
写真・青森県の原子力安全対策 より
激震 原子力 -福島第1原発の衝撃
(4)県の対応(2011/05/07)
青森県内に原子力施設を持つ電気事業者が相次いで安全対策を公表する中、県は4月28日になり、県独自に安全性を検証する専門家委員会を設置する方針を明らかにした。
「県民の安全、安心のために、安全対策を独自に厳しく検証することが必要だ」
同日の定例会見で三村申吾知事は委員会設置の意義を強調した。
5月2日の県庁。県内で施設を稼働、建設する5事業者を集めた場でも、県側は「安全なくして原子力なし」と訴え、万全を期すよう事業者に強く求めた。
だが、その言葉を口にしたのは蝦名武副知事。4日前に原子力安全への強い意思を示した三村知事の姿は、その場になかった。
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福島第1原発の事故以降、県内に原子力施設を立地する事業者と県に、反核燃団体、市民団体は相次いで建設中止を申し入れた。
その中で、団体側が「県独自に検証を行うべきだ」と指摘したのに対し、県側は「なかなか難しい」などと回答し、慎重姿勢を取り続けてきた。
それが一転、唐突とも思える委員会の設置表明。県側は「検討の途中だった」と説明するが、核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会の沢口進代表は「県は事故を真剣に考えてきたのか。対応が遅きに失した感は否めない」と厳しく指摘した。
委員会の構成に関しては「国の方針を追認するだけなら、今までと何ら変わりはない。原子力に慎重な意見を持つ専門家も入れるべきだ」と訴える。
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委員会の設置時期や、何をどうやって検証するのかが現段階では見えない。県内では東日本大震災以降、多くの施設で建設工事が中断している。検討の結果次第では再開に影響しかねないが、結果を受けて県がどこまで踏み込んだ判断を下すのかも不透明だ。
担当部署となる県原子力施設安全検証室は「委員会に権限を持たせるのではなく、あくまで検証の強化だ」と、歯切れが悪い。
原子力施設の立地自治体も戸惑いをにじませる。
大間原発の建設が進む大間町の伊藤健一企画経営課長は「検証する委員会の位置付け、県の意図が分からない。地元への情報提供もない」と漏らした。
福島の事故で、国や事業者は安全対策、規制の不備について反省を口にした。では、「安全確保を大前提に、国策に協力」してきた県の対応に、省みるべき点はなかったのか。
独自の検証を掲げ、主体的な取り組みを鮮明にしたい県。だが、県民の厳しい視線は、国や事業者だけではなく、県にも向けられている。
デーリー東北 より
福島県は結果的に原発の現状を容認していたことになるだろう。休止中だったとはいえ、東北東通第一・核燃料再処理工場に被害は無かったようである。青森県が建設に時間を掛けたことが、今のところは吉と出ている。その青森県が慌てている状態からも、今回の大震災の大きさは安全想定を越えていることは明らかだ。静岡県は浜岡原発に時間を掛けるのは当然だ。
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Posted at
2011/05/13 11:55:31