
プリウスの部品工場
【写真説明】
調印後、握手する多摩川精機の萩本範文社長(中央)と三村申吾知事(左)と種市一正市長
デーリー東北より
「トヨタ『クルマ街道』を行く」連携と競争、地域の力を底上げ
トヨタ自動車グループによる国内各地への工場進出をきっかけに、部品だけでなく技術や人材など幅広い面で地域同士が結び付き始めた。トヨタが通る「クルマ街道」の視界の先には、中国やロシアなどユーラシア大陸も入る。カーアイランドを標榜(ひょうぼう)する九州も、他地域との連携を軸にした戦略を描き直す時を迎えた。
梅雨空に晴れ間が見えた2006年6月下旬。愛知県東海市にある貨物駅に全長100メートルを超す“トヨタ専用”プラットホームが姿を現した。10月から三河地方で生産した自動車部品を子会社の関東自動車岩手工場(岩手県金ケ崎町)近くの盛岡駅に運ぶ。
玄界灘の潮の香りが漂う北九州貨物ターミナル駅(北九州市)。関門鉄道トンネルを抜けた名古屋発の貨物列車がゆっくり構内に滑り込む。トヨタ系部品メーカーが三河地方で生産した自動車部品が、ここから高級車「レクサス」を増産するトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)など九州北部の車両工場に運ばれる。
北へ南へ――。トヨタは愛知県・三河地方での一極集中生産の見直しに動き始めた。北海道・苫小牧や岩手、九州北部で車両や部品を増産する。東海地震対策や人手不足のためだが、三河発の列車の終着駅は国内とは限らない。
トヨタは今夏、シベリア鉄道を使った自動車部品輸送を試みる。行き先は2007年末稼働のロシア工場(サンクトペテルブルク市)。船積みする港も本拠地の三河、名古屋港だけでない。「苫小牧や仙台は使えないか」。トヨタの描く兵たん地図には北海道・東北からロシアへ、九州から中国へのルートが新たに下書きされている。
・・・・・・・
列島改造。元首相の田中角栄は新幹線や道路などインフラを整備し、高度成長の恩恵を日本列島の隅々にまで浸透させようとした。だが、地価高騰など副作用も大きかった。国内生産拠点を分散しようとするトヨタの動きは意図せざるクルマ版列島改造といえる。
東北ではトヨタOBが奔走する。2006年5月1日、トヨタで車両設計や生産現場を歩んだ萱場文彦(58)が宮城入りした。宮城県産業技術総合センター副所長の肩書で、宮城県内の企業に製品開発を指導する。
実は宮城県知事の村井嘉浩(45)は2005年10月の当選後、トヨタに「宮城の活性化のため副知事を派遣してもらえますか」と自民党幹部らを通じて要請した。トヨタの回答は「NO」。理由は「上からモノを見る人ではなく、生産現場を知る人材を出します」。萱場は学生時代を東北大で過ごした縁もある。
東北では関東自動車工業が岩手工場で車両生産能力を今期中に年30万台に倍増。これを機に岩手と隣県の宮城、山形の3県が広域連合を組み自動車産業集積に動く。ただ、品質や価格などトヨタの要求水準を満たす企業は少ない。萱場は宮城を車のハイテク開発基地に育てようともくろむ。任期は5年あるが「最初の2、3カ月が勝負」と赴任後すぐに10社以上を回った。
三河でもトヨタOBが東北の自動車振興を後押しする。トヨタ車体顧問の佐藤越郎()のもう一つの肩書は山形県自動車産業ディレクター。2005年10月末、山形県知事の斎藤弘(48)が愛知を訪れ、山形大出身の佐藤に就任を直談判した。
佐藤が注力するのは8月末に山形県が岩手、宮城と3県合同でトヨタ本社(愛知県豊田市)で開く商談会の展示指導だ。山形の出展企業に対し「有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)はトヨタの関心も高い。もっと目立つコスト低減を」と時には山形入りして助言する。
「トヨタは地球儀を見ながら仕事をします」。佐藤は山形の企業経営者に語りかける。自らタイで生産した金型をアルゼンチンの工場に持ち込んだ経験から「他国にない技術があればトヨタは日本からどの国にも運ぶ」と自動車参入を促す。半面、「九州など他地域では調達できない高付加価値の技術がないとトヨタは動かない」と甘いムードにくぎを刺す役目も忘れない。
・・・・・・・
機械や電気部品製造業がひしめく長野県諏訪地域ではトヨタをテコに業容拡大する企業ある。
航空機や機械部品を製造する多摩川精機(長野県飯田市、萩本範文社長)は、ハイブリッド車「プリウス」に不可欠な部品を全量供給する。モーターの回転角度を検出しエンジン駆動とモーター駆動を円滑に切り替える特殊なセンサーだ。
プリウスで築いた地位を資本に今では海外メーカーを含むすべてのハイブリッド車に搭載され、世界シェアは100%。自動車業界関係者に「多摩川精機なしでハイブリッド車生産は考えられない」と言わせる存在だ。
トヨタは「2010年グローバルビジョン」で日本を「ホームグラウンド」と位置づけた。空港など日本の地域振興はインフラ投資に頼ってきたが、新たなクルマ街道の胎動は地域に自立を促し地域産業の姿を変える起爆剤ともなる。 (敬称略、06/07/05)日経ネット九州版より
多摩川精機
創設は1938年、東京都蒲田にて、萩本博市が当時つとめていた会社を独立するという形で創設、創設後まもなく、萩本博市の地元である長野県飯田市に当時の政策による軍需工場の疎開による分散化と同時に、当時農業中心であった飯田地方を発展させるため、飯田工場(現在の本社・第一事業所)を開設、その後現在でも長野県飯田市を中心とした地域と、1991年に同じく地域振興のために、青森県八戸市を拠点として、地元企業の海外進出が著しい時期に発した「海外不進出宣言」によって、地域密着、地域振興を会社創立当初からの目的として活動をおこない、現在も飯田市を中心に行われている「地域ぐるみ運動」の中核を担い、また飯田市と地域振興に関するパワーアップ協定を交わし、地域密着起業として活動をおこなっている。
創立当初は、製品のほぼすべてが軍需であったが戦後、オリジナルのタッピングマシーンを筆頭に、技術開発を進め、現在は売り上げの多くを民需製品が占める。特に角度検出分野に強く、巻き線によって絶対位置を測定するレゾルバでは、すばる望遠鏡をはじめとした望遠鏡や、宇宙開発分野等でも使われる、実力値0.030"rmsという非常に高い精度で高信頼性の角度検出システムや、ハイブリッドカーに不可欠の角度センサの分野では、VRレゾルバ(商品名シングルシン)ですべてのハイブリッドカーのメーカに採用され、2007年3月現在、世界シェア100%を誇る。
経営はほぼ一族経営の世襲、株式は非公開で安定した経営を目指すとされる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2008年8月23日 (土) 02:49。より
多摩川精機が三沢に進出 自動車部品を生産(2008/03/20)
精密機器製造メーカー・多摩川精機(本社・長野県飯田市、萩本範文社長)が三沢市の三川目工業団地内に同社八戸事業所三沢工場(松澤重利工場長)と、同工場の製造部門となる子会社・多摩川モバイル電装(大久保茂社長)を開設する。同社と青森県、三沢市は十九日、同市役所で立地基本協定を締結した。今秋からハイブリッド自動車や電動パワーステアリングなどを電子制御する角度センサを生産する。
青森県内の工場としては八戸事業所、福地工場に次いで三番目。調印式では、同社の萩本社長と三村申吾知事、種市一正市長が文書に署名した。
三沢工場は、旧日立電線三沢工場の敷地(約八万二百平方メートル)と建物(約五千七百平方メートル)を活用して整備する。今月末にも工場内の改装を始め、今夏に長野県飯田地域にある生産拠点から製造ラインの一部を移設する。
同工場と子会社合わせて約四十―五十人体制で操業する計画。当面は月産十万台から始め、初年度の売り上げは約六億円を見込んでいる。萩本社長は三沢市への進出理由について、八戸市に生産拠点があることを挙げた上で、「地震など自然災害へのリスク回避が狙いだ」と説明している。
デーリー東北より
以上の三つの記事から、多摩川精機三沢工場はプリウスの部品工場のような状態のようだ。現行のプリウスは2005年11月1日マイナーチェンジしている。それ以降の記事であるから、その角度センサを使っているようだ。その全量をこの会社が受注している。リスク回避の点では工場分散はいいことだ。アイシンの火事での製造停止みたいことががないように祈りたい。
レンタリース店ではこの秋に、プリウスを増備した。レンタリース店のCM流してから大量に入れているらしい。それで増産しているのか、三沢工場の進出の助けになっている。
プリウスが来年モデルチェンジ・カローラ店ネッツ店でも販売が始まるが、新型の部品も受注しているのだろう。新型プリウスも楽しみである。
写真は春のものである。右の市長・種市さんは全中・全国農業協同組合連合会の会長もしたことがある、元組合長だ。政治力プンプンだね・・・。
28日晩3台、今朝3台、プリウスが多いね。
ブログ一覧 |
車全般 | クルマ
Posted at
2008/11/30 15:09:01