクーペはかなり楽しいです。


320iと320dの比較だと個人的には320d推しですが、楽しみ方という部分ではエンジンのキャラクターの好みでしょうか。ディーゼルエンジンは低速から太いトルクが立ち上がりますから「トルクによる加速を楽しむ」走りになると思います。回転域としてはトルクピークにいたる部分までのトルクの盛り上がりが気持ち良いと思いますし、この部分を使う方が実質的に速い気もします。もちろんトルクピークから高回転側だと数値上はパワーは出ているのですが、エンジンの回りはやや鈍いのでガソリン車程の気持ち良さにはならない印象です。


これに比べるとガソリン車はダウンサイジングターボ化によって以前よりトルクは太ったものの、やはり低速域でのパワーやトルクのレスポンスは一歩劣る感じなので、回転をやや上げて伸びを楽しむ走りになると思います。性能曲線で言うとトルクピークからパワーピークの間を常に使う感じでしょうか。

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少し以前に作っていただいたグラフですが、自然吸気、ダウンサイジングターボ、ディーゼルエンジンを比較するとこんな感じです。自然吸気で楽しむなら回転域はトルクピークからレッドゾーンの間、ディーゼルなら低速から3000回転前後まで、ダウンサイジングターボならその中間を使うと気持ち良く走れそうです。


そういう意味では、この間メルセデスベンツのSクラスで乗らせていただいた新型直6は両者の良いとこ取りのような感じだったので、4気筒の普及クラスでも作ってもらえれば良さそうですね。
Posted at 2018/08/14 12:36:38 | コメント(2) | トラックバック(0) | 試乗インプレ | 日記
2018年07月31日 イイね!

なかなか良いですね…X2をチラ乗り

なかなか良いですね…X2をチラ乗り
ミドリーヌ号のカーナビが不調になってしまったので、修理に入庫のついでに新型X2の試乗をしてきました。本当はキャンペーンでM5に乗れるかと思いましたがやはり現車は無くて、試乗プレゼントの映画チケットはゲットしました(爆)。



試乗車はxDrive20iでM sportの19インチ仕様のようです。乗り込むとフル電動シートでポジションはぴったり合いましたが、アクセルペダルが微妙に角度が寝ていて、ミニバンのように上から踏み込む感じです。SUVなのでこうしたポジションかもしれませんが、ちょっとだけ違和感があります。


エンジンをかけるとガソリンなのでもちろん静かです。走り出しも滑らかで普通に走っていると8速ATはどんどんシフトアップして1500回転以下で走っていますが、そこからの加速も充分です。以前に代車で来た320iツーリングと基本同じエンジンですが、192ps/280Nmとほんのちょっとだけパワフルな上に40Kgほど軽くて4駆なので、こちらの方がダッシュ力があり好印象です。


19インチでも乗り心地は硬くなく、ちょっと走ったワインディングでも姿勢は安定していてコーナリングも楽しいです。


ペダルのポジションが微妙に合わなかった(乗り込んでいれば慣れるかもしれません)のと、Cピラーが太い上にリアガラスが狭いため後方視界がイマイチだったのを除けば特に不満はありませんでした。


X1と比べるとリアシートの頭上の余裕はやや狭いですが許容範囲ですし、ラゲッジルームも特に狭くなく、スタイルはなかなか格好良い上に車高も1535mmと立体に入ってくれるサイズなので有り難いです。ヘッドアップディスプレーや大きなサンルーフも選べますし、個人的には3シリーズのツーリングと迷うところです。


ただ、偶数シリーズに共通する欠点?でディーゼルモデルの用意がありません。これだけ出来が良ければ是非ディーゼルも用意してもらいたいですが、この点は本当に残念です。


車高が気にならなければディーゼルが選べる点でX1を取るか、スタイルと走りでX2を取るか、個人的選択としては微妙ですね。良いところ取りだとやっぱり3シリーズのツーリングかもしれません(爆)。


MINIでもあれだけディーゼルモデルが導入されているので、偶数シリーズにもディーゼルを導入して欲しいですね。
Posted at 2018/07/31 12:18:26 | コメント(3) | トラックバック(0) | 試乗インプレ | 日記
2018年07月18日 イイね!

これは高級ですね…直6のSクラスちょい乗り

これは高級ですね…直6のSクラスちょい乗り
引っ越ししてからなかなか車屋さんに寄る機会が無くなったのですが、久し振りにメルセデスのディーラーさんに寄って念願の直6エンジン搭載のSクラスに乗ってきました。



モデルはS450の標準タイプです。乗り込んでシートを合わせ、エンジンを掛けた…のですが始動したのに気付きませんでした(爆)。エアコンの音に消されたのかもしれませんが、さすがSクラス、全く振動もありません。


発進すると滑らかで力強いです。以前に試乗したディーゼルハイブリッドのS300hと同等かそれ以上の低速トルクの感じですが、S300hは静かながらも明らかにディーゼル音がしたのに比べるとかなり高級です。


そのままアクセルを多めに踏み込んでも滑らかなまま気持ち良く吹け上がり、簡単に6000回転以上まで回ります。レッドゾーンは6250回転のようで直列6気筒から予想するよりは回りませんが、力感を伴って回る感じは気持ち良いです。静かながらエンジン音も澄んだ感じです。


最近のディーゼルやダウンサイジングターボと比べると、高回転に向かってパワーが綺麗に増していく感じはやはり直6の気持ち良さです。どの回転域から踏んでもターボラグは感じませんでしたが、モーターアシストと電動スーパーチャージャーが効果的なのでしょう。体感的には4.5〜5Lの直6エンジン、といった感じです。


低回転では以前乗ったS300hはトルクは太いもののパワーは頭打ち感があり、エンジン音もやや粗かったのに比べると高級で高回転でのパワーもあって楽しいです。


また、同じ直6エンジン搭載の740iと比べると、エンジンの吹け上がりの軽やかさはBMWの方がやや上手な感じですが、エンジン全体の力量としてはモーターアシストや電動スーパーチャージャー搭載のS450の方が一枚上手で、740iを試乗した際の「これで充分速くて気持ち良いけれど、もう少しパワーが欲しいなぁ」という不満は感じませんでした。


ただ、車体の大きさや重さはSクラスなので、このエンジンがEクラスやCクラスに載ると大歓迎ですね。

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あと、久し振りにニコルの世田谷ショールームにお邪魔しましたが、新型XD3が置いてありました。アングルのせいでデコラインがほとんど写っていないので普通のX3に見えますね(爆)。

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オプションで22インチの鍛造ホイールも装着出来ますが格好良いですね。ただ、鍛造にするとセンターキャップ方式にはならないようです。

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B4Sも置いてありましたが、アルピナブルーで無くても格好良いですね。D3Biturboは受注終了との事でした。N57のエンジンなのでXD3やD5Sと違ってエンジン供給の関係でしょうか。


新型のB57型ベースになってディーゼルエンジンはややパワーダウンしてしまいましたが、新型の3シリーズのB3、D3はどうなるのか楽しみですね。

Posted at 2018/07/18 13:11:12 | コメント(5) | トラックバック(0) | 試乗インプレ | 日記
2018年02月17日 イイね!

これは良いですね…新型エンジンのCX-8チラ乗り

これは良いですね…新型エンジンのCX-8チラ乗り
昨年デビューしたマツダのCX-8、ミニバンに替わる3列シートでエンジンも新型のスカイアクティブディーゼルになり興味はありましたが、ちょっと乗る機会がありました。



乗り込んで見ると一番上のグレードだったので革シートはナッパレザーになっており、肌触りが柔らかくて高級です。シートポジションは高めでミニバンやSUVの感覚です。

エンジンをかけるとかなり静かで振動もほとんどありません。音質としてはやはりディーゼルなのですが、全く問題無い感じです。マツダの最上級車種なので遮音などもしっかり対策してあるのでしょう。

走りだすと低速からトルクが出ていてスムーズな走り出しです。CX-5に比べると200Kg前後重いはずですが、それを感じさせない低速トルクです。1500回転からでも充分なトルクで出ていて2000回転以上の領域にも素直に繋がっている感じです。

以前のスカイアクティブディーゼルもトルク感はありましたが、それが発揮されるのは2000回転以上で1500回転からのトルクは細くて使う気になれず、ATのセッティングもすぐに2000回転以上に回すような印象でしたが、今回のエンジンはシフトアップしても普通に1500回転から綺麗に加速し、ディーゼルエンジンならではの太いトルクがあります。1500回転未満に回転が落ちてもそれなりにトルクが発生していて、現行型が全く使えない領域だったのに比べると大幅の進歩に感じました。

2000回転以上の回り方もスムーズで、トルクもパワーも出ている感じは現行のスカイアクティブディーゼルと同様で好印象でしたが、高回転については街乗りオンリーの短い試乗コースでしたのでしっかり確認出来ませんでした。もっと乗り込んでみたいですね。

CX-8には昨今はやりの走行モード切替やマニュアル操作用のパドルは装備されていませんが、特に必要としないように感じる低速トルクとパワフルさでした。

ヘッドアップディスプレーがフロントウインドー投影型になっていて見やすいですし、ポジションが高くて視界も良いため運転はしやすいですが、ブレーキはやや効きがマイルドな感じがしましたが、車格や車のキャラクターを考えると許容範囲かもしれません。

3列目のシートもそこそこの広さがあり、しゅっちゅう多人数で乗る用途でなければ充分ミニバンに対抗出来る車だと思いました。

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ここからは新型スカイアクティブディーゼルがどう進化したかの考察になります。パワーは190ps/450Nmと現行のエンジンでもピークのトルクの絶対値は大きかったですが、これで馬力もトルクもヨーロッパ勢のエンジンと比べても同等かそれ以上になりましたね。

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現行型と比べると18000回転までの低速トルクはほぼ変わりなく、そこからピークまでのひと伸びがあるのと、高速側でもトルクが太っているのが分かりますね。3000回転からのトルクの落ち込み部分が改善されたのが、比較だと分かりやすいですね。

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燃焼の状態を現行型からかなり改良したようで、「急速多段燃焼」という手法だそうです。

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インジェクターからの噴射回数(現行の4回から6回に)や間隔を変更し、より効率よく綺麗に燃焼させる形式になっているようです。インジェクターもそのものも改良され、VOLVOのディーゼルに搭載され好評の、待ちに待った?デンソーの「i-ART」が採用されたようです。

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ピストン形状も噴射された混合気が上手く拡散されるような形状に変更されているようです。

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ターボにも改良が加えられ、高速側の大径ターボに可変ジオメトリーが装備されました。個人的にはちょっと疑問な部分なのですが、これで低速側の小径ターボとのつながりが良くなって、よりパワフルになったようです。

これらのこまめな改良が功を奏して、低速からパワフルでトルクもあり、パワーも増して全域で高性能になったのでしょう。それではヨーロッパ勢のディーゼルエンジンと比較するとどうでしょうか。

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いつものように大変お世話になっているこの方にグラフを作っていただきました。ヨーロッパ勢の4気筒ディーゼルエンジンと我が家のミドリーヌ号(4気筒ALPINA D3 Biturbo)との比較です。

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まずは低速トルクに絞って比較してみると、スカイアクティブディーゼルは大小二つのツインターボを採用している割には低速トルクの立ち上がりが遅く、絶対値もそれほど大きくありません。乗ってみると現行型からは大幅に低速トルクが増強している印象があるのですが、性能曲線上は現行型と変わりありません。

別格のミドリーヌ号は別とすると(爆)、ツインターボのVOLVOディーゼル、ターボが改良されたBNWの新型B47エンジンは低速からしっかりトルクを発生し、乗った感じも低速から力強い印象で、この両車に比べるとまだ及んでいない印象はありましたが、それでも現行型からは大幅に増強され、ほぼ同じくらいのレベルになった感じです。ツインターボのVOLVOとシングルターボのBMWの低速トルクの立ち上がりがほぼ一緒なのがちょっと不思議ですが、それだけB47エンジンのターボが優秀という証明でしょうか。高速域ではやはりツインターボのVOLVOの伸びが良いですね。

メルセデスの新型OM654エンジンはシングルターボで、セッティングの違いもあるのかどちらかというとエンジンの伸びが気持ち良く、先代のツインターボのOM651エンジンに比べるとディーゼルらしいトルクのず太さでは一歩ゆずりますが、これはこれでありだと思います。3000回転から3800回転のパワーピークまでは一番気持ち良い印象ですね。

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今度はパワーに関して高速側を比較すると、ヨーロッパ勢はほぼ同じ感じの馬力のカーブですが、スカイアクティブディーゼルは3000回転からのトルクの落ち込みがやや大きいために、そこからのパワーの伸びではちょっと頭打ち感があります。それにも関わらず高回転でも綺麗に回るのは、(今回のエンジンでは14.4:1に上がりましたが)ヨーロッパ勢に比べると低めの圧縮比のためだと思われます。現行型ではこの部分のパワーの頭打ち感がさらに大きかったですが可変ジオメトリー装備によって改良されたようです。VOLVOやBMWに比べてレブリミットも高いようで、そういう意味ではさらにスポーティーに回るようになったのでは無いでしょうか。この部分は次回に要チェックです(笑)。ここでもミドリーヌ号のトルクの落ち込みの少なさ、パワーの盛り上がりは素晴らしく、旧世代のエンジンなのに優秀なのはアルピナマジックでしょうか。

ここまで性能曲線を見ながら色々考えると、CX-8の新型スカイアクティブディーゼルが乗ってみて気持ち良くパワフルに進化した原因があまり見つかりませんが(爆)、元々スカイアクティブディーゼルがツインターボを採用しているのはPCCI燃焼で高価な触媒、尿素処理を不要にして全域で排ガス処理をするのが目的なので、低速トルクがやや細くて立ち上がりが遅いのも、そのためだと思われます。今回の改良でも低速トルクに全く変化が無いように見えるのはシステムとしてそういうエンジンなのでしょう。ヨーロッパ勢のエンジンではVGTは低速側の小径ターボに装着するのが常識なのにスカイアクティブディーゼルでは高速側に装備したのもそうした関連だと思われます。

それなのに、どうして低速でトルクが太ってパワフルにスムーズになったのかが結構疑問ですが、今回燃焼形態、ピストン形状、インジェクター、ターボへの可変ジオメトリー装備など、本当にこまめな改良(個人的にはほとんどフルモデルチェンジに近い印象です)によって実際に車両に搭載された際のトルクやパワーの発揮状態が理想に近い状態に大いに近付いたのではないか、と思います。現行型のスカイアクティブディーゼルはツインターボによるPCCI燃焼という技術的なブレークスルーはありましたが実際の燃焼状態はベンチ上の理想の状態にはほど遠かったのかもしれません。

それに比べると今回の改良型は実際に乗ると非常に気持ち良く、ヨーロッパ勢のディーゼルに劣る部分は全く無い印象でしたので、例えばFF同士の勝負であればVOLVOに充分対抗出来る出来だと思います。BMWやメルセデス・ベンツはFRだったりキャラクターの違いもありますし、ミッションも8速や9速ですので直接比較にならないかもしれませんが、FFのBMW2シリーズと比較しても充分魅了的で(個人的にはFRが好きなので)「18d」しかない2シリーズとの比較でしたら文句無しにマツダを選択します。エンジンに関してはヨーロッパ勢とがっぷり四つの印象です。

CX-8は燃料タンクが満タンで72L、おまけに4WDだと更に多くて74L!(通常は4WDの方が燃料タンクが小さくなります)なので、ディーゼルの燃費の良さも相まって満タンで長距離走れるのも魅力的ですね。実際に実走で東京から九州まで無給油で1100km以上走ったそうです。

CX-8での試乗でも魅力的でしたので、先日の改良で新型エンジンが載った(2月8日の発表で発売は3月8日からだそうです)CX-5は3列シートが不要な方にはとてもおすすめです。多分現行型のエンジン搭載車の安売りもあるかと思いますが、価格や納車の時期だけが目的ならともかく(それなら中古でもありかと)、旧型をこの時期に敢えて選ぶ理由は無さそうです。

早くこのエンジンがアテンザやアクセラにも載るといいですね。デミオにも載せて欲しいですがちょっと無理でしょうか。
Posted at 2018/02/17 12:18:15 | コメント(5) | トラックバック(0) | 試乗インプレ | 日記

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何シテル?   08/17 07:20
最近車を新調しました。小さくて速い車が好み でしたが、色々な事情で現在の車に乗り換え ました。速さ、楽しさ、便利さを両立させるのは なかなか難しいですが、...
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