先日行ったマツダのディーラーさんから「スモーキーローズマイカのお車が入ってきました」とお知らせをいただいたので、見に行きついでにガソリンの13Sにも乗ってきました。なかなかこのカラーも綺麗でした。
先日試した通りにポジションは普通に合わせられましたが、ステアリングにチルト機構は付いていましたがテレスコピックではなかったのはちょっと残念でした。ペダルポジションは自然でアクセルも踏みやすいです。
走りだすと事前に予想した通りの1.3Lの自然吸気のフィーリングで、可も不可も無く、といったところです。最近のダウンサイジングターボに慣れた身にはちょっとトルクが細いかな、といった感じはありますが、特に不満という程でもありません。
車体の剛性もあるようで、コンパクトカーから予想するよりは乗り心地も良く、気持ち良く乗れる感じです。これでスカイアクティブディーゼル1.5だったら自由自在の加速で楽しいかもしれません。
ついででしたが、今回はアテンザのディーゼルにも乗せていただきました。エンジンをかけると「おっ、音質はアクセラと変わりないけれど、全然振動が伝わってこないぞ…」といきなり好印象。
走り出してみても感じは変わらず、振動は伝わって来ないまま綺麗に加速します。トルクの出方に関しては2000回転未満だとやや線が細く、先日乗ったアクセラと差はありませんが、振動がないのとATの繋がりが良い感じでかなり気持ち良く感じました。
冷静に分析してみると、やはり2000回転未満でのトルクの立ち上がりの細さ、高回転の伸びに対してパワーが付いてこないもどかしさは若干あるものの、「175ps/400Nmのディーゼルエンジン」と考えれば充分高水準だと思いますし、後処理無しの技術のディーゼルとしては出色の出来かもしれません。
これなら、価格差を考えるとBMWの320dとの比較でアテンザを選択してもいいのかな、と素直に思いました。やはり車格が違うとエンジンの印象も違うのですね。320dと523dで感じたのと一緒でした。
その後は、MINIの5ドアが無いかと思って初めてMINIのディーラーにお邪魔しましたが、実車はまだデビューしていなかった(カタログはいただきました)ので、MINI COOPER D CROSSOVERに乗らせていただきました。
シートは手動でしたが、ポジションは問題なく合いました。ボンネットのライトの峰が見えるので、1790mmの車幅も分かりやすいです。
エンジンをかけると、ミドリーヌ号ともスカイアクティブディーゼルともまた違ったディーゼルのアイドリング音で、振動も微妙に伝わってきます。この時点でちょっと興ざめです。
いざ走り出してみると、あまりトルク感がありません。確かに踏み込むと低速からのトルクのレスポンスはあり、ここに関してはスカイアクティブディーゼルよりも反応は良いのですが、肝心のトルクが出ていない感じで(スカイアクティブディーゼルはすっと2000回転まで上がる感じで加速力は明らかに上です)あまり加速しません。
もちろんそのまま回していってもパワーに盛り上がりもなく、単に回らないエンジンという印象でした。振動もそれなりにありました。
MINI CROSSOVERは車重が1410Kgとガソリンモデルより80Kg重く、その割にパワーは112ps/270Nmですが、明らかに役不足です。トルクとしては充分なはずですが、ディーゼル特有の加速感がありませんでした。ほぼ同じ車重の116iは136ps/220Nmですが、はるかにきびきびと力強く気持ち良く走ります。
もしかすると試乗車は走行距離20Km!のド新車でしたのでエンジンが全然こなれていなかった可能性はありますが(以前の経験からすると、2000Km程度は走り込まないと実力を発揮しないかも)、その点を割り引いても鈍い印象しか持ちませんでした。
本来このN47型エンジンはBMWのものを横置きにしたタイプでMINI COOPER Dは本国でいう「16d」相当のチューンのようです。MINI COOPER SDは143ps/305Nmですが、これは「18d」相当で、いずれも本来の「20d」の184ps/380Nmから大幅にデチューンしたタイプです。
ガソリンエンジンの場合はデチューンされた場合でも、レスポンスが良くなったり(328iと320i)、回す楽しみが出たり(118iと116i)しますが、ディーゼルの場合は単にトルクが減るだけでつまらない廉価版のエンジンになるだけなのかもしれません。
元々MINI CROSSOVERは車幅の点でセカンドカーの対象からははずれていたのですが、同じディーゼルでしたら価格の点を考えてもマツダのアテンザかアクセラにすると思います(もちろん趣味の問題はありますが)。でも、車そのものはステアリングもしっかりしていて乗り心地も良く、助手席の姫はリアシートですやすや寝ていたので、上出来な車とは思いました。
MINIのキャラクターを考えると、無理にディーゼルを積まなくても従来型のガソリンエンジンで充分に楽しくきびきび走るのでは、と思いました。もしディーゼルを積むなら3ドアか5ドアの方がきびきび走るでしょうし、CROSSOVERならSDか「20d」相当のチューンにした方が良い気がしましたが、新たな試乗をする気が失せたほどがっかりして「もうMINIのディーゼルは要らないなぁ」と思ったのは事実です。もしMINIに搭載するのなら、新世代のB型エンジンの3気筒版のB37型エンジンを搭載して適正なチューンをして欲しい…と思ったら、本国ではそうなっているようですね。
そう考えると、コンパクトカーのディーゼルはやっぱりデミオが大本命ですね。ますます早く乗ってみたくなりました。
それにしても、これらのディーゼル車からミドリーヌ号に乗り換えると差は歴然で、ディーゼルとは言え元々素性の良いBMWディーゼルを更にALPINAがチューンした(上にちょっといじった)だけの事はあるなぁ、と実感してしまいました。6気筒の新型ALPINA D3 Biturboについては、「もう絶品!」としか思えない出来でしたから、余程コストがかかっているのでしょうね。
Posted at 2014/10/05 00:02:02 | |
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