結構楽しみにしていたCG TVでのアルピナB3GTの試乗インプレッション、松任谷正隆さんはどのようなコメントをするかと思っていましたが、アルピナ好きで以前はB3 3.0/1にお乗りでしたが新型B3GTは「良く出来ているけれど…ある程度はアルピナマジックになってはいるけれどステアリングがちょっとザラっとするなぁ」というコメントでした。
でも「自分が乗っていたB3とエンジンは違うのに同じ音がする。高級な楽器のようですね。」とフォローしていましたね。
それよりはその後に乗ったポルシェのマカン4に感銘を受けたようで、「今日乗ったどの車より解像度が高い」と評価していました。曰く、「自分が持っている1億画素のカメラのようだ」という感想でEVのデジタル感が無くタイカンとは別物のようです。この点は
こちらの方の感想と一緒ですね。
B3GTについては運動性は上がったもののきめ細やかさに欠ける、という評価にはある意味非常に同感です。ちょうど初代ミドリーヌ号(E91 D3Biturbo)と新ミドリーヌ号(G21 D3S)との差もそんな感じです。初代ミドリーヌ号は非常に滑らかなステアリングの手応えで、箱替えまで約24万Kmずっと維持されていましたが、新ミドリーヌ号は4駆になったためか微妙に滑らかさに欠ける感じです。
今思い起こすと初代ミドリーヌ号は4気筒だったのでパワーはそれなりでしたがFRだったのでステアリングの手応えは滑らかな上に鼻先も軽かったので、本当にコーナリングが楽しかったです。それに比べると新ミドリーヌ号は車重も300Kg増えましたし、6気筒になった分鼻先も重いので、一体感に欠ける感じです。
乗り心地に関しても同様で初代ミドリーヌ号は納車時から良い乗り心地で、同時期のE90とは一線を画していました。非ランフラットタイヤなんだから当たり前、という側面もあるかもしれませんが、標準BMWだと新車から5000Km以上走って当たりがついて作動が良くなるのに対してその上を行く乗り心地を新車から発揮していました。こちらについては距離が伸びるにつれてダンパーの劣化は進みましたが。
新ミドリーヌ号も、アルピナの乗り心地を期待すると「思ったほど乗り心地は良くないなぁ」といった感触でした。もちろん標準BMWよりも良いのですが、初代ミドリーヌ号に乗った時のインパクトは無かったです。走行2万Kmを超えてやっとアルピナをイメージする乗り心地になってきた感じです。
E90から世代が進むにつれてサスペンションも電子制御で進化しているはずですが、アルピナの場合それ以前に部品の組み付けなどが高精度なために滑らかなステアリングの手応えや乗り心地を実現していたのでは、という印象です。E90のメカニカルな調整に対してG20では電子制御プログラムなどの煮詰めによってアルピナならではの滑らかさを実現している感じですが、それでも一歩及んでいないように感じるのは松任谷さんや私だけではないのでは、と思ってしまいます。
逆にいうとE90やそれ以前の車体の仕上げのクオリティのまま最先端の電子制御も加わればもっと緻密で高級な乗り味になるのかもしれませんね。
そういう意味では新型マカンはEVの電子制御が進化してアルピナの煮詰めに近い(か上回った)レベルまで到達してきたのかもしれませんね。ポルシェの方がスポーツカーメーカーとして車の造り込みや煮詰めは標準BMWよりは当然上でしょうから、そのレベルがとうとうアルピナの煮詰めを追い抜いてしまったのかもしれません。
そう考えると、アルピナのスタッフがいないBMWのアルピナブランドでは、マカンのレベルまで電子制御の煮詰めが出来ない可能性もあり、やっぱりアルピナは期待出来ないかもしれませんね。BMWとしては超高級ブランドを狙っているようですが、それならロールスロイスブランドに入れてしまってエントリーモデルにしてもいいのでは、と思ってしまいます。
Posted at 2025/03/18 05:59:44 | |
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