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2020年09月19日

ミニバンを超えてバンと呼ぶべき「グランエース プレミアム」

ミニバンを超えてバンと呼ぶべき「グランエース プレミアム」 トヨタ・グランエース プレミアム(FR/6AT)【試乗記】
2020.05.01
[写真]
4列・8人乗り仕様の「G」と3列・6人乗り仕様の「プレミアム」がラインナップされる「トヨタ・グランエース」。今回のテスト車は後者。

トヨタから大型ミニバン「グランエース」がデビューした。今回試乗したのは全長5300mmものロングボディーを6人で使う豪華仕様「プレミアム」。運転席と後席の仕上がり、すなわち運ぶクルマとしてのドライバビリティーと、運ばれるクルマとしての快適性をチェックした。

■とにかく長い
 試乗前夜、借りてきたトヨタ・グランエースを自宅駐車場へ収めるために何度も切り返しをした。こんなに切り返しを重ねたのは久しぶりだ。フェラーリのなんだったかを借りた時にもあきれるほど切り返しをした。あれはサイズの絶対的な大きさというより見切りの悪さ(と絶対的なお値段の高さ)が理由だった。グランエースの場合、前輪の切れ角が非常に大きく最小回転半径は5.6mと小回り性能は優秀。パノラミックビューモニターも備わるから死角も少ない。ただ全長5300mm、全幅1970mm、全高(は取り回しには関係ないが)1990mm、ホイールベース3210mmという絶対的な大きさはいかんともしがたく、慎重にならざるを得ない。造形はシンプルな四角なので、練習すればもっとスムーズに車庫入れできるとは思う。
 ろくに概要も説明しないうちから駐車の難易度について書いてしまったが、グランエースは2019年の東京モーターショーでトヨタ車体のブースに出展され、このほどトヨタから発売されたミニバンだ。いや正確にはミニバンを超えてバンと呼ぶべきかもしれない。同社のドル箱ミニバンである「アルファード/ヴェルファイア(アル/ヴェル)」よりも確実に大きい。ベースとなっているのは海外向けの「ハイエース」だ。乗用車系のエンジン横置きプラットフォームではなく、商用車系の縦置きプラットフォーム(モノコックだが下部にラダー構造が組み込まれている)が用いられ、後輪を駆動する。国内仕様のハイエースのように、前席直下にエンジンを置くレイアウトではなく、エンジンは車体前方に置かれる。エンジンが前方にあって、キャビンには多いほうのグレードでシートが4列配置されるのだから、そりゃ長くなるというもの。

■100km/hまでは余裕
 エクステリアデザインはシンプルというかデザインしすぎないよう抑制した印象を受ける。細かく見れば平板に見えるサイドやリアにも細かくキャラクターラインを入れるなど工夫しているが、言ってしまえば四角四面だ。アル/ヴェルがこれでもかと言わんばかりに強く主張してくるのに対し、グランエースはフロントマスクにクロームパーツこそ使っているものの、造形としてはグッと我慢してシンプルさを保っている。アル/ヴェルは人気だが、拒否反応を示す人も多い。こっちを好む人も少なくないだろう。
 試乗したのは3列シートの豪華版であるプレミアム。650万円。「ランドクルーザープラド」にも積まれる2.8リッター直4ディーゼルターボエンジン(最高出力177PS/3400rpm、最大トルク450N・m/1600-2400rpm)が搭載される。立派なスペックだが、車両重量は2740kgにおよぶ。使う鉄板の量が半端なく多いし、2座×3列、計6座の立派なシートも軽くない。それに4気筒とはいえまずまず大排気量のディーゼルエンジンを搭載しているのだから仕方ない。
 だから動力性能にはまったく期待していなかったが、これがことさらアクセルペダルを奥深くまで踏まなくても力強く発進し、順調にスピードを上げていくではないか。6段ATのギアリングが適切なのだろう。高速道路でもストレスなく100km/hまでスピードを引き上げることができる(確認したのは1人乗車時)。それより上は空気抵抗もあって伸びなさそうな気配だったが、まぁ必要ない。実用域での動力性能はきちんと確保されている。

■連れていってもらうというより……!?
 ディーゼルは4気筒ながら音も振動もよく抑えられている。荷グルマ感はなく快適に過ごせる。ホイールベース、トレッドともに十分だからか、座る位置にかかわらず曲がりくねった道でも揺さぶられるようなことはない。ただしリアサスペンションがリジッドということもあって、路面の不整は正直に伝わってくる。道路の段差のような一発モノはなかなかうまく処理するが、砂利道とか補修跡の激しいアスファルト路面などの連続する不整は、ガタガタと余すことなく伝えてくる。絶対的車重が重いし、6人乗車まであり得ることを考えるとあまりスプリングをソフトにすることはできないのだろう。かといって650万円のクルマがドタバタを演じるわけにもいかない。このあたりが落としどころなのだろう。満足というわけではないが、十分に納得できる。快適性はハイエース以上でリアサスがダブルウイッシュボーンのアル/ヴェル未満といったところ。
 各列に独立したシートが2座ずつ置かれ、乗車定員は6人。全席レザーで、調整はすべて電動。2列目と3列目にはオットマンも付いた豪華なシートが備わる。3列目は2列目と同じシートだが、カップルディスタンス(左右の間隔)が2列目より狭い。1列目、運転席と助手席が最も簡素だ。3290mmという見たこともない数値の室内長を誇る。2列目、3列目ともに豊富なスライド量が確保されていて、荷物がない時に3列目を目いっぱい後ろへ下げると、運転席との間に会話がままならぬほどの距離ができる。反対に3列目を一番前へやれば、90リッターのスーツケース(一般的に最大級のサイズ)4個を立てて収納できる……という写真がカタログに載っている。スーツケースは試していないが(そんなに大きいのを4個も用意できない)、3列目を最も前へスライドさせてはみた。その状態でも2列目、3列目ともに足を組める程度のスペースが残る。
 各シートのレザーの質感はまずまず高く、2、3列目シートのヘッドレストはぐるりと頭を抱え込んで固定してくれるタイプだ。シートがレザーというだけでなく、車内のあちこちに木目調パネルがあしらわれるなど、随所に豪華さを演出する加飾がなされるのだが、なぜだろう、例えば「レクサスLS」やプレミアム輸入車の車内のようにぜいたくな空間にいるとは感じない。どこかへ連れていってもらっているというより運ばれているような居心地がするのだ。広すぎる、もしくは天井が高すぎて(室内高1290mm)適度な包まれ感がないからか。まぁ応接間にはそれにふさわしい広さがあって、体育館の屋内をいくら豪華に仕立ててもダメということだろう。

■デジタルインナーミラーの功罪
 散々長いクルマだと書いたが、運転していると長さを感じにくい。なぜかと考えるうち、理由のひとつはデジタルインナーミラーだと気づいた。このクルマは車高が高く、また2、3列目シートのヘッドレストが非常に大きいので、ルームミラーを使って後続車を確認しようとしてもあまりよく見えない。したがってルームミラーがスイッチひとつでリアカメラの映像モニターに切り替わる装備は非常にありがたい。ただし当然ながらリアカメラが映すのはリアウィンドウより後ろの車外のみ。通常のミラーなら車内の様子も見えるのでクルマの長さを感じることができるが、モニターだと全長が5mでも10mでも見えるのは同じ映像のため、車体後端が運転席の自分とどれくらい離れているかを実感しにくいのだ。
 いろいろ書いたが、運転席と後席の両方を体験してみて、悪い印象はまったくない。ドライバーを除く5人(8人乗りなら7人)とその荷物を載せて移動するという目的がはっきりしたクルマであり、その目的を立派に果たすことができることが確認できたからだ。宿泊施設をはじめとする商業施設がゲストを送迎する用途が真っ先に思い浮かぶが、移動距離がさほど長くないのであれば、送るほうにとっても送られるほうにとってもサルーンより便利、快適なのではないだろうか。荷物をたくさん載せられるし、老若男女にとって乗降しやすいし。
 高速道路と一般道を計278kmほど走行して燃費は9.3km/リッターだった。合格。

(文=塩見 智/写真=荒川正幸/編集=藤沢 勝)webCG


≪くだめぎ?≫
 1990年5月登場の「子エスティマ」(トヨタ店エミーナ・カローラ店ルシーダ)の時点、「親エスティマ」全長4,750mm×全幅1,800mmが"大きすぎる"と言うのが昔話になってしまった。もしかして、この感覚が「グランエース」
全長5,300mm×全幅1,970mmに拡大した、と言うことか。確かにミニバン全盛ならでは、同サイズのセダンよりは運転しやすいと思う。"バックモニター"はサイズアップを後押しした、だろう。
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Posted at 2020/09/19 18:53:59

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