
レクサス、新型「GS」を発売
2012年1月26日 13時30分
写真・GS450h
レクサスは、GS450h/GS350をフルモデルチェンジするとともに、パワートレーンラインアップのスマートサイジング化を図り新たに開発したGS250を設定した。全国のレクサス店を通じて、GS350/GS250を1月26日より、GS450hを3月19日より発売する。
今回の新型GSでは、日本発『真のグローバルプレミアムブランド』として、レクサスの新たなステージを切り開くという強い意志のもと、以下の3点に重点を置いたクルマづくりを行った。
1.一目でLEXUSとわかる先進かつ洗練されたデザイン
▽次世代LEXUSフェイスを象徴する『スピンドルグリル(*1)』
▽走りを予感させる、踏ん張り感あるスタイリング
▽量販車において世界最大(*2)の12.3インチ高精細ワイドディスプレイや、
第2世代リモートタッチ、LEXUS初のアナログクロックなどを備え、
素材やディテールにこだわった先進的かつ品格ある室内空間
2.エモーショナルな走り
▽『意のままにクルマを操る楽しさ』を追求し、LFAで培った最新技術を
もとに一新したLEXUS専用のプラットフォーム
▽ニュルブルクリンクをはじめとする世界各国の道で100万kmをはるかに
超える走り込みを行い、徹底的に鍛え込まれ、進化した走りの基本性能
▽走行シーンに合わせて選択可能な「ECO」「NORMAL」「SPORT S」
「SPORT S+」の4つ(*3)の走りを実現するドライブモードセレクト
▽LDH(*4)を備え、LFAを頂点とする“F”の走りのテイストを継承したスポーティ
バージョン“F SPORT”
3.ハイブリッドを軸とした先進・環境技術
▽次世代D-4S(*5)とアトキンソンサイクルを採用した新開発3.5L・V6エンジン
「2GR-FXE」とFRハイブリッド技術の組み合わせにより、さらなる進化を
遂げた『レクサス・ハイブリッド・ドライブ』
・V8ガソリンエンジンに匹敵するエモーショナルな加速感をともなった楽しい走り
・従来型比約40%向上となるJC08モード走行燃費18.2km/L(*&)の低燃費
今後レクサスブランドの方向性を象徴するクルマとして、デザイン、走り、先進・環境技術を高次元で実現した新型GSを皮切りに、今後もレクサスは、日本発『真のグローバルプレミアムブランド』としての独自価値を具現化した商品・サービスを提供していく。
(*1) スピンドルグリル:レクサスの独自性を継承した逆台形のアッパーグリルに、
台形のロアグリルを組み合わせた形状のグリル。
空力・冷却などの性能向上を活かした造形とし、今後のレクサスフェイスの
方向性を示唆
(*2) 2011年12月現在。 トヨタ自動車㈱調べ
(*3) GS350“I package”、GS350、GS250“I package”、GS250は「ECO」
「NORMAL」「SPORT」
(*4) LDH:Lexus Dynamic Handling system。GS450h“F SPORT”、
GS350“F SPORT”(2WD)に設定
(*5) D-4S:Direct injection 4stroke gasoline engine Superior version
(*6) 国土交通省審査値。GS450h“version L”、GS450h“F SPORT”で
ムーンルーフを選択した場合は18.0km/L。10・15モード走行燃費(国土
交通省審査値)では20.5km/L
[ 提供元:GAZOO.com編集部 ]
【レクサス GS 開発ストーリー】レクサス専用のプラットフォーム
2012年1月25日(水) 21時00分
間もなく発表される新型レクサス『GS』は、本気でジャーマン3(メルセデスベンツ、BMW、アウディ)に立ち向かうべく基本から見直されたモデルだ。
「そろそろ自分たちも本気で良いものを作ろうという空気が出てきたのです」と話すのはGSの動的評価を担当した車両実験統括部プロジェクト開発推進室主任の伊藤俊則さん。
「これまでは、結果として良いところ悪いところはあるものの、トータルで見ると、差が大きかった。自分たちも実際に出来たクルマに乗るとその差は認めざるを得ないところでした。メルセデスペンツ、BMWに勝っているかといわれたら、残念ながら……」と悔しさをにじませる。
なぜできなかったのか。「いままではレクサスはやりたいがトヨタがやりたくないからできませんでしたという話が山のようにありました。『マークX』や『クラウン』は国内モデル。対して『IS』やGSは欧州などで限界に近い車速まで走るので、当然ニーズも違ってくるのですが、これまではひとつのプラットフォームだったので出来なかったのです」。
そこで、今回はプラットフォームを新規作成、特にリアは全く新しいもので、ベースからもう一度見直し、そのうえでボディ剛性を上げた。因みにこのプラットフォームは次期『IS』にも使うという。「トヨタ車には使わないし(コスト面で)使えないのです」。
レクサスならではの味について伊藤さんは、「例えばメルセデスベンツを一言で表せと言ったら、重厚感。BMWは走りのイメージがあります。そこで、GSもこういったキャラクターみたいなものを作ろうと思いました。具体的には“切れの良さ”。特にステアリングの切れの良さや、クルマそのものの切れの良さで、そこを感じてもらえると嬉しいですね」という。
「メルセデスやBMWはここまでの切れはないでしょうし、(彼らの)ステアリングなどの操作感は、重いか軽いかといわれると重いのです。そこでGSはあえて軽めにしました。それは軽快感も出したかったし、ステアリングを切った時のクルマがコーナーへの入るときの人の感じ方に大きく関係する。軽すぎると不安に感じるので、そのあたりは程よくバランスを取りました」と語った。
《レスポンス・内田俊一》
【レクサス GS 開発ストーリー】リアのボディ剛性が“キモ”
2012年1月25日(水) 16時15分
新型レクサス『GS』は、欧州、特にドイツメーカーの競合モデルと互角に渡り合う走りとなった。
「BMW『5シリーズ』やメルセデス『Eクラス』に乗っている人にぜひ乗ってもらいたい。また、レクサス『LS』に乗っていて、自分でも運転してみたいという方にも乗ってもらいたいです」と話すのは、GSの動的評価を担当した車両実験統括部プロジェクト開発推進室主任の伊藤俊則さん。
競合車と互角の走りを開発していくうえで、重要視したのは何か。「それはボディ剛性です。特にリアのボディ剛性。そこをしっかりさせないと何も始まらないと思いました」といい、「特に今回はBMW5シリーズを意識しました」とする。
「これが出来なければ、このプロジェクトはないというくらいの気持ちです。どれだけサスペンションを見直しても、リアがしっかりしていないと全く駄目。レクサス全体の弱点でもあります。新世代からここはしっかりやらなければという課題が明確だったのです」とその意気込みを語る。
具体的にリアの剛性を高める方法は、リアのスポット溶接の間隔を短くし、数を増やすことだ。伊藤さんはやればよくなることは分かっていたが、社内事情で難しかったと振り返る。しかし、このGSから走りは変えるんだという強いメッセージを社内に発信し可能となったのだ。
その結果、「クルマの安心感が全く変わりました。それはまっすぐ走るときもそうだし、ブレーキを踏んだときもリアがぶれたりすることがなくなったのです。安心してブレーキを踏むことが出来るということはその分速く走ることが出来るのです」。
最後に伊藤さんは、「やっていることはそれほど新しいことではなくベーシックなことですが、それをやるかやらないかで最終的なクルマの出来が全く違います。コストやスポットを打つ機械の能力もありましたが、とにかく新しい機械を入れてでも、新しいレクサスを作るんだという意気込みの成果です」とする。
「今までは『クラウン』や『マークX』と同じボディがベースだったものを、レクサスの専用ラインでレクサス専用のボディにしようと全社的に方向が一緒になったことが一番大きいですね」と嬉しそうに語った。
《レスポンス・内田俊一》
【レクサス GS 開発ストーリー】独ブランドと互角に戦えるセダン
2012年1月25日(水) 12時45分
日本のレクサスとしては初めてのモデルチェンジにあたる新型『GS』は、海外競合メーカーと同じ土俵に立てる実力を備えたモデルだという。
「今回はデザインとパッケージをすべて見直し、マイナスイメージを一切払拭すること」それが一番に考えた事だと話すのはレクサス本部製品企画チーフエンジニアの金森善彦さん。
落第点だけを直すことになりかねないが、まずはBMW『5シリーズ』、メルセデス『Eクラス』、そしてアウディ『A6』と同じ土俵で戦えることが重要だと考えたのだ。その要件がデザインとパッケージだとする。
金森さんは、「走行性能はユーザーが走って評価してもらって楽しいか楽しくないかです。しかし、闘う土俵に上がるためのチケットはデザインとパッケージ。そこが成立して初めてショッピングリストに乗って、走行性能を試してもらえるのです」。
具体的には、「現行のマイナスポイントのパッケージ、それは後席の居住性とトランクスペースでした。それらを解決したうえで、つまらない3BOXセダンのスタイルではなく、魅力的に感じるスタイルにしたいということ。ここがスタートポイント」だという。
金森さん自身もボディ設計出身ということで、自分でパッケージを何十種類も書いたそうだ。「ちゃんとしたパッケージのクルマがあって、そのうえで派生車のクーペライクセダンを作るなら良いが、それが無くて、いきなりクーペライクセダン(つまり現行GS)では駄目なのです」。事実、ジャーマンブランドも、基軸のセダンをきちんと持ちつつ、その派生車としてクーペライクセダンを作っている。
そしてそのデザインは個性をより強く出した。「半分保守的なところがある日本では、本当にいいのかという懸念がありました。しかし、トヨタブランドだと少し抑えたと思いますが、レクサスは攻めに行くべきだ」とし、「100%の万人受けするデザインを作ったら、多分プレミアムブランドとしてはつまらない。嫌う人がいてもいい。しかし、好んでもらえる人のためにあえてこれで頑張ろうと。好き嫌いで選べるということが大事なのです。万人受けするクルマは『クラウン』や『カローラ』。そこがトヨタブランドとレクサスの違いなのです」と語った。
《レスポンス・内田俊一》
【レクサス GS 開発ストーリー】チャレンジは“Theセダン”
2012年1月29日(日) 13時00分
レクサスから発表された新型『GS』はこれまでのクーペライクなデザインから一転、正統なセダンに生まれ変わった。
デザインを担当した、デザイン本部レクサスデザイン部主幹の稲冨克彦さんはこの変化に対し、「今回はまっとうなセダンですが、チャレンジしているつもりです」と話す。
なぜなら、「歴代GSは、呼び方は違えども、必ずチャレンジしているクルマだと思うのです。今回は“Theセダン”の中でスピンドルグリルに初めてトライしたり、走りをさらに強化したりしていますので、チャレンジ精神を持ったクルマというイメージを持っているユーザーには喜んで頂けるでしょう」。
同時に、「これまで、GSはちゃんとしたセダンじゃないと思っていたユーザーたちは来てくれると思います」と、新たなユーザー層への期待もある。
そもそも、初代にあたる『アリスト』は当時としては圧倒的にロングキャビンで、クーペライクではなかった。「即ち、色々な提案が出来るのです。そこで、今回はBMW『5シリーズ』やメルセデス『Eクラス』と真っ向勝負です。これまでは、彼らから少し外したところで勝負をかけていましたが、今回は同じ土俵でガチンコ勝負するつもりでやりました」と気合を見せる。
パッケージに関しては、「彼らはセダンを作るのがうまいですね。ちゃんと乗れるものを作って、広いねといわせています。ただ、彼らは徐々に大きくなりました」。しかし、GSはサイズアップはほとんどしていない。
「今回は全幅を20mm増やしていますが、タイヤの張り出しに使っただけ。コーナリングのために使ったのです。よく日本車は全幅いっぱいにドアパネルを広げますが、横方向に関してGSは不満が無いと考えているので、走りに徹するためにワイドトレッドにし、それを吸収するために意匠枠としてもらっているのです」。ドア全幅よりもホイール全幅の方が広いのだ。
稲冨さんは、「素直にタイヤが寸法通り出ているのです。真正面から見るとヘッドライトのわきにフェンダーのフレアが見えています。なかなかここまで出ているのはないでしょう」と笑った。
《レスポンス・内田俊一》
それじゃ、初代のように「マジェスタ」の兄弟車・同格の車にアップしたのかな・・。