
国鉄EF52形電気機関車(8、9号機)
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EF54 2 日本国鉄EF54形電気機関車の写真
作成: 1935年1月/2010年3月
EF52形は、日本国有鉄道の前身である鉄道省が、1928年(昭和3年)から製造した直流用電気機関車である。
本項では、本形式の派生形であるEF54形及びその改造形であるEF14形について記述する。
基本情報
運用者 鉄道省→日本国有鉄道
種車 EF52形8、9号機(1932年編入)
製造年 1931年
総数 2両
引退 1974年
主要諸元
軸配置 2C+C2
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500 V
全長 20,800 mm
全幅 2,810 mm
全高 4,115 mm (EF54)
3,995 mm (EF14)
運転整備重量 108.00 t
動輪上重量 77.16 t (EF54)
82.80 t (EF14)
動力伝達方式 歯車1段減速、吊り掛け式
主電動機 MT17形×6基
歯車比 27:71=1:2.63 (EF54)
19:79=1:4.16 (EF14)
制御方式 非重連、抵抗制御、3段組み合わせ制御、弱め界磁制御
制御装置 電磁空気単位スイッチ式
制動装置 EL14A空気ブレーキ、手ブレーキ
最高運転速度 95 km/h (EF54)
定格速度 68 km/h (EF54)
定格出力 1,350 kW(1時間定格)
定格引張力 8,500 kg (EF54・1時間定格)
13,300 kg(EF14・1時間定格)
備考 特記なきは両機共通の諸元を示す。
2 EF54形・EF14形
2.1 概要
EF52形は9両が製造されたが、そのうち最後の1931年に製造された2両(8, 9)は、高速運転を行うため歯車比を小さく(2.63)して製造されたものである。性能的には、翌1932年(昭和7年)から製造されたEF53形と同等で、その先駆的存在といえる。
他のEF52形とは性能が異なることから、1932年に形式番号をEF54形(EF54 1, 2)と改められたが、通常型EF52形より高速仕様、EF53形とも異なる形式・形態でわずか2両の少数機であったことが、後々の処遇を変えることとなった。
当初は東海道本線の旅客列車牽引を担っていたが、太平洋戦争に突入すると少数機であるため貨物輸送需要増大に応じた貨物用機関車への改造対象となる。1944年(昭和19年)に1号機が、1945年(昭和20年)に2号機が歯車比を低速向けに変更する改造を浜松工場で実施され、EF14形(EF14 1, 2)に形式番号が改められた。
その後は甲府機関区に配属され、主として中央東線の貨物列車牽引を行っていたが、先輪が多い分だけ動輪の軸重不足で牽引力の面で不利となるのは否めず、EF13形の転入によって予備機的存在となったのち、1960年(昭和35年)に吹田第二機関区に転じ、大阪駅構内の入換機となった。
以降は大阪駅構内で入換用として終始運用され、1974年(昭和49年)に廃車となった[2]。結果的にEF54形・EF14形と改番後40年以上運用されたが、通常型EF52は上記のように1975年まで幹線貨客列車牽引で運用され、EF54形時代には同等性能であったEF53形がEF59形となって瀬野八で1986年まで運用されたのとは対照的に地味な末路であった。
保存または譲渡されたものはない。
3 脚注
3.2 出典
[2]^ EF14 1(国鉄・電気機関車) - 鉄道ホビダス 2005年6月7日
4 関連項目
ジンクス - 国鉄内のジンクスとして『54』機関車の呪いがあった
最終更新 2017年12月30日 (土) 12:44 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
≪くだめぎ?≫
こちらは完全に"試作機"にされたが、結果的に1974年(昭和49年)まで存在できた。貨物用機関車「EF14形」改造が吉だった、と思えるが。「大阪駅構内で入換用」はイイ仕事だったと言うことか。
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直流電気機関車史 | ニュース
Posted at
2020/06/13 19:03:57