2012年、マツダとフィアットは新型2シーターオープンスポーツカーの開発、製造に関する協業について合意しました。そのニュースについてChief-Ringも
速報的に取り上げ、次期主力戦闘機の第一候補にと大きな期待を寄せていました。
それから約2年となる今月初旬、ベースとなるマツダロードスターの次期モデルが発表され大きな話題となりました。これはフィアット版がどうなるかを予想するうえで大きな手がかりになると思われていますが、種々の情報を総合するとこのオープンスポーツは「アルファロメオ」としてリリースされない、すなわち次期アルファロメオ・スパイダーではないということになりそうです。
その根拠として以下のことが考えられます。
1.アルファロメオのブランド再構築
アルファロメオはフィアットの傘下に入って以降、フィアットの1ブランドとしてモデル構成が行われてきました。フィアットにある技術的リソースに基づくモデル開発が前提とされ、特に近年ではそのことがアルファのブランド向上に限界を来たしているという状況があります。アルファロメオを少しでも知る人ならお分かりのとおり、アルファロメオは自動車の黎明期から数々のレースで戦績を収めその車両をベースにした超高級スポーツ車をメインとしたブランドを構成した老舗中の老舗であります。現在置かれているフィアットの姉妹ブランドという領域から脱却し、名だたるスポーツカーブランドに「格」を並べたいという思惑があるはずです。
そこで最近の4Cの開発がヒントとなります。シャシはアルファが独自に仕立てたもので、製造はモデナにあるマゼラティのファクトリーで行われています。エンジンこそフィアットの4気筒をベースにしていますが、徐々にフィアット色を弱め同じグループであるマゼラティのリソースを活用する方向へと進んでいるとも受け取れます。ちょうどマゼラティはギブリで新しく6気筒のエンジンとそれを搭載する後輪駆動のシャシを開発したところであり、その開発投資を早期に回収するには展開車種を広げて製造数を増やすことが求められます。アルファロメオへこのエンジンとシャシを供給することができればマゼラティにとってコストメリットが大きくなります。一方アルファロメオとしてもこのリソースを活用できるとなればセダン、ワゴン、クーペ、SUVと多様なモデルを展開する可能性が広がります。極東の遠い地からあえて2シーター専用シャシの供給を受けるよりラインナップの再構築ははるかに容易と考えても不思議ではありません。
6Cクーペ?(想像CG)
2.販売戦略
直近のアルファロメオ車の世界販売台数は約7万4千台ほどと10万台を維持していた近年のペースから大幅にダウンし、もはや低迷といっていい深刻な状況となっています。それを解決するためにアルファはアメリカへ販路を求める計画があるようです。現在アルファは米国に販売網がありませんが、フィアットがパートナーとなったクライスラーのネットワークを活用してアルファを米国でプロモートするというプランは現実性が高いと思います。ただしそれには品揃えが重要で、いま存在する商品群(Mito, Giulietta, 4C)ではあまりに弱すぎます。米国である程度の台数をさばくには少なくともミドルクラス以上のセダンおよびSUVは必須で、そのような車種を開発することがアルファにとって最優先事項となるはずです。ブランドイメージを高めるための看板車種としてスポーツカーはあったほうが望ましいものの、すでに4Cがリリースされ、またそれをベースにしたオープン「4Cスパイダー」のデビューが予定されている今となっては新たにもう一つのスパイダーよりセダンとSUVが欲しいところでしょう。
4Cスパイダー
3.フィアットブランドの事情
フィアットは「500」、「パンダ」を中心として台数を上げ、認知度が高まってきました。アルファ同様フィアットもブランドイメージをさらに高めたいという意図があるはずです。今でこそカジュアルな乗用車のイメージが強いですが、過去には850スパイダーや124スパイダーと常にオープンモデルを設定していましたし、近年ではバルケッタというイタリアらしい小粋なオープンを持っていました。「アバルト」復活でスポーティイメージを期待するという向きもあります。マツダが開発した新型ロードスターのシャシは歴代の中でも特に軽量コンパクトなものに仕上がったということから、むしろアルファより小型車を中心に展開しているフィアットにこそ適しているという見方ができます。そして「アバルト」ブランドにも適用できればまさに一石二鳥ということなのかもしれません。
フィアット124スパイダー
バルケッタ
上記のことは既報となっているアルファロメオ/フィアットの中期計画から読み取ったものです。フィアットグループが供給を受ける次期ロードスターのシャシはフィアット/アバルトのブランドで開発、販売されるというのが濃厚と見られます。
中期計画:アルファロメオ
中期計画:フィアット
そうなればこんな感じや
こんな感じの
アルファスパイダーはマボロシとなるのでしょうか、、とにかく
Chief-Ringが以前掲げた次期車両プランは変更ですね 苦笑
【2014.12.21追記】
上記のことを裏付ける情報として最新の記事を見つけました。
こちら
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2014/09/18 19:57:30