最近のMotoGPではHONDA、YAMAHA勢の低迷が続いている期間が長いですが、唯一の日本人ライダーとして参戦していた中上貴晶選手が今季限りをもって現役ライダーからは引退し、来年からはHONDAの開発ライダーに就任するそうです。
今までのエースライダーだったマルク・マルケス選手は今年からはドゥカティに移籍し、最近やっと初優勝を遂げましたが、彼の転倒と負傷をきっかけにHONDAの凋落が始まったと言っても過言ではないでしょう。
そうした中でもトップカテゴリーのMotoGPで唯一の日本人として7年間参戦していたのは大したものだと思いますし、ポールポジションも1回取っているので、ここ数年マシンに恵まれていなかったのは残念ですね。
来年からは開発ライダーとしての仕事ですが、MotoGP経験者としての手腕を発揮して欲しいですね。KTMがダニ・ペドロサ選手を開発ライダーとして起用してから躍進した例もあるので頑張ってHONDAの復活に貢献して欲しいです。
それにしてもMotoGPは今や300馬力オーバーと言われていますし、バンク角も50度を超えていてもう一般ライダーには全く扱えないモンスターマシンになってはいますが、そうしたレベルでもトップライダーは更に絶妙なコントロールをしているようですね。
こちらの記事で紹介されていますが、ミシュランの二輪モータースポーツマネージャーを務めるピエロ・タラマッソによるとタイヤが一番グリップを発揮するのはスリップ率が12%から15%がベストらしいです。
フロントタイヤに関しても、深くブレーキをかけたままターンインし、フロントタイヤがすでにわずかに滑り始めているかどうかを“感じ”る事が大切らしいです。クレジットカード1枚くらいの接地面積の上にバンク角が50度以上という状態でどうやったらそんなタイヤのスリップ率を維持出来るのか本当に不思議ですが、スリップせずに乗ると最大のグリップが得られず加速が鈍ったり、必要以上にスリップさせるとタイヤ温度が上がってしまってグリップが落ちたり、と非常に繊細な領域でタイヤを使っているようですね。
おまけに最近ではエアロ関係のパーツが装着されていますし、加速向上のためのライドハイトコントロール装置もあり、単なるライディング操作以外でも色々複雑な操作が要求されるようです。
こうした性能を発揮させるためには優秀な開発ライダーが必要なのは間違いない感じですね。4輪だとシミュレーターを使ってある程度のフィードバックは出来るでしょうし、F1では専属のドライバーがチームに帯同している場合もありますが、2輪ではシミュレーター走行など無理でしょうし、本当に実車に乗っての開発が必要になるのでしょうね。
そういう意味では、中上選手には来季からの開発レーサーのお仕事でHONDAを立て直して欲しいですし、今季の残りも頑張って好成績を挙げて欲しいですね。
Posted at 2024/09/04 06:05:38 | |
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