
省エネボイラ新設へ
パルプの黒液燃料、132億円投資計画
C02年間7万㌧削減(2009/7/17)
写真・新ポイラの建設など大型の設備投資を検討している三菱製紙八戸工場
三菱製紙の主力工場である八戸市の八戸工場の二酸化炭素(C02)排出量削減と省エネルギー対策を強化するため、同社が2012年をめどに182億円を投入し、新ボイラの建設を検討していることが16日、分かった。木材パルプの製造過程で出る「黒液」を燃料とする回収ボイラを計画している。さらに、排水の嫌気処理で生成したメタンガスの燃料化や大量に使用する水のリサイクルなど節水対策も行う方針だ。
削減するC02の年間排出量について、黒液の回収ボイラで7万㌧、メタンガスの燃料化で4千㌧以上、節水対策で1万㌧を想定している。
黒液は樹脂が主成分。化石燃料の代替エネルギーとして、製紙業界で注目を集めており、別の製紙メーカーも既にボイラ燃料として活用している。
メタンガスの生成には、黒液の燃料化処理に伴い発生する化学的酸素要求量(COD)の高い排水を利用。嫌気処理して発生するメタンガスの利用を検討している。投資額が高額なため今後、費用対効果を精査する。
節水対策は、環境負荷の低減とコストダウンの両立が狙い。八戸工場で大量に使用する水を効率的に管理し、ポンプの電力使用料の削減や水の持つ熱を有効活用する計画。
将来的に紙製品1トン当たりの水使用量を、50~60トンから20トン以下に削減する。今後、八戸工場で具体策をまとめ、09年中に投資を開始したい考えだ。
八戸工場は年間出荷額が約1千億円で、同社の国内出荷額の5割以上を占める。中期経営計画「ポストフェニックスプラン」では、インフラ強化を戦略課題に掲げている。
同社広報担当は取材に対し、「八戸はメーン工場であり、集中的な設備投資を鋭意検討している」と述べ、新ボイラ建設などに前向きな姿勢を示した。
デーリー東北より
八戸臨海鉄道は三菱製紙八戸工場のためにできたようなもの。終点の北沼駅もここの専用線しか接続していない。北沼駅は産業道路沿いに立地し、隣に空き地のような所もあるので「完全貨物取り扱い駅」化しそうなものだが。自動車の陸揚げ・配送場もあるので条件が良さそうだ。
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Posted at
2009/07/17 18:18:20