昨日のCG TVはBMW M5とALPINA B5 Biturboの乗り比べという贅沢な(まあ、いつでも贅沢ですが)特集でした。
内容は大体予想が付いた展開でしたが、動力性能もほぼ互角、乗り味も大差なく価格まで(ベースは)全く一緒の両車をどう評価するするのか、かなり興味がありました。
自分が見たおおまかな印象としては
排気音は全般的にM5が大きめ
エンジンはほぼ互角だが、低速からだとALPINA B5の方がややトルクフル
サスペンションはM5の方がやや硬めだが、コンフォートモードとスポーツプラスの差が大きい感じ
といったインプレッションに思えました。結果、松任谷さんも田辺さんも乗り心地の良いALPINA B5を押していましたが、単に乗り心地だけの評価でしょうか。
M5の方はサーキット走行までを見据えたセッティングなので、スポーツやスポーツプラスモードは明らかに硬いようで、それと差を付ける?ためにコンフォートモードはALPINA B5と同等かやや柔らかくなっているようですね。
それに対してALPINA B5はコンフォートモードでもスポーツプラスモードでも差が少なく、全体的にM5よりややソフトなようです。
この両者の違いは、車の使われ方からきているもののような気がします。
そもそも
ALPINAは取り説にも書かれているように「それ相応の運転テクニックがあって、ものの分かったドライバー」向けのようです。そうすると、普段から滑らかな運転が出来る方には必要以上に柔らかいコンフォートモードは要らないので、コンフォートモードでもそこそこ引き締まったセッティングなのでしょう。
それに対してM5は、物凄い高性能とは言え不特定多数の人が買う事を想定しているので、サーキット向けのスポーツプラスモードが硬くても、コンフォートモードは一般車かそれ以上の快適性が求められるのかもしれません。
そして、スポーツプラスモードはステージを限定した使い方を考えているのでステアリングの手応えがかなり重くなると思われます。これは乱暴な運転をされても急ハンドルを切らさない役目も担っているかもしれません。
それに対してALPINA B5は非常に滑らかなステアリングで、ドライバーの技量をある程度信用しているようですから、スポーツプラスモードでもステアリングは必要以上に重くならないようです。
DCTと8速ATのセッティングでも、シフトの速度を優先してショックも出てくるDCTに対して、エンジン制御でショックを出さないALPINAのATと、ここでも考え方の違いが出ていますね。
ちょっと極端な例えをすると、
「サーキットやワインディング、高速では目一杯飛ばして、他では適当に流すMモデル」と
「自制の効いた走りでどこまでも駆け抜けるALPINA」
という違いを感じます。もしくは
「テクノロジーで勝負のMモデル 対 造り込みで勝負のALPINA」という印象もあります。
エンジンが同じV8ターボになった事で大きな違いは出にくいのかもしれませんが、BMWのMモデルとALPINAでは想定するドライバーのキャラクターが違うのかもしれませんね。
この違いは、V8自然吸気のM3と直6ターボのALPINA B3S Biturboだと更に大きいようです。
ALPINAの車造りとしては「非常に滑らかで緻密な車を作れば、過剰な演出は必要なく、それが分かるドライバーが乗れば非常に楽しめる」という方針に思えます。
刺激を求める方にはMモデルの方が楽しいかもしれませんが、何台も車を乗り継いできた方や、長距離を走る方だと条件が変わっても手応えが変わらず安心出来るALPINAの方に軍配を上げるかもしれませんね。
取りあえず、ALPINAのドライバーはこんな運転はしないでしょうね(爆)。
個人的には、どこまでも駆け抜けても疲れ知らずのALPINAのキャラクターに共感を覚えますが、これは趣味の問題でしょうね。
そういう意味では、一見ミスマッチに思えるALPINAのディーゼルモデルも意外と正解なのかもしれません。
次期F30型がベースになるM3とB3ではどちらも直6ターボが搭載されるでしょうから、どんな味付けの差が出てくるか、楽しみですね。
Posted at 2012/08/16 13:07:48 | |
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ALPINA D3 Biturbo | 日記