
写真・「トヨタ 86」と「86シンボルマーク」
《撮影 内田俊一》
トヨタ 86、欧州では「GT86」
2011年11月28日(月) 11時45分
トヨタ自動車が27日、先行公開した小型FRスポーツカー、『86』。その欧州仕様には、若干異なるネーミングが与えられる。
これは26日、欧州トヨタが明らかにしたもの。欧州での86の車名は、『GT86』とアナウンスされたのだ。
車名以外では、ハンドル位置を除いて、欧州仕様と日本仕様の基本的な違いはない。直噴2.0リットル水平対向4気筒ガソリン「D-4S」エンジンは、最大出力200ps/7000rpm、最大トルク20.9kgm/6600rpmを発生する。
GT86は、欧州では2012年夏に発売。欧州トヨタはその車名の由来について、「トヨタのGTカーの歴史と、名車『カローラレビン』(AE86型)に敬意を表したもの」と説明している。
《レスポンス・森脇稔》
トヨタ86 北米仕様がサイオンからデビュー
2011年12月1日(木) 16時57分
11月30日、東京モーターショー11でワールドプレミアされたトヨタ自動車の新型FRスポーツカー、『86』。その米国仕様が、トヨタの若者向けブランド、サイオンからデビューを飾った。
これは米国トヨタ販売が11月30日、ロサンゼルスで開催した特別イベントで披露したもの。トヨタ86の米国仕様、サイオン『FR-S』の市販モデルが初公開されたのだ。
このサイオンFR-S、トヨタ86との違いとして指摘できるのは、フロントバンパー。バンパー開口部は、中央だけでなく両サイドもメッシュで仕上げられている。
メカニズム面は、トヨタ86と共通だ。直噴2.0リットル水平対向4気筒ガソリン「D-4S」エンジンは、最大出力200ps/7000rpm、最大トルク20.9kgm/6600rpmを発生。トランスミッションは、6速MTと6速ATが設定される。
サイオンFR-Sは、米国では2013年モデルとして、2012年春に発売。ロサンゼルスのお披露目会場には、トヨタ『2000GT』や『スポーツ800』、『カローラレビン』(AE86型)などの名車が用意され、トヨタスポーツの血統がアピールされていた。
《レスポンス・森脇稔》
【トヨタ 86 発表】FT86コンセプトとの違い
2012年2月6日(月) 17時31分
2009年の東京モーターショーに出品された『FT86コンセプト』から2年強、いよいよ『86』が4月6日から発売される。コンセプトカーと量産仕様のデザインはどう違うのだろうか。コンセプトはFF的、量産型はFRを主張するという。
デザイン本部トヨタデザイン部グループ長の古川高保さんは、「よく似ているねと言われるのですが、モノトーンで見てもらえると全然違うことがわかってもらえるでしょう。あちこち変えているのですよ」と述べる。
全体のプロポーションは「(FT86コンセプトは)正直FF的なプロポーションだったのですが、86はFRをアピールしたいので、そのようにデザインしなおしています」。
それ以外にも、「フラットなエンジンフードによって、フレアの盛り上がりが見えるようになっています」という。これはサイドビューから(つまり外からの目線)のデザインではなく、ドライバーがシートに座って、フロントフェンダーとリアフェンダーを見えるように意識した結果だ。「最初からそれは考えていました。つまり、人馬一体、人車一体と感じられるよう、運転することを想像しながらデザインしたということなのです」と語る。
そして、古川さんは86への想いをこうも話す。「僕はクルマ好きです。昔、あるクルマ(トヨタ以外のクルマ)に乗っていた時に、坂道でブレーキが抜けたことがあって、サイドブレーキとギアで何とか止まった経験があるんです。でも、壊れてもそのクルマが好きで直して乗りました」と自身の経験を踏まえ、「いまは、壊れたからもう嫌だと手放すことも多いですね。しかし、所有することの喜び、それを大事にしてほしいのです。そして、直してももっと乗り続けたいと思わせるクルマを造りたかったのです」と笑う。
古川さんは86のシンボルマークも手掛けた。(シンボルマークを)数字でデザインするのはトヨタでは初めてということもあり、86のデザインは本当に難しかった。ある時丸を描きながら8と6を入れていっていたら、4輪に見えてきたのです。これは使えると、4輪がドリフトしているような感じで86を描いたのが、今回のエンブレムなのです」とした。
《レスポンス・内田俊一》
【トヨタ 86 発表】4月6日発売、価格は199万円から
2012年2月2日(木) 16時08分
トヨタ自動車は2日、第42回東京モーターショー2011にプロトタイプモデルとして出展した、小型FRスポーツ『86』を4月6日より発売すると発表した。
86は、ドライバーの感覚ひとつでいかようにも取り回せる「手の内感」や、操る楽しさを体感できる「直感ハンドリングFR」をコンセプトに、世界初の「水平対向・D-4S」パワーユニットをフロントミッドシップに搭載。世界唯一の水平対向エンジン・超低重心FRパッケージを採用することにより、従来のスポーツカーとは別次元の走りの楽しさを追求する。
新開発の水平対向・D-4Sエンジンは、最高出力200psを発揮するとともに、空力性能にも優れたフォルムや軽量化との相乗効果により、13.4km/リットル(JC08モード)の低燃費を実現する。
グレード体系は、標準グレード「G」に加えて、プロジェクター式ディスチャージヘッドランプ、17インチ専用アルミホイール、本革巻きステアリングホイール・シフトレバーノブ・パーキングブレーキレバーおよびスポーツアルミペダルなどを標準装備する上級グレード「GT」、「GT」の装備に加え、本革×アルカンターラのシート表皮、リヤスポイラーなどを装備する「GT“Limited"」、レース競技などのベース車として最適なカスタマイズグレード「RC」をラインアップ。
ボディカラーは7色、インテリアカラーはブラックとレッドの2色を設定。価格は199-305万円。
また、86の発売を期に、専門スタッフを中心にオーナーとともにスポーツカーカルチャーを地域に根付かせる専門ショップ「AREA 86」を開設することも合わせて発表した。
《レスポンス・纐纈敏也@DAYS》
【トヨタ 86 発表】『モリゾウ』豊田社長、「スポーツカーは絶対に無くならない」
2012年2月2日(木) 20時17分
豊田章男社長は2日に幕張メッセで開かれた『86』発表会にレーシングスーツ姿で登場、司会者の「今日はレース活動での愛称であるモリゾウということでいいですね」との呼び掛けに「はい。クルマ大好きのモリゾウです」と応じた。
モリゾー氏は、トヨタの量販スポーツカーが2007年の『MR-S』で途絶えていることについて「ここ十数年の間に、トヨタのスポーツカーは次々にドロップ(撤退)した」とし、「そのことを真摯に反省しながら86を開発してきた」とアピールした。
また、「100年前から移動手段は馬からクルマに代わっていったものの、ホースレースはまだ続いているし、乗馬も楽しまれている」とし、「クルマにおいてもスポーツの世界は絶対に無くならない」と強調した。そのうえで、社長就任以来、社内に訴え続けている「もっといいクルマ」づくりを、「トヨタはこれからも続ける」と述べ、最後はトヨタ社長としての決意を表明した。
《レスポンス・池原照雄》
【トヨタ 86 発表】スポーツカーは薀蓄と遊び心だ
2012年2月3日(金) 15時00分
トヨタ『86』のデザインコンセプトは“ネオ・ファンクショナリズム”である。
デザイン本部トヨタデザイン部グループ長の古川高保さんは、「ネオ・ファンクショナリズムというとかっこいいですが……」と笑いながら、「要は、“低く、楽しく、美しく”。これしかないと思いました。本当にクルマ好きの人に、低いクルマで、楽しく運転して、美しいと思ってほしいのです」と話す。
しかし、この“美しい”という言葉は当初、“官能”という言葉を使っていたが、女性には抵抗があるかもしれないという気遣いから変更した。
「普遍的な官能美とか、造形のきれいなところがあると思うのです。そのあたりは社長からもよく言われまして。社長からは、“いつまでも愛されるクルマをデザインしてほしい”と宿題を出されました」
「次いで、“スポーツカーは薀蓄と遊び心だ”と。そういうキーワードを社長からもらって、自分たちもさらに考えて、あちらこちらに仕掛けを入れました」(古川氏)。
その例として、「普通スポーツカーのフロントグリルはメッシュがハニカムパターンやクロスメッシュなどでしょう。しかし、実はこのクルマ、トヨタの“T”字型になっているのです。要は日本の独創的なデザインである、欄間や家紋などの幾何学的なモチーフをうまく使って、トヨタのTをうまく使ってみようとトライしました」。そして、それを外観で表現したので、内装も統一した。「そういうところがこだわりや遊び心なのです」。
インテリアを担当した、デザイン本部トヨタデザイン部グループ長の遠山正起さんも、「メーターの中の模様は、フロントグリルのモチーフを取り入れています。他にも、ヒーターコントロールの周りや、シートの背中の部分の一部、助手席前のパネルなどで表現しており、これは、このクルマのひとつの統一性。走行とは関係のない、遊び心です」。他にも、マフラーの内径は“86”パイで、開口部のデザインはシフトハウジングと同じモチーフとなっている。
遠山さんは、「デザイナーとしては、スポーツとして重要なところは押さえながら、こういった遊べるところで遊ばせてもらいました。苦労はありましたが、楽しんで作ることが出来ました」と語った。
《レスポンス・内田俊一》
【トヨタ 86 発表】日本のメーカーなのに言葉が違う!
2012年2月3日(金) 11時30分
トヨタが4月6日から販売を開始する小型FRスポーツ『86』。これは既報の通り、富士重工業(スバル)との共同開発である。
トヨタ自動車デザイン本部トヨタデザイン部グループ長の古川高保さんは、任命当初から製品企画本部製品企画の多田チーフエンジニア(86の開発指揮者)とともに、「パッケージから富士重工とはガンガンお互いにやり取りをしながら作り上げました。本当に面白かったですよ」と語る。
その面白かった例として、同じ日本の自動車メーカーなのに言葉が違うことを挙げる。「使っている言葉が、話しているとどうも合わないのです。図面のデータの基準が違うのはわかりますし実際に違っていました。しかし言葉が違うのです。そこで、お互いに使っている言葉で部品名を挙げて、比較して初めて、あ、それはこの部品だったんだと」。
古川さんは、「まるで外国人とやっているようなものでしたけど、面白かったですよ。当然文化が違うので、クルマ作りの話などをたくさんしました。ただ、良いクルマを作ろうという志はもちろん一緒でしたから、力を合わせられたのです」と本当に楽しそうに語った。
《レスポンス・内田俊一》
【トヨタ 86 発表】スポーツカー本来の味を出すために
2012年2月4日(土) 14時25分
トヨタから4月に発売される『86』は、スペシャリティカーではなく、スポーツカーとしてデザインされた。
インテリアデザインを担当した、デザイン本部トヨタデザイン部グループ長の遠山正起さんは、まず、「86はスポーツカーなので、従来のクルマ作りをやっていたのでは、スポーツカーユーザーに笑われちゃうぞと考え、最初は色々なクルマに乗って勉強しました」と開発当初を振り返る。
また、遠山さんは『セリカ』(T200系)のインテリアを担当したことがあるが、「(セリカは)スペシャリティカーなので、雰囲気でモノ作りをしていました。しかし、86はスポーツカーですから、走りにとても重要な、ステアリング、シート、メーター、シフトなどのパーツが、スポーツカーとしての機能をアピールする意匠を目指しました」とする。
その一例としてステアリングホイールを挙げ、「昨今のステアリングは、各種ステアリングスイッチが付いています。しかし、86はスポーツカーですから、純粋に運転を楽しんでもらうことを考えると必要ないでしょう。さらに、軽量化にもなります」とし、この視点から、必要のないものを出来るだけ排除し、スポーツカー本来の味を出していると語った。
《レスポンス・内田俊一》
確かに、例えば、
トヨタ店 ・・・『FR-S』
トヨペット店・・『GT86』
カローラ店・・『レビン』
ネッツ店 ・・・『トレノ』
と行うと、にぎやかでも混乱の元になるかもね。
やはり、"トヨタ86"に統一して、同じイメージにした方が良いのでしょうね。
でも、ネッツマークに『FR-S』を付ける方が絶対いるはずである・・。