
一般のニュースになって自動車にあまり興味がない方にも知れ渡ってきたようですが、VWのディーゼル規制違反問題、かなり波紋を拡げそうですね。ディーゼルエンジンのファンとしてはちょっと悲しいです。
批判をするのは簡単ですが(もちろん擁護をする積もりは全然ありません)、技術的にどんな背景からこんな違反になったのか興味がありますね。可能性としては
(1)発売直前にNOx触媒の不具合が見つかったが見切り発車で当面はソフトウェア処理で誤魔化す事にした
(2)そもそもNOx触媒が所定の性能に達していなかったのにソフトウェア処理で誤魔化す事にした
(3)インジェクターの性能が低くて狙った燃焼が出来なかったのでソフトウェア処理で誤魔化す事にした
といった感じでしょうか。どれにしても許される事ではないですが、(1)の状態であれば品質向上のリコールで対処出来たはずなのに5年間もしらばっくれていたので、これではないようですね。
そうすると(2)や(3)の根本的な問題のような気もしますが、VWのような世界的企業がこんな小手先の技術で騙しおおせると考えていたとしたらちょっと不思議です。でも確かに5年間ばれなかったのですが(爆)。
こんな事は現場の一担当者やエンジニアの発想では無く、もっと大きな部門の責任者が関与していなければあり得ない状況(東芝の粉飾決算問題に似ている気がします)だと思いますが、今後の検証をしっかりして欲しいですね。
どうやら
ドイツ本国でも不正ソフトを使用していたようで、問題は欧州全体に拡がりそうな気配になってきました。これだけ広範囲の詐称がばれないと考えたのか、発覚時の影響を考えなかったのか、本当に不思議です。
現在のディーゼルエンジンは欧州向けや日本向けはEURO6をクリアーしているので(本当に規制に合致していれば)北米向けにも問題は無くなっているはずですが、アメリカは訴訟社会ですので問題は簡単には収束しないかもしれません。
他の側面を考えると「VWやAUDIがこんな事をしているのだったらBMWやメルセデスも怪しいんじゃない?」というドイツ車全体に対する不信感を世界中に与えてしまったのではという懸念と、ディーゼルエンジンそのものに対するダーティーなイメージを与えてしまったという部分もあり、罪は大きいと思います。
VW自身にとっても多額の損害賠償の可能性もあり噂のF1参戦どころでは無くなったでしょうし、モータースポーツ活動にも影響が出そうですね。日本国内的にはこれでディーゼル導入が遅れそうな気もします。
VWの自己検証と、他のドイツメーカーの自己チェックが待たれますね。そういう意味ではマツダのスカイアクティブディーゼルは結果的に株を上げたのではないでしょうか。
私もそれ程規制の数値や運転状態には詳しくないので、来月号の「 MotorFan illustrated」誌で緊急特集なんかやってもらえるとありがたいですね(爆)。
追記
現時点では一番詳細で信頼出来る記事をディーゼルフリークの清水和夫さんが書かれています。興味のある方は御一読を。当分これより詳しい一般記事は出てこないかもしれません。なんとUSパサートは尿素水処理システムなのに排ガス規制不正ソフトも搭載していたのですね。やっぱり罪が重そうです。
Posted at 2015/09/24 18:25:25 | |
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