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2008年12月19日

策を誤った?北陸本線の交流電化

策を誤った?北陸本線の交流電化 交流電化発祥の地の50年
策を誤った?北陸本線の交流電化(2008/11)

写真・北陸本線終点の直江津に到着した419系列車 直江津も直流電化エリアだが デッドセクションはトンネル区間を避けた平坦地の糸魚川付近

 以上のように、北陸のローカル列車を概観してみると、純枠な新車が入ったのはつい最近で、それまでは改造車ばかりであり、現在も主体は格下げ改造車にと言える。特異さにおいて群を抜く419系は出入口も狭い折戸で、地方とはいえおよそラッシュ向けではなく、同類の715系は、仙台地区でも九州でもけ引退して久しい。じつは, このことが、北陸本線と交流電化の現在の立場を象徴しているのかもしれない。
 かつては地上設備がローコストで設置できることをメリットとして、地方幹線に交流電化が導入された。当時の幹線電化が、蒸気機関車を置き換える目的で推進されたことに注意しなくてはならない。しかし、その特性を発揮した交流電気機関車の活躍場面はやがて急速に縮小に向かった。一つは貨物列車が減ったことであり、旅客も優等列車が電車・気動車に移行したからである。国鉄の交直流電車は、直流電車に交流機器を追加したものとなったから割前につき, 普通列車は電車にはならず、機関車を交流電機に替えただけの客車列車か気動車で運転された。これは、東北本線など他の交流電化区間でも同様であった。また、その後の合理化の一環で機関車基地が統廃合されたことや機関車付け替えの手間を省くことも、交直流車両によるロングラン運転を加速した。
 以上のように、北陸のローカル列車を概観してみると、純枠な新車が入ったのはつい最近で、それまでは改造車ばかりであり、現在も主体は格下げ改造車にと言える。特異さにおいて群を抜く419系は出入口も狭い折戸で、地方とはいえおよそラッシュ向けではなく、同類の715系は、仙台地区でも九州でもけ引退して久しい。 じつは,このことが、北陸本線と交流電化の現在の立場を象徴しているのかもしれない。
 北陸本線の電化が計画された当初から、たんなる一本線で信越本線も直流電化であったことと、技術面での不安から交流電化には反対論もあったようだ。国鉄全体を考えれば、 この交流電化はさまざまな貢献を果たしたことになり、その成果は新幹線にもつながったしかし、ここだけが交流電化の飛び地となったことで、特急からローカル・貨物まで交直流の車両を多数用意しなければならない事態となったことは、現在の北陸本線にとっては厳しい情勢と言わぎるを得ない。
 また,交流車両の特徴的技術が、その後、直流車両にも反映された結果、両者で性能の差異が縮小されたことも交流電化のメリットを薄めた要因と言われる。典型は粘着の問題であり、直流車両も電気機関車のバーニヤ制御、そして半導体の進化とあいまって電車のサイリスタチョッパ制御の時代ヘと進み、さらに交流誘導電動機をVVVFインバータにより制御する時代となって、交流電車 が有利とはいえない情勢となり、直流電車と交流電車に存在した性能・運用面での有意差が消えてしまった。
 一例として、JR発足後の電化で直流方式を選んだ七尾線に回答が見える。仮に、北陸本線の沿線なので単純に交流を選ぶとする。すると電圧が高いので、絶縁確保のために地上構造物との離隔も大きく取らなければならない。既存の道路橋や跨線橋の下を線路が通る場合、その構造物を作り直すか、路盤を下げる工事を施さなければならない。広域的に交流エリアが形成されていれば、分岐支線を直流で電化することなどありえない選択だったろうが、どのみち交直流車両が必要な路線ならば・・と、直流が選択されたものと思われる。機関車ではなく電車を主力し, 大都市圏からの直通運転や短編成で列車本数を確保するという前提に立つと、もとより交流電化を選択することにメリットはない。
 そして、北陸本線には、もう一つ、見方によっては最大の課題が横たわっている。それは北陸新幹線であり、現在は長野―金沢間の建設が進められている。北陸新幹線が開業すると,特急列車が新幹線に移る変化はもちろんのこと、北陸新幹線に平行する在来線は第三セクターなどに分離されることが、建設の前提として合意されている。また金沢以西については、福井県武生界隈にあたる南越への早期着工が運動されている状況にある。JR西日本としては,新幹線の事情がもっと煮詰まってこない限り、北陸本線における新型車両などの計画も、具体的には進めがた状況にある。このような意味で、北陸本線は他線との車両の融通もきかず、今なお経年40年といった国鉄型車両を使わざるを得ない状況とにある。大きな変化は、2014年度末と予定される北陸新幹線の金沢開業まで待つのだろうか。
 かくして、交直両者が混在する在来線においては直流電化に圧倒されたような交流電化であり、国鉄動力近代化の旗の下で華々しく咲いたものの、今や宙に浮いてしまった感もある。だが、最後に記すと新幹線は事情が異なる。新幹線の速度とパワーレベルでは、在来線と比較にならない大きな電力量が必要で、直流では饋電線も架線も破格に大きいものが必要になる。送電系のラインが太くなるのと同じ理屈でバンタグラフも増やさなければならない。
 交流が必要になる速度域は,160km/h超とされている。特急「はくたか」が160 km/h運転を行う北越急行は直流電化だが、架線を二重化して並行させるなど、大都市鉄道的な重装備で大電流に対応している。160km/hという速度は,直流の限界から導き出された速度でもあるそうだ。

 鉄道ジャーナル'08・11月号特集「交流電化50年」より

 北陸新幹線・長野-金沢の工事が盛んである。ということはJR西日本にとって「北陸本線・金沢-直江津」を早く何とかしたいのは分かる。この電車419系はある意味寿命が気になるわけである。前後が直流で東海道本線でないにしても物流大動脈であるわけで。さらに整備新幹線着工で敦賀以南に集中したいのだろう。関西-敦賀の新快速乗り入れて在来線は活性化されそうだ。
 富山県の自治体も相当、三セク化に強い反対があったそうで、八戸の場合と同じである。現在の運営三セクに払う貨物調整金などの並行在来線の経営支援を強化する案を出したのだろう。
 でも金沢以南を急ぐ必要があるだろうか、将来地元にツケが残りそうで。こまち車両の300km/h超化やフリーゲージトレインの開発、リニア新幹線の進捗で進めても遅くはないのではなかろうか。
 130km/hの北陸本線、160km/hほくほく線。立派な線路である・・。
ブログ一覧 | 交流電化 | クルマ
Posted at 2008/12/19 15:46:50

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この記事へのコメント

2008年12月19日 22:55
北陸は趣味的には非常に良いのですが、一般の目で見るとお古の巣窟なのでしょうね。
結局、JR西日本の看板特急である雷鳥(サンダーバードもある意味雷鳥です)ですら485系。 全盛期の12両には及びませんが、塗色もそのままの9両。今となっては「堂々の」と言ってもよいでしょう。こんな古い車両でも湖西線では130km/hで爆走している(はず)です。

ただし、同じように交流電化である九州や北海道、東北は新しい車両がどんどん新製されているのですから、北陸に入らないのはJR西日本の考え方だけだろうと思います。 JR西日本の車両の吊り広告に環境対応の一つとして「Repair=古い車両を修繕して使う」というようなことが書かれたモノがありますから。
コメントへの返答
2008年12月20日 7:12
車両も40年くらいが耐用年数かと思う。583系は大部痛んでいるのではないかと。「はつかり」は最後は貫通扉を溶接して開きませんでした。485系も時期的に来ているかも。青函トンネルでは140km/hでなかなか。
JR西日本には山口県が九州と結びつきがあるから、同じ交流60ヘルツの交直流車両を量産できると思う。新幹線・新下関-博多南もJR西日本であることだし少なくとも小倉までは営業区間ではないか。

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