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2024年05月29日

成功!いや失敗だ!『アルテッツァ (ALTEZZA)』

成功!いや失敗だ!『アルテッツァ (ALTEZZA)』 成功! いや失敗だ! 
いまでも議論噴出の「ハチロクの再来」と言われた「アルテッツァ」とは
投稿日:2020.08.07
TEXT: 都築雅一 PHOTO: トヨタ/AUTO MESSE WEB
■「AE86」が蘇ると登場前から話題沸騰
 「スポーツセダン」、このフレーズにワクワするクルマ好きも多いだろう。4ドアセダンに高性能なエンジンやサスペンションでチューニングを施し、スポーツカーにも迫る性能を発揮する。BMWやメルセデスなどEU車では、名車も多く人気も高い。
 国産スポーツセダンというと4WDが組み合わされることが多いが、操る楽しさを考えるとFRは外せない選択肢になる。1998年10月にトヨタは、「操り走る心地よさを堪能できるクルマ」として、スポーツセダン「アルテッツア」を発売した。当初はハチロクの再来として噂され、大いに盛り上がり、チューニングベースとしても期待されて鳴り物入りでデビューした。が、改造すると壊れる駆動系、重すぎるボディ、パワーが足りないエンジンなど、弱点も指摘され、販売面では期待どおりとはいかず、残念ながら一代で消滅してしまった。アルテッツアは失敗車だったのだろうか?
■コンセプトを変更せざるを得なかったやむなき事情
 もともと、ドライビングを楽しむコンパクトなFRスポーツセダンとして開発がスタートしたアルテッツアだったが、社内の事情で同系統の車種と統合されるなど紆余曲折ののち、高級ブランド「レクサス」から販売されるエントリーモデルとしての役割を併せ持つことになった。欧州のDセグメント車としてプレミアムセダンの要素も加わったため、グローバル基準の安全性や品質が求められたことで衝突安全ボディなどを採用し、車重も重くなってしまった。また、BMW 3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスなどのミドルサイズセダンに対抗できる車ということで高級感も求められた。
 ボディデザインはオーバーハングを切り詰め、タイヤを四隅に配置したロー&ワイドを強調するスタイルで、スポーツカーイメージを表現。独立した大きな丸テールランプとトランクフードにも丸ランプを配置して個性を打ち出したリアスタイルが印象的だ。インテリアは、スピードメーター(またはタコメーター)の内側に水温計や油圧計、電圧計を配置するクロノグラフをモチーフにしたメーターが新鮮でインパクトが大きかった。
 シートはファブリックを使用した標準的なもので、「Lエディション」では高級感のあるISと同じ仕様になる。デビューまでにはニュルブルクリンクでの徹底的な走行性能テストを始め、ドイツのアウトバーン、フランスの山脈、真冬の北海道で徹底的に走りに磨きをかけた。
■スペックはファンを納得させるに十分な内容
 「とびきりのFRスポーツ」をキャッチコピーに、登場したアルテッツアは、FRスポーツをアピールしていたため、極端に短いオーバーハングとロングホイールベース、フロントミッドシップ搭載のエンジンに加え、重量物を車体中心に寄せた最適な重量配分を実現した。プラットフォームはプログレに使われるFRマルチプラットフォームを改良したものが採用され、高剛性と安全性に配慮。サスペンショはスープラなどにも採用された前後ダブルウィッシュボーン。17インチの大径ホイールと215/45の扁平タイヤを装着し、ブレーキはアリストなど上級車種と同等のものが採用され、高い制動性を誇るなどスポーツモデルとしての素性は優れたものだった。
国内では「RS200」と「AS200」の2グレードで、スポーツモデルの「RS200」は従来の横置きから縦置きに変更された2000cc4気筒3S-GEを搭載。可変バルブタイミング機構VVT-iを採用し、チタンバルブなど最先端技術がふんだんに注入された。スペックは210ps/7600rpm、最大トルク22.0kg-m/6400rpmを発揮する3S-GE型の最終進化バージョン。トランスミッションは6速MTと5速ATで、6MTモデルにはトルセンLEDが標準装備される。
「AS200」は2000cc直列6気筒の1G-FEを搭載し、160ps/6200rpm、20.4kgm/4400rpmを発揮する4速ATモデル。こちらは高級感の高いプレミアムモデルで、海外では高級車ブランドの「レクサスIS200」として、3000cc直列6気筒の2JZ-GE搭載モデル「IS300」と共に販売された。

■マニアが熱視線を送るワゴンボディも登場
 国内では5ドアハッチバックのスポーツワゴンとして、「アルテッツア・ジータ」が2001年7月に追加される。セダン同様の「AS200」に加えて、4WDも設定される「AS300」には3000cc直列6気筒2JZ-GEが搭載され、スペックは220ps/5800rpm、30.0kgm/3800rpmを発揮する。これはスポーツモデルではなく、プレミアムワゴンとしての位置付けだった。
 ジータはスタイリッシュなワゴンスタイルで、開口部の大きなリアセクションはボディ剛性確保のためかなり補強されるなどスポーツ性を謳っていたが、スポーツグレードの「RS200」は設定されず、ミッションも当初は6速MTが設定されていたが、マイナーチェンジで全車ATのみとなった。また、実用性よりデザインを重視したスタイルだったため、通常のワゴンモデルと比較すると荷室は狭くなっていた。
■ニュルブルクリンク24時間レースにも参戦
 レースではスーパー耐久のグループN+クラスに参戦し、2000年から2005年にクラスチャンピオンを獲得、2003年と2007年にニュルブルクリンク24時間レースに参戦するなど海外レースにも力を入れていた。また、2000年から2006年にネッツカップアルテッツアシリーズを開催し、プライベーターの登竜門としても人気だった。FRといえばD1などドリフト競技のベース車として、チューニング業界も注目し、様々なパーツがリリースされた。ボルトオンターボのトムス280T(限定100台のターボモデルで280ps)やモデリスタのクゥオリタートなどディラーコンプリート車の先駆けにもなっている。
■高級路線を入れたことも「失敗」と言われる要因
 このように本来ならばスポーツ性を前面に打ち出した、ライトウェイトスポーツセダンとなるはずだったが、レクサスブランドでも併売されるモデルとなったため、変に高級車化してしまい、中途半端な存在になってしまったことは否めない。
 たとえば、パワー不足を指摘されたエンジンだが、同じ3S-GEを搭載し、当時生産されていたST202型セリカは車重が1210kgなのでパワーウェイトレシオは6.05kg/psとなる。対してアルテッツアは1340kgと、かなり重く、パワーウェイトレシオは6.38kg/ps。単純に想像するとセリカのほうが加速力は上ということだ。せめて「セリカ GT-Four」に搭載された3S-GTEが搭載されていたら、話は変わっていたかもしれない。車重は少し重くなるだろうけど、そのまま計算すると5.25kg/psになる。
 じつはこの数値、100系ツアラーVが1470kgで280psなので同じく5.25kg/psなのだ。コンパクトサイズでツアラーVと同数値…、想像してみるとワクワクしてこないだろうか? もし、ピュアなスポーツセダンとして開発されていたら、本当にハチロクの再来として活躍できたかもしれない、悲運のクルマだった。ちなみにZN6型86は5.99kg/psだから、ST202セリカとほぼ同等ということになる。

 アルテッツァ年表
・1998年10月:アルテッツァ発売
・2001年7月:アルテッツア・ジータ発売
・2001年5月:マイナーチェンジ、フェイスリフトとディスチャージヘッドランプを設定
・2002年8月:ディスチャージヘッドランプ標準装備へ(ジータは一部)
・2005年3月:RS200廃止
・2005年7月:レクサスの国内販売がスタートすることになり、高級志向の新型ISに切り替わるため生産終了


≪くだめぎ?≫
 「トヨタ」「レクサス」ブランド間に降り回された、
と言うべきだ。
"スターレット"、スプリンター、アルテッツア、チェイサー、アリスト、
そして、グランビア・・・。
トヨタ「5」系列が続いていたなら、
こんな思い切った・・。
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Posted at 2024/05/29 16:32:58

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