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2020年02月09日

引退迫る国鉄185系電車

引退迫る国鉄185系電車 踊り子 新幹線リレー号…引退迫る国鉄185系電車「特急形兼近郊形」の思想持つ車両とは
 2020.02.02 児山 計(鉄道ライター)

【写真】
・(上)「踊り子」での活躍も2021年まで。185系の引退は、JR東日本の定期特急列車から国鉄型が消滅することを意味する(2017年5月、児島計撮影)
・(下)かつての特急「あまぎ」を思わせる塗装になった185系(2014年10月、児島計撮影)

特急「踊り子」などに使われる185系特急形電車。東京と伊豆を結んで40年、塗装や座席を変えながら「シュプール号」や「新幹線リレー号」、またお召列車としても走り、近郊形の役割も担いました。どんな車両だったのでしょうか。

■特急形でもあり近郊形でもある 前代未聞の国鉄電車185系

 JR東日本の185系特急形電車が、2020年3月のダイヤ改正以降、老朽化により順次置き換えられます。

 185系は、特急形としても近郊形としても使える車両として国鉄時代の1981(昭和56)年に登場しました。以来、東京と伊豆を結ぶ特急「踊り子」などに使われています。
 国鉄の車両は特急形、急行形、近郊形、通勤形といったカテゴリーに分けられ、それぞれ車内設備や性能を違えて造られています。たとえば、特急形は長距離を高速で走るため、座席は進行方向を向いたクロスシート、空調を完備し窓は固定、といったものが一般的です。
 しかし185系はその原則から外れた車両でした。特急形は長距離を移動する列車、近郊形はときに定員の2倍近い客を乗せる列車です。ふたつの異なる需要をひとつの車両で実現するのは、国鉄にとって前代未聞のことでした。
 185系は、特急列車としても普通列車としても運用できるよう、ドアの幅は特急形の700mmから、大人2人が並んでも乗り降りできる1000mmに拡大。座席は回転クロスシートではなく、背もたれを動かして向きを変える転換クロスシートになりました。さらに座席の幅を可能な限り詰めることで通路の幅660mmを確保し、車内の流動性をよくしました。
 窓は、定員を大幅に超えて利用することを想定し、換気の観点から開閉可能に。冷房装置の横には、外気取入送風機を取り付けています。
 しかし何よりも乗客にインパクトを与えたのは塗装です。白いボディに3本のストライプが入った塗装は、一目で185系とわかる大きな特徴になりました。

■特急、普通、「シュプール号」、お召列車にも

 185系は1981(昭和56)年3月に急行「伊豆」で暫定使用を開始。10月から特急「踊り子」で運用される一方、当初の計画通り普通列車にも使われました。しかし、デッキ付きの185系ではラッシュ時の普通列車運用には無理があり、ラッシュ時を外した運用で使われました。また、1982(昭和57)年には東北新幹線の大宮駅暫定開業に合わせ、上野~大宮間で新幹線連絡専用列車「新幹線リレー号」としても走り始めました。
 ほかにも185系は、上野~水上間の「谷川」や上野~前橋間の「あかぎ」など、東北本線や高崎線で200kmに満たない短距離の運用に就きました。国鉄はこれを「新特急」と命名し、さらに50km以内で自由席の利用ならば、急行と同じ料金で利用できるようにしました。
 ラッシュ時の運用に難があるなど、当初の思惑が外れた部分がなきにしもあらずですが、汎用性は高く、1986(昭和61)年からは「湘南ライナー」に起用、さらにスキー列車「シュプール号」にも活用されました。ちなみに、貴賓車のクロ157形を連結し、皇族が旅行される際に使われたこともあります。

■ストライプ、湘南色… 内装リニューアルでリクライニングシート

 1995(平成7)年からは、内装のリニューアルと塗装の変更が行われました。
 この改造で座席は回転リクライニングシートになり、185系はほかの特急形車両に引けを取らなくなりました。車体の塗装は斜めのストライプから四角形基調のブロックパターンとなり、印象が大きく変わりました。
 さらに2010(平成22)年からは一部の編成が、上野~長野原草津口(当初は長野原)間を走る「草津」運転50周年を記念して湘南色(オレンジ色と緑色)のツートンカラーに、2012(平成24)年には「踊り子」の前身である「あまぎ」に使われた157系電車風の塗装になるなど、話題を振りまきました。
 しかし、この時点で登場から30年以上が経過し、老朽化も進行したことから淘汰が始まり、2016年に高崎線の運用から撤退。最後の定期運用となっている東海道本線の「踊り子」も、2020年3月14日(土)のダイヤ改正でE257系への置き換えが始まります。2019年11月10日付の東京新聞によると、2021年には185系の全車両が引退する予定です。
 登場から40年、185系は定期列車はもちろん臨時列車や修学旅行列車など、幅広く活躍してきました。特急形と近郊形両方の役割をこなすべくデザインされましたが、その使命を十分に全うしたと言えるでしょう。

Writer: 児山 計(鉄道ライター)
出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。

乗りものニュース


≪くだめぎ?≫
 185系が1981(昭和56)年に登場時、事実上の新しい"急行形"といわれた。当時すでに俗にいう急行形がしばらく作らて無く、東京口の急行「伊豆」「東海」のために用意されたモノだ。後に特急格上げされたため、"急行形"が特急に使われた様なもの。また、185系の先輩"準急形"157系の後継車で、貴賓車のクロ157形の運用電車にもなる。このことが意外に長生きした、もう一つの理由かもしれない。
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Posted at 2020/02/09 09:01:01

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