
検証・東日本大震災「復興への課題」
(5)栽培漁業 (2011/09/16)
【写真説明】
岩手県栽培漁業協会種市事業所で再開されたウニの種苗生産作業。来春の放流を目指す=1日、洋野町種市
岩手県内随一のウニの水揚げを誇る洋野町。東日本大震災の大津波で大量のウニが流失したほか、漁船や加工施設が損壊し水揚げが激減、かつてない苦境に立たされている。
同町にある岩手県栽培漁業協会種市事業所は今月からウニの種苗生産を再開したが、放流してから漁獲するまでには3~4年はかかるため、その間の水揚げ確保が大きな課題として浮上する。
地域を挙げて取り組んできた「つくり育てる漁業」の復活に向け、町はまさに正念場を迎えている。
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種市事業所は「ウニの生産基地」として、毎年約260万個の種苗を生産し、県内各地の漁協に出荷してきた。だが、津波で種苗600万個が流失し、生産設備も大きな被害を受けた。
三陸海岸でも有数の良好な生産基盤として知られる人工増殖溝には、土砂やがれきが流れ込んだ。町は早期復旧に全力を注ぎ、6月中には増殖溝を復旧させたが、今季のウニの漁獲量は昨シーズンの2割程度の約9トンにとどまった。
同町の玉川浜漁協では、ウニの殺菌施設が全壊したため、ことしは殻付きのみの出荷にとどめ、より高値で販売できるむき身の出荷を見送った。
板垣宏治組合長は「来年までに施設を整えなければ、収入が途絶える漁業者も多くなる。出稼ぎという流れもあり得るだろう」と厳しい表情を浮かべる。
町内の各漁協では9月以降、沖にいるウニを増殖溝に移す作業に取り組んでいる。「肝心のウニがなければ話にならない」と板垣組合長。来年以降の漁獲量の確保に、わずかな望みを託す。
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高級食材の「干鮑(かんぽう)」として、中国や韓国向けに高値で取引されているアワビ。町内のダイバーらによると、多少の移動はあるものの、被害は比較的小さいとみられ、11月から始まる「口開け」に期待する漁業者も多い。
種市南漁協の野田明敏業務部長は「収入が減った分、アワビに対する思いは強い。どこまで補うことができるか」と話す。
一方、アワビの種苗を生産し三陸沿岸の各漁協に供給してきた、大船渡市にある同協会種苗栽培センターは大津波で壊滅。放流再開の見通しは立っていない。
漁業者に不安が広がる中、同協会はウニだけを扱ってきた種市事業所で、アワビの種苗生産も手掛ける構想を描いている。
実施時期を含めて詳細は未定だが、種市事業所が三陸沿岸の栽培漁業の復興拠点となり得る構想だけに、箱石和廣所長は「大船渡の復旧が遅れている分、やるしかない」と表情を引き締める。
デーリー東北
母が健在の時は度々、山田町船越からホタテが送られてきたものだ。陸奥湾のよりは美味しいと個人的には思っていたのだが・・。
八戸にはB級グルメにせんべい汁、A級グルメにアワビとウニのお吸い物「いちご煮」がある。いちご煮は一杯千円だったが・・。もちろん結婚披露宴に振る舞われるが。
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Posted at
2011/10/07 19:22:15