
先日ニコンが新規の一眼レフカメラの開発終了を発表し、朝のNHKのニュースにもなりました。ちょっと残念ですが流石に時代の流れでミラーレスカメラに開発を注力して生き残りを図る戦略でしょうか。
以前にMFレンズの販売を終了した時のように「遅きに失した」とか、「まだ一眼レフを続けていたの」などという声も聞こえてきそうですが、それよりも、NikonFの時代から連綿と続いてきた「Fマウント」の終了という意味では感慨深きものがあります。
他のカメラメーカーが新基軸のカメラを出す度にマウントをどんどん変更していったのに対して(もちろん使える機能に制限はありますが)1959年デビューのNikonFが装着していたレンズが今でも使えるというのは驚くべき事です。Ai改造さえしてあれば60年前のレンズでも(一部制限はありますが)最新型のボディに装着出来てピンと合わせも絞り優先での自動露出も出来、写真も普通に撮れるのにはある意味びっくりですね。
自動車で言えば、最新型のモデルに60年前のホイールやタイヤがそのまま装着出来て普通に走ると思えば、これがどんなに大変な事かが分かると思います。これもNikonが既存ユーザーをどれだけ大切にしてきたかの証拠でしょう。
これだけの共用性を維持するために60年前のマウントの規格でどんなに苦労してきたかは、ミラーレスとしてデビューしたZマウントが一気に大口径で最短のフランジバックを採用してきた事で分かりますね。これに対して他メーカーは「最適なフランジバックはもう少し長い」だとか「口径がやや小さくても問題ない」とか言い訳していますが、Fマウント時代に散々ディスったしっぺ返しが来た感じです(爆)。
時代は流石にミラーレスカメラへと向かっており、一眼レフカメラとの2面路線では開発、生産、販売面などにもう限界と思われますが、逆に良くこの時点まで粘ってもらったものだ、とユーザーからは思えます。
現行の一眼レフカメラは当分生産継続のようですし、Fマウント用レンズもコンバーターでZマウントのミラーレスに使えるのでレンズ資産も無駄にはならないですし、そういう意味ではまだ手厚いフォローだと考えても良さそうです。
話は変わって自動車の分野でも来るべき総EV化に向けて各社各様の対応があるようですが、BMWとメルセデスベンツではある意味対照的ですね。
メルセデスベンツが新世代EVとしてEQS、EQEのような新世代のフォルムのEVをデビューさせ、それと同時にSクラス、Cクラスなどは従来路線で継続しているのに対して、BMWは7シリーズに象徴されるようにEVと内燃機関を共用するプラットフォームの路線で当面は行くようです。
メルセデスベンツは内燃機関系とEVのEQ系で明らかにフォルムが違うのに対して
BMWはサイドから見ると従来のフォルムのままですね。
それでしたら従来のままの顔付きでも良さそうなものですが、実際にはさらに巨大化したグリルと摩訶不思議?な二段構えのヘッドライトになっています。EVの顔としても内燃機関の顔としてもどっち付かずの印象です。
それではEV専用車のiXはどうかというと、やはり巨大なグリルですがもちろんEVなのでダミーです。ただの模様に過ぎません(爆)。
元々エンジン車の冷却用のグリルなのにその機能を果たしておらず巨大な模様になっている時点でBMWのアイデンティティとしてのキドニーグリルに意味はあるのかな、と思ってしまいます。
しかも、他のEVモデルのi4、iX3などはベースとなった4シリーズグランクーペやX3とほとんどフォルムが変わらず、加飾をちょっと変えただけに見えます。
運転席周りにしても上級機種ではiDriveは残っているものの運転席メーターは見にくいだけのデザインに成り下がっているように思えます。変化をもたらそうとしてドツボにハマっている印象です。
BMWといえば「駆け抜ける喜び」といったキャッチフレーズ以外にも、運転中に操作する色々な部分の質感や操作性にも気を配っていたはずなのに、そうした美点が失われているように感じてしまいます。
それよりはメルセデスベンツのEQSのようなコクピットの方が本当に未来的で魅力的に思えます。
BMWは次世代EV(電気自動車)用モジュラープラットフォーム「ノイエ・クラッセ」を2025年に発売を予定しているようですが、それらのモデルは現行のものとガラッと変わってしまうのでしょうか。
BMWが最近まで継続してきたキドニーグリルやホフマイスターキンクなどはある意味伝統の継承としてのアイコンだとしてそれを変革するのはメーカーのポリシーとして理解出来ますが、変化のための変化に陥ってしまっている印象もありますね。「ノイエ・クラッセ」になったらキドニーグリルなどは意味を持たないでしょうが、それでもBMWのアイデンティティとして残すのでしょうか。アウディはどう出てくるのかまだ不透明な感じですが、BMW路線ではなさそうですね(爆)。
ドイツ御三家に限らず、各社ともにこれからのEV専用のプラットフォームを基にした新車にどんどん置き換わっていくはずですが、Nikonのように既存ユーザーに寄り添ったもの造りをするのか、新規ユーザーに向けて旧機種は切り捨てるような変化をするのか注視したいですね。そういう意味では、これからのバッテリーの進歩、自動運転システムの進歩を踏まえると2024〜2025年にかけて新世代の車両がデビューするまでは様子見か、既存の楽しい車を買った方が後悔しない気がします。
Posted at 2022/07/19 06:39:19 | |
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