
激震 原子力 -福島第1原発の衝撃
(3)下北半島は今(2011/05/05)
写真・東京電力東適原発1号機の建設現場。工事再開のめどは立ちでいない=東通村
厳しい寒さに包まれた2月の下北半島。観光客がまばらな時期にもかかわらず、むつ市、大間町、東通村周辺の宿泊施設は軒並み満室で、季節外れの活況をみせていた。
当時、東北電力東通原発1号機は定期検査中。東京電力東通原発1号機、大間原発、使用済み核燃料中間貯蔵施設でも、建設工事が行われていた。
工事関係者による宿泊需要の急増。むつ市旅館組合の村山則子組合長は「ホテルの部屋では足りなくて、アパートを紹介するくらいだった」と振り返る。
だが、東日本大震災が発生した3月11日を境に、状況は一変。工事が中断され、宿泊施設は今も空室が目立つ。
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4月21日、下北地方の商工関係団体の代表者が、電気事業者を相次いで訪問。震災で中断した建設工事の早期再開などを求めた。
「原子力と共存・共栄してきた、下北地域の産業振興のため早期に着手してほしい」
むつ下北地区商工会連絡協議会長の駒嶺剛一・風間浦村商工会長は、安全対策の徹底を前提とした上で、地元商業者の切実な思いを訴える。
東京電力福島第1原発の事故が収束をみない中での行動。「なぜ今なのか」という懐疑的な反応も広がった。
だが、地元は地域経済の停滞に危機感を募らせる。今後、本格化する観光シーズンへの影響を懸念する声も。
震災の余震が頻発していたころ、村山組合長は下北を訪れたことがある首都圏の女性に言われた。「そこ(東通村)にも原発があるでしょ」。原発に対する冷ややかな視線を垣間見た気がした。
「原子力に助けられている部分もある。とにかく、お客さまに『下北は安心です』と言えるようになってほしい」。村山組合長は祈るように語った。
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核燃料サイクル施設がある六ケ所村に隣接し、原発も立地する東通村。両施設に伴う電源立地地域対策交付金を活用し、2009年度は計10億円の事業を実施した。同年度までの交付金の累計は220億円を超える。
事業者からの多額の固定資産税も、村にとっては貴重な収入源。原発が雇用を生み出し、工事関係者らの入り込みによる経済効果も享受してきた。
一方、今回の原発事故で、リスクと隣り合わせの現実と、原発に左右される地域経済の危うさを再認識させられる事態に。恩恵はかすみ、住民の胸には複雑な思いが募る。
「ここでも事故が起きたらと思うと怖い。個人的には原発は嫌だ」。家族とともに同村内で旅館を経営する40代の女性は、揺れる気持ちを明かした。
デーリー東北
こちらの写真が
一面トップの写真と思った方もいたかもしれない。
定期検査中は新築工事中より"かなり少ない"と思ったが、そうでもないようである。現在の浜岡原発を本気で改修しようとすると、震災以前の下北の活況が生まれる訳である。ただ、今はこれからの決定が無いため、動いていなく、動けない。
逆に、福島第一原発の関係者は、
数年前から取りかかればと思ったにちがいない。そうすると、下北の工事は後回しにされたと思うが・・・。
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検証・東日本大震災 | ニュース
Posted at
2011/05/13 10:59:52