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ダイハツ・ハイゼットキャディー
出典:
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ハイゼット キャディー(HIJET Caddie)は、ダイハツ工業が生産・販売する軽貨物車である。
ダイハツ・ハイゼットキャディー LA700V/710V型
-自動車のスペック表-
販売期間 2016年6月13日-2021年予定(2021年3月5日生産終了)
乗車定員 2名
ボディタイプ 5ドア軽ボンネットバン
エンジン
KF-VE型:658cc 直列3気筒DOHC
KF-VET型:658cc 直列3気筒DOHCターボ
駆動方式
前輪駆動(2WD車)四輪駆動(4WD車)
最高出力
38kW (52PS)/6,800rpm(NA車)
47kW (64PS)/6,400rpm(ターボ車)
最大トルク
60N・m (6.1kgf・m)/5,200rpm (NA車)
92N・m (9.4kgf・m)/3,200rpm (ターボ車)
変速機 CVT
サスペンション
前:マクファーソン・ストラット式コイルスプリング
後:トーションビーム式コイルスプリング(2WD車)後:3リンク式コイルスプリング(4WD車)
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,850mm
ホイールベース 2,455mm
車両重量 970-1,020kg
最大積載量 150kg
ブレーキ
前:ベンチレーテッドディスク
後:リーディング・トレーリング
ベース車 ダイハツ・ウェイク
先代 ダイハツ・ミゼットIIカーゴ
ダイハツ・ミラバン
※ただし、前者は販売終了から15年の空白期間あり
後継 既存の10代目(S321V/331V型系)ハイゼットカーゴに統合
1 概要
乗用の軽トールワゴン(軽スーパートールワゴン)であるウェイクをベースに、既存のハイゼットカーゴの派生・横展開車種として発売された2シーター専用モノスペース軽ボンネットバンの商用車である。ウェイクベースのため、エンジンとドライブホイールをフロントに配置した「FFレイアウトパッケージ」を採用する。最大積載量は150kgであり、かつて同社から販売されていたミゼットII(ピック/カーゴ)と同一の数値である[注 1]。
ボディカラーは通常「ホワイト」のみだが、パックオプションの「選べるカラーパック[注 2]」を装着することで、ウェイク・10代目ハイゼットトラック/ハイゼットカーゴ採用色(ただし10代目ハイゼットカーゴは特別仕様車のみ)である「トニコオレンジマイカメタリック」をはじめ、「ミストブルーマイカメタリック」、「ライトローズマイカメタリック」、「ブライトシルバーメタリック」、「ブラックマイカメタリック」の5色から選択可能となる。なお、「ブライトシルバーメタリック」は2017年11月の一部改良で通常設定色となったため、「選べるカラーパック」設定色は4色に変更された[注 3][注 4]。
フロントのフードガーニッシュを省略し(エンブレムはDマークエンブレム)、バンパーガーニッシュをブラックに、リヤコンビネーションランプもバルブ式・リフレクター内蔵の専用品に変更するなど、ウェイクとデザインを差別化している。また、ステアリングホイールもウェイクとデザインが異なるもの(初代ミライース/初代ピクシスエポック/初代プレオプラス、5代目ムーヴ/2代目ステラ後期型、10代目ハイゼットトラック/2代目ピクシストラック/8代目サンバートラック、プロボックス/サクシード(2014年9月改良型)と同一品)を採用している。
発売当初、月販1,000台(年販12,000台)の販売台数を計画をしていたものの、既存の軽ハイトワゴンを基に商用バンに改めた車種であり、製造コストが嵩んだ上に乗用車並みの安全装備のため価格がミラバンのおよそ1.7倍に(価格で50萬円近くだが、同時に環境性能割も上昇する)上昇した[注 5]ことや軽トラックと同様の2シーター専用車であること、更に最大積載量の上限が軽ワンボックスバンの半分以下の150kgまでであることなど実用性で大きく引けを取っていることから、発売開始当初から月販販売目標を大きく下回る販売不振が続いており、特に発売開始から3年目以降の月販平均はわずか50台程度という惨憺たる状況が今日まで続いている。これは、本車が最大積載量200㎏だったミラバンの後継車[注 6]として登場したことも影響している。
なお、本車種はコペン(GR SPORT除く)[注 7]、ムーヴキャンバス、ミラトコット、タフト(2代目)と同様、トヨタ自動車、SUBARUへのOEM供給は行われていない。
2 メカニズム
トランスミッションはハイゼットシリーズで初めてとなるCVTを採用。また、ウェイク同様に「e:Sテクノロジー」を導入し、クールドi-EGRやCVTサーモコントローラー、樹脂化ボディなどを採用。併せてアイドリングストップ機能「eco IDLE(エコアイドル)」を全車に標準装備したことで、NA・2WD車は「平成27年度燃費基準+25%」、NA・4WD車は「平成27年度燃費基準+20%」、ターボ車は「平成27年度燃費基準+15%」をそれぞれ達成する。
安全面では軽商用車では初となるカメラとソナーセンサーを備えた衝突回避支援システム「スマートアシストII」をダイハツ軽商用車で初採用するとともに、EBD機能付ABS、VSC&TRC、エマージェンシーストップシグナル、ヒルホールドシステムは全車に標準装備し、軽乗用車並みの装備とする一方で、軽商用車初となるLEDヘッドランプ(Loビーム)を全車にメーカーオプション設定している。「スマートアシストII」は2017年11月の一部改良でステレオカメラ方式の「スマートアシストIII」に更新。車両だけでなく歩行者も認識し作動する機能が付加された。
音の侵入経路遮断と吸遮音材の配置によって静粛性を高めたほか、シートはリクライニングが可能なセパレートタイプを採用。ウレタンバンプスプリングの採用やスタビライザーを標準装備することによって操舵安定性を高める一方で、コイルスプリングのばね定数やショックアブソーバーの減衰力特性を最適化することにより商用車としての耐久性を確保している。
タイヤサイズ、及びホイールのインチ数に関してはベースとなったウェイク用のものとほぼ同一であり、タイヤサイズは155/65R14の軽乗用車用で、14インチスチールホイールが用いられるが、メーカーオプションとして、アルミホイールも設定されている。
3 沿革
3.1 型式 LA700V/710V型(2016年 - 2021年予定)
・2016年6月13日 - 公式発表・販売開始[1]。月販目標台数は1,000台。
グレード構成はNA車の「D」とターボ車の「X」を基本とする構成で、それぞれにスマートアシストIIとトップシェイドガラス(フロントウィンドゥ)を追加装備した「D"SA II"」・「X"SA II"」を設定。さらに、「D」には、インテグレードCD・AM/FMラジオ・AUX端子、フルホイールキャップを追加装備し、ドアミラーをカラード電動格納式に、ステアリングホイールをメッキオーナメント付ウレタンにそれぞれグレードアップした「D"デラックス"」・「D"デラックス SA II"」も設定される。
セットオプションは前述の「選べるカラーパック」の他に、プッシュボタンスタート・キーフリーシステム・オートライトなどで構成される「省力パック」、スーパーUV&IRカットガラス(フロントドア)などで構成される「ビューティパック」、メッキ加飾付LEDフォグランプと14インチアルミホイールで構成される「スタイリッシュパック」、助手席シートバックテーブル・イージーケアフロア(大容量ラゲージアンダートランク)・フック(ユーティリティ4個・荷室床面2個)などで構成される「ユースフルパック」、4ヶ所(フロントパーソナル・リアルーム・ラゲージルーム・バックドア)のLEDランプで構成された「LED室内照明パック」、スマートフォン連携メモリーナビゲーションシステム・バックカメラ・HDMI端子で構成された「ナビパック」、バックカメラ単体の「純正ナビ装着用アップグレードパック」と多数用意されている。
・2017年11月30日 - ウェイクと共に一部改良が発表され、同日より販売が開始された[2]。
衝突回避支援システム「スマートアシストII」を「スマートアシストIII」に更新(これに伴い、スマートアシストIII搭載車はグレード名の「SA II」を「SA III」に変更)されたほか、スマートアシストIII搭載車にはリアコーナーセンサーも併せて装備された。
グレード構成を変更。「D"デラックス"」と「X」はスマートアシストIII搭載グレードの「Dデラックス"SA III"」と「X"SA III"」へ統合・集約されたほか、車両本体価格は、全グレードが一律64,800円値下げされた。装備面では従来、グレード別設定であった車速感応式間欠フロントワイパーとセキュリティアラームが全車標準装備となり、これに伴って、一部メーカーオプション等の変更も行われた。
・2020年
・1月31日 - 仕様変更。ボディカラーの「選べるカラーパック」設定色だった「ミストブルーマイカメタリック」が廃止された。
・6月17日 - 仕様変更。ボディカラーの「選べるカラーパック」設定色に、2代目タフト設定色の「レイクブルーメタリック」が追加された。
・2021年3月5日 - 販売不振のため生産終了。それ以後は在庫限りの販売となり、在庫が無くなり次第、販売終了となる[注 8]。ただし、ハイゼットキャディーの元となったウェイクはOEM向けのトヨタ・ピクシスメガと共に当面の間、継続生産される。
4 名前の由来
キャディー(Caddie)は荷物を運ぶ者(類似の単語にポーターがある)、世話・助けをする者(この意味では例えばゴルフのキャディがある)の意味。配送業務を中心とする働く人をアシストするパートナーとの思いを込めて名付けられている[1]が、実際に配送業者の多くは前述の実用性の問題から、同社のハイゼットカーゴが多用されている。
5 脚注
5.1 注釈
[注 1]^ ちなみに現行モデルのハイゼットカーゴの「クルーズターボ」の最大積載量、および終売となったミラバンの最大積載量はいずれも2名乗車時で200kg。
[注 2]^ カップホルダー(前席/インパネ一体)とオーディオクラスターにシルバー加飾が施されるほか、「D"デラックス"」系と「X」系に装備される電動格納式カラードドアミラーがボディ色連動に変更される。
[注 3]^ ハイゼットカーゴ及びハイゼットトラックは先行して適応済み。
[注 4] 2020年1月の仕様変更で「ミストブルーマイカメタリック」が廃止されたため、「選べるカラーパック」設定色は3色に変更されたが、同年6月に2代目タフト採用色である「レイクブルーメタリック」が追加され、「選べるカラーパック」設定色は再び4色となった。
[注 5]^ ミラバンは法人需要が多く、一度に複数台数購入することが多かったため、環境性能割を含めて一台当たり50万円を超えるした価格上昇は購入者にとって大きな負担になる。
[注 6]^ ミラバンはエマージェンシー用の後部座席が存在するものの、4ナンバーの規格に適合させるために後部座席が大変狭く、居住性が大きく劣っていたため、エマージェンシー以外で後部座席が活用されることはほとんどなかった。
[注 7]^ GR SPORTのみ親会社のトヨタ自動車へ「コペン」の車名のままOEM供給されている。
[注 8]^ ハイゼットキャディーの公式ページに「ハイゼットキャディーの販売は在庫対応となるため、グレード・オプション・ボディカラーなどお客様のご希望に沿えない場合がございます。詳しくは販売会社におたずねください。」と言う告知が掲載された。
5.2 出典
[1]^“新型軽商用車「ハイゼット キャディー」を発売” (PDF) (プレスリリース), ダイハツ工業株式会社, (2016年6月13日) 2017年11月30日閲覧。
[2]^ “ダイハツ 軽乗用車「ウェイク」 軽商用車「ハイゼット キャディー」を一部改良” (プレスリリース), ダイハツ工業株式会社, (2017年11月30日) 2017年11月30日閲覧。
6 関連項目
・ダイハツ・ウェイク/トヨタ・ピクシスメガ - 本車種のベース車
・ダイハツ・ハイゼット
・ダイハツ・ミゼットII
・ホンダ・N-VAN - 実質的な競合車種
・ウォークスルーバン
最終更新 2021年3月20日 (土) 05:22 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
≪くだめぎ?≫
『ハイゼット キャディー』が3月5日(金)に生産終了が発表、
「ハイゼットキャディーの販売は在庫対応となるため、グレード・オプション・ボディカラーなどお客様のご希望に沿えない場合がございます。詳しくは販売会社におたずねください。」
と言う告知がハイゼットキャディーの公式ページに掲載された。
"軽商用車「ハイゼット」シリーズ、初代発売から60年"にもハイゼットキャディーを掲載されているため、特設サイト終了までは写真も含めて掲載継続されるのだろう。しかしながら、ダイハツ商用車としては、販売期間5年弱は非常に短く異例だろう、極度の販売不振である。
そもそも、
「ハイゼットカーゴ」荷室フロア地上高635mm、
「グランマックス」荷室フロア地上高620mm
でも高く感じる、踏み込むには高い。それなら「ウォークスルーバン」型が一番だ。ホンダ「N-VAN」に対抗するなら、軽ボンネット「ウォークスルーバン」の開発は必須。荷室低床化は"ワンボックス"型と"軽ボンネットバン"がシャシを兼用するのが一番。2019年7月「Tanto」(タント)からDNGA-Aプラットフォーム(軽自動車用)採用となり、以後のモデルチェンジ車の元になる。全高2m・最大積載量350kgの軽ボンネット「ウォークスルーバン」を開発できれば一番良い、更にワンボックス型・軽トールワゴン共々共用出来ればよい。
・ハイゼットカーゴ
2004年12月モデルチェンジ、2017年11月マイナーチェンジ。
・アトレーワゴン
2005年5月モデルチェンジ、2017年11月マイナーチェンジ。
・
ムーヴ
2014年12月モデルチェンジ、2017年8月マイナーチェンジ。
・
ムーヴ キャンバス 2016年9月モデルチェンジ。
・
ウェイク 2014年11月モデルチェンジ。
・コペン 2014年6月モデルチェンジ。
・
キャスト 2015年9月モデルチェンジ。
これから、上記の車種をDNGA-Aプラットフォーム(軽自動車用)採用・兼用できれば。