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鉄道ニュース > 2018年3月18日
日豊本線「宗太郎越え」の普通列車が
787系化される
写真:佐伯にて 2018-3-17
JR九州では、2018(平成30)年3月17日(土)にダイヤ改正が行われました。日豊本線では、大分-南延岡間で大分車両センター所属のキハ220形で運転されていた普通列車が、同センター所属の815系・787系に置き換えられました。
とくに佐伯-延岡間(通称:宗太郎越え)では、改正前は普通列車は3往復と市棚以南り区間列車が1往復だったものが、下り1本、上り2本、佐伯-重岡間の区間列車が下り2本、上り1本となりました。
このうち、佐伯-延岡間を結ぶ3本(276M/佐伯6:18発→延岡7:26着、2760M/南延岡6:06発→佐伯7:19着、2762M/延岡19:33→佐伯20:44着)は、"にちりん"・"ひゅうが"の運用間合いを活用し、すべて787系4両編成による運転となりました。いずれの列車も先頭車のみ乗降可能となっています。(投稿)
日豊本線
日豊本線(にっぽうほんせん)は、福岡県北九州市小倉北区の小倉駅から大分駅、延岡駅、宮崎駅および都城駅を経由して、鹿児島県鹿児島市の鹿児島駅までを結ぶ九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線(幹線)である。
1.概要
福岡県北九州市から大分県中津市・大分市・佐伯市、宮崎県延岡市・宮崎市などの東九州の主要都市を経由して九州東部を縦貫し、鹿児島県鹿児島市までを結ぶ路線であり、福岡市・北九州都市圏と沿線各地を結ぶ特急列車などが数多く走っている。路線のほとんどは国道10号と並走しており、車窓から道路を見ることができる(ただし大分-佐伯間では国道197号・国道217号が、宮崎-都城間では国道269号が当線と並走し、国道10号は当線から離れた内陸部を経由)。
起点は小倉駅だが、1987年になって西小倉駅に鹿児島本線のホームが設けられたため、小倉駅 - 西小倉駅間が鹿児島本線との重複区間になっている。また路線の終点は鹿児島駅だが、同駅を発着する列車は鹿児島本線に乗り入れ鹿児島中央駅方面に直通している。
小倉駅 - 行橋駅間は旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「福岡近郊区間」に含まれている。
小倉駅 - 幸崎駅間、佐土原駅 - 田野駅間および国分駅 - 鹿児島駅間[注釈 1] はIC乗車カード「SUGOCA」の利用エリアに含まれている。ただし、小倉駅 - 幸崎駅間、佐土原駅 - 田野駅間、国分駅 - 鹿児島駅間の各エリアを跨っての利用はできない[3 a][4 a]。
一般向けリアルタイム列車位置情報システム「どれどれ」対応路線(小倉駅 - 鹿児島中央駅間の全線)である。スマートフォンアプリ「JR九州アプリ」内で、リアルタイムの列車位置情報が利用できる[5 a]。
また、2018年9月28日より小倉駅 - 行橋駅間で駅ナンバリングが制定され、日豊本線の路線記号はJF、路線カラーは青となった[6 a]。
●路線データ
管轄・路線距離(営業キロ):
九州旅客鉄道(第一種鉄道事業者):
小倉駅 - 鹿児島駅間 462.6 km
日本貨物鉄道(第二種鉄道事業者):
小倉駅 - 佐土原駅間 (326.7 km)
軌間:1067mm
駅数:111
日豊本線所属の旅客駅に限定した場合、鹿児島本線所属の小倉駅と鹿児島駅が除外され[7 a]、109駅となる。なお、西小倉駅は鹿児島本線との分岐駅であるが日豊本線所属である[7 b]。
複線区間:小倉駅 - 立石駅間、中山香駅 - 杵築駅間、日出駅 - 大分駅間
電化区間:全線(交流20,000V・60 Hz)
架線構成:シンプルカテナリー方式、吊架線は亜鉛めっき鋼より線(公称断面積:大分以北135mm²・大分以南90mm²、外径:15mm・12mm、張力:2t・1t)、トロリ架線 みぞ付硬銅線(GT)(公称断面積:110mm²、外径:12.34mm、張力1t)
閉塞方式:自動閉塞式
保安装置:ATS-SK、ATS-DK(2022年2月末現在、小倉駅 - 佐伯駅間、延岡駅 -田野駅が対応[8])
最高速度:
130 km/h(小倉駅 - 大分駅間[2 b])
110 km/h(大分駅 - 佐伯駅間、延岡駅 - 宮崎駅間)
100 km/h(隼人駅 - 鹿児島駅間)
90 km/h(国分駅 - 隼人駅間)
85 km/h(佐伯駅 - 延岡駅間、宮崎駅 - 国分駅間)
運転指令所:博多総合指令センター・大分指令センター・南宮崎指令センター
各支社の管轄区間は以下のようになっている。
JR九州本社鉄道事業本部:小倉駅 - 吉富駅間
JR九州大分支社:中津駅 - 宗太郎駅間
JR九州宮崎支社:市棚駅 - 五十市駅間
JR九州鹿児島支社:財部駅 - 鹿児島駅間
本社と大分支社の境界は山国川橋梁(県境を跨ぐ)と中津駅下り場内信号機の間に、
大分支社と宮崎支社の境界は第四宗太郎トンネルの延岡方出入口と県境の間にある。
2.沿線概況
・佐伯駅 - 延岡駅間
この区間は多くが山間部を通り、市街地は佐伯駅周辺と延岡駅周辺のみである。途中の駅はすべて無人駅で、駅舎が残っている駅は少ない。特急もこの区間は約1時間にわたって列車交換のための運転停車以外ノンストップである。また、県境を通るため、ほかの区間に比べて普通列車の本数が極端に少ない。また、この区間はほぼすべてで国道10号と並行している。
3.運行形態
●優等列車
現在は、おおむね大分駅・宮崎駅または南宮崎駅を境に運転系統が分割されているが、かつては小倉駅 - 鹿児島駅間の全区間を走破する博多駅・門司港駅・小倉駅 - 西鹿児島駅間の列車も設定されていた。また本州へ直通する特急や急行も多数運転されていたが、2009年3月14日のダイヤ改正で東京駅 - 大分駅間の寝台特急「富士」が廃止されたのを最後に全廃された。沿線の主要都市である大分市や宮崎市と福岡市は九州自動車道・大分自動車道・宮崎自動車道により結ばれており、鹿児島本線・日豊本線経由の鉄道に比べ距離が大幅に短いため、これらの高速道路を走行するマイカー・高速バスとの競争が激しい。特に福岡 - 宮崎間および新八代 - 宮崎間は子会社のJR九州バスにて高速バスに参入しており[22]、この区間の鉄道利用客は大幅に減少している。日豊本線に並行する東九州自動車道は暫定2車線だが北九州市から宮崎市まで全線開通したこともあり、高速バスと競合するところもあるが、高速バス側の不採算による路線撤退が相次ぎ、現在は北九州 - 大分、大分空港 - 佐伯間のみとなった。
昼行列車として、博多駅発着の特急「ソニック」が当線の小倉駅 - 佐伯駅間で、また、大分駅発着を基本として一部が小倉駅・佐伯駅を発着する特急「にちりん」、博多駅発着の特急「にちりんシーガイア」が小倉駅 - 南宮崎駅間で運転されている。一部の「にちりん」と「にちりんシーガイア」は宮崎空港駅まで直通している。2017年3月4日より、一部特急列車でワンマン運転が開始された。
九州島内完結の夜行列車として、2011年3月12日のダイヤ改正までは「ドリームにちりん」が博多駅 - 南宮崎駅・宮崎空港駅間で運転されていた。
別府駅 - 大分駅間には久大本線・豊肥本線直通の特急も走るほか、延岡駅 - 南宮崎駅間で「にちりん」の宮崎県内区間を補完する特急「ひゅうが」や、宮崎駅 - 鹿児島駅間で特急「きりしま」も運転されている。「きりしま」は2004年3月の九州新幹線一部開業に伴うダイヤ改正で、霧島神宮駅・国分駅発着の列車が増発され、観光客の輸送や、鹿児島地区でのホームライナーとしての役割も担っていた。2011年3月の九州新幹線全線開業に伴うダイヤ改正では、霧島神宮駅・国分駅発着の「きりしま」を削減し、一部の列車の運転区間を宮崎駅まで延長して、同駅発着の「きりしま」が増発された。これにより、宮崎県西部からの新幹線アクセス特急としての役割も担うようになった。
また、「きりしま」、「にちりん」、「ソニック」のルートを踏襲した全席グリーン車の特急「36ぷらす3」が2020年10月16日より運行されている。
日豊本線を走る昼行特急列車は以下のとおり。途中駅発着列車は一部省略。
ソニック:(博多駅 - 鹿児島本線直通) - 小倉駅 - (一部)中津駅 - 大分駅 - (一部)佐伯駅
にちりん[注釈 2]:(一部)小倉駅 - 大分駅 -(一部)佐伯駅 - 南宮崎駅 - ((一部)宮崎空港駅)
にちりんシーガイア:(博多駅 - 鹿児島本線直通) - 小倉駅 - 南宮崎駅 - (宮崎空港駅)
ゆふ・ゆふいんの森:別府駅 - 大分駅 - (久大本線方面直通 - 博多駅)
九州横断特急:別府駅 - 大分駅 - (豊肥本線直通 - 熊本駅)
あそぼーい!:別府駅 - 大分駅 - (豊肥本線直通 - 熊本駅)
ひゅうが:延岡駅 - 南宮崎駅 - (宮崎空港駅)
きりしま:宮崎駅 - 鹿児島駅 - (鹿児島中央駅)
海幸山幸:宮崎駅 - 南宮崎駅 - (日南線直通 - 南郷駅)
36ぷらす3:(鹿児島中央駅) → 宮崎駅、(宮崎空港駅) → 宮崎駅 → 別府駅、大分駅 → (門司港駅 → 博多駅)
●地域輸送
おおむね中津駅・佐伯駅・延岡駅・宮崎駅・都城駅で運転系統が分かれている。2009年10月1日から2018年3月16日まで全区間で、2018年3月17日以降は重岡駅 - 延岡駅間を除く全区間でワンマン運転を行っている。
各区間の普通・快速列車で使用される車両のまとめは使用車両節の「#普通・快速列車」を参照。各区間の運転本数は特記なければ普通・快速列車のもの、車種は特記なければ電車である。
ワンマン列車の運賃収受方式であるが、小倉駅 - 幸崎駅間・国分駅 - 鹿児島駅間ではすべての駅ですべてのドアが開く駅収受方式(都市型ワンマン)、佐志生駅 - 重岡駅間・延岡駅- 霧島神宮駅間は、無人駅および有人駅での営業時間外の停車時は前の車両のドアのみ開き(中扉は開かず・後ろ乗り前降り)、車内で整理券発行と運賃収受を行う車内収受式である。2006年3月18日のダイヤ改正で車内収受式であった小倉駅 - 佐伯駅間・国分駅 - 鹿児島駅間が駅収受方式となったが、2022年9月23日のダイヤ改正で、幸崎駅 - 佐伯駅間は2両ワンマンに限り車内収受式に戻された。なお、宗太郎駅については2018年3月17日のダイヤ改正まで前乗り前降りであった[注釈 3]。
・佐伯駅 - 延岡駅間
この区間は、大分県と宮崎県の県境の山間部(宗太郎峠)を通る。沿線人口も少ないことから、普通列車の本数が極端に少なくなっており、特急列車の停車駅も設定されていない。そのため、普通列車しか利用できない「青春18きっぷ」で利用することが非常に困難になっている区間の一つであり[注釈 5 a]、ファンの間では「宗太郎越え」などと呼ばれている。
2004年(平成16年)3月13日のダイヤ改正で、普通列車は2往復を除き重岡駅・市棚駅折り返しとなった。翌2005年(平成17年)10月1日の改正以降は佐伯駅 - 南延岡駅間の列車2往復のほかに朝に始発列車として佐伯発延岡行き、続いて延岡発市棚行き、市棚発南延岡行き、夜に最終列車として南延岡発大分行きが各1本運転されていた(これらの列車は朝と夕方・夜の運転。本数ベースでは佐伯 - 延岡間を直通する3往復に加え市棚 - 延岡間の区間列車1往復)。2018年(平成30年)3月17日のダイヤ改正ではさらに列車が削減され、佐伯駅 - 延岡駅間1.5往復(下り1本・上り2本)および佐伯駅 - 重岡駅間1.5往復(下り2本・上り1本)まで減少した[23]。このため、重岡駅 - 北延岡駅間の下り(延岡方面)では6時 - 7時台の列車が始発兼最終列車となる[注釈 5 b]。なお、朝の佐伯行きは南延岡始発、夕方の重岡発は大分行きで運転されている。
この区間は両端の佐伯駅・延岡駅を拠点に並行して路線バスが運行されている。佐伯 - 重岡間は佐伯市コミュニティバス(休日は運休)が、延岡 - 北川間は宮崎交通の路線バスが運行されており、いずれも本数は少ないものの普通列車の運行がない時間にも移動が可能である。ただし、県境を挟む区間(重岡 - 宗太郎間)では路線バスの運行も行われていない。
この区間は、2007年3月17日まで457・475系で運行されていた。その後は2009年9月30日まで717系で、2018年3月17日までキハ220形気動車で運転され、翌3月18日のダイヤ改正より重岡駅折り返し列車は815系、延岡駅・南延岡駅発着列車は特急用の787系での運転に変更となった[24]。787系で運転される列車では車掌が乗務するほか、先頭車両のみドア・客扱いを行う。普通・グリーン併設車が先頭車両になる下り列車では、グリーン車自由席も営業する(グリーン券は車内で販売)[25]。 また普通列車の本数が少ないが、特急列車は1日8.5往復あり、おおむね1-2時間に1本通過するため、この区間のすべての停車場(駅・信号場)に交換設備が設けられている。1993年3月から2020年10月までは一部時期を除き、毎時1往復の特急列車が運転されていた。
●貨物列車
2014年3月改正時点では(北九州貨物ターミナル駅) - 小倉駅 - 南延岡駅間で貨物列車が運行されている。
コンテナ車で編成された高速貨物列車が、北九州貨物ターミナル駅 - 延岡駅間に1往復、北九州貨物ターミナル駅 - 南延岡駅間に1往復運行されている。専用貨物列車は臨時便のみで定期での設定はない[27]。牽引機関車は、EF510形電気機関車。
線内の貨物列車の発着駅は、西大分駅、延岡駅、南延岡駅。2017年3月4日のダイヤ改正により、西大分駅 - 南延岡駅間は月・水・金曜日のみの運転となった。
また、日豊本線の高速貨物列車は本州方面への直行便がすべて非設定であるため、本州方面へのコンテナは北九州貨物ターミナルにおいて鹿児島・山陽本線系統の便へ積み替える。
南延岡駅 - 鹿児島駅間では、貨物列車の運転がなく、2005年に「彗星」が廃止されてからは、ED76形を含む電気機関車は見られなくなった。また当線内を走る定期貨物列車は鹿児島本線系統より編成が短いうえ本数も少なく、貨物列車の走行時間帯は深夜から早朝中心である。
4.使用車両
●現在の使用車両優等列車
・電車
883系・885系:特急「ソニック」で運用。
787系:特急「にちりん」「にちりんシーガイア」「ひゅうが」「きりしま」「36ぷらす3」、宮崎空港線直通普通列車の一部、佐伯駅 - 延岡駅・南延岡駅間の普通列車で運用。
●普通・快速列車
・電車
811系:小倉駅 - 中津駅間で運用。朝時間帯に使用される。
813系(主に3000・3100・3400番台):RM編成が小倉駅 - 佐伯駅間で運用。
815系:中津駅 - 重岡駅間で営業運用。宇島駅まで回送で乗り入れる。
817系(0番台・1000番台):VK編成が延岡駅 - 鹿児島駅間で定期運用。VK編成は宮崎空港線直通列車にも使用。
415系:FO編成が小倉駅 - 大分駅間で運用。過去にはFM・FO編成が大分駅 ‐ 佐伯駅間、FK編成が都城駅 - 鹿児島駅間で運用された。
713系:延岡駅 - 南宮崎駅間で運用。宮崎空港線直通列車にも使用。
787系:佐伯駅 - 南延岡駅間、宮崎駅 - 南宮崎駅間(宮崎空港線直通列車)で運用。共に4両編成のみ用いられる。佐伯駅 - 南延岡駅間の運用では先頭1両のみ乗車可能で、ワンマン運転は行わず車掌が乗務する。
●機関車・客車
・電気機関車
いずれもJR貨物が貨物列車用として保有・運用しているものでありJR九州は電気機関車を保有していない。
ED76形 : 北九州貨物ターミナル駅 - 延岡駅( - 南延岡駅)間の定期貨物列車で使用される。
EF81形 :北九州貨物ターミナル駅 - 延岡駅( - 南延岡駅)間の定期貨物列車で使用、450番台・500番台・300番台が運用されている。
EF510形 :北九州貨物ターミナル駅 - 延岡駅( - 南延岡駅)間の定期貨物列車で使用、300番台が運用されている。
・ディーゼル機関車
DE10形・DD200形:乗務員訓練や保線、団体客車列車の牽引機で利用されるほか、クルーズトレイン『ななつ星 in 九州』の運用に関係した運用も存在する。
DF200形:クルーズトレイン『ななつ星 in 九州』の牽引機として全線を走行する(小倉駅 - 大分駅間は2017年8月22日より営業運転開始)。
・客車
77系:豪華寝台列車(クルーズトレイン)『ななつ星in九州』専用客車。
●過去の使用車両-主なもの。
・電車
481系・485系
特急「にちりん」「ソニック」「ひゅうが」「きりしま」及び朝晩の「さわやかライナー」「ホームライナー」、1975年の山陽新幹線博多延伸開業以前には新大阪駅 - 大分駅間で運転されていた特急「みどり」、大阪駅 - 宮崎駅間の特急「日向」で使用された。2011年3月12日ダイヤ改正で定期運行を終了、2015年に臨時列車としての運用も終了した。
581系・583系
寝台特急「彗星」の一部と、その間合い運用で「にちりん」の一部で、また山陽新幹線博多駅延伸開業以前には新大阪駅 - 大分駅間の特急「みどり」にも使用された。
457系・475系
急行「べっぷ」「日南」「ゆのか」などで使用。急行廃止後は柳ケ浦以南の普通列車に転用。新型車両投入に伴い2007年までに全車運用離脱。
421系・423系
佐伯駅以北の普通列車で415系とともに使用された。
717系
主に大分(杵築以南)・宮崎・鹿児島地区の普通列車で使用された。817系など新型車両の追加投入に伴い徐々に運用を縮小、2013年までに全車が定期運用を離脱した。
783系
1990年に大分駅以北の「にちりん」の一部に投入。1996年3月に一旦撤退するも2000年3月から「ソニック」「にちりんシーガイア」「ドリームにちりん」運用で復帰。「ソニック」は翌年に運用を外れたが「にちりん」「ひゅうが」での運用を開始(「にちりん」としては復帰だが宮崎系統の列車としては新規)し、2011年3月には「きりしま」での運用も始まった。2021年3月改正でこれらの特急削減と787系の運用増加により日豊本線内での定期運用が消滅した[31][32]。
・気動車
キハ80系
1980年の電化以前に特急「にちりん」「おおよど」で、1975年の山陽新幹線博多延伸開業以前に特急「みどり」「かもめ」「いそかぜ」「日向」に使用された。
キハ58系・キハ65形
電化以前に急行列車で、JR化後も他線と直通する急行「由布」「火の山」「えびの」や普通列車で使用された。
キハ72系:キハ71系と異なり日豊本線に乗り入れる定期運用はないが、2度にわたる九州北部豪雨における久大本線不通の際に、別府駅 - 日田駅間、博多駅 - 小倉駅 - 大分駅 - 由布院駅間で臨時設定された特急「ゆふいんの森」において運用された。
キハ200系・キハ220系:亀川駅 - 大分駅間(豊肥本線・久大本線直通列車)および、大分駅 - 南延岡駅間(「宗太郎越え」区間運用)で使用された。2018年3月17日ダイヤ改正で豊肥本線・久大本線直通の終了、815系・787系への置き換えで日豊本線での運用から撤退した。
・客車
50系 門司港駅 - 大分駅間の普通列車で使用された。
12系 夜行の急行「日南」の座席車などで使用された。
14系15形 寝台特急「富士」「彗星」で使用された。
14系座席車 急行「くにさき」で使用された。
24系24形・25形
寝台特急「富士」「彗星」、急行「日南」寝台車で使用された。
20系
寝台特急「富士」「彗星」「みずほ」[注釈 6]、急行「日南」寝台車で使用された。
・電気機関車
ED74形 大分駅以北の寝台特急列車・貨物列車牽引で使用
・ディーゼル機関車
DF50形 電化以前に寝台特急列車・貨物列車牽引で使用。
5.歴史
5-1.概略
小倉駅 - 重岡駅間は、初代九州鉄道および初代豊州鉄道の手で開業した小倉駅 - 行橋駅 - 長洲駅(現在の柳ケ浦駅)間を国有化後に延伸したものである。
一方、重岡駅以南は、吉松駅から宮崎線として順次延伸されたもので、うち宮崎駅 - 佐土原駅間は宮崎県営鉄道を買収して編入したものである。1923年に重岡駅まで開通し小倉駅 - 宮崎駅 - 吉松駅間が日豊本線となった。
国分駅(現在の隼人駅) - 鹿児島駅間は官営の鹿児島線として開業したもので、1932年に都城駅 - 隼人駅間が開通して、現在のルートである小倉駅 - 都城駅 - 隼人駅 - 鹿児島駅間が日豊本線となり、吉松駅 - 都城駅間は吉都線となった。
5-2.年表
小倉駅 - 重岡駅間
●九州鉄道・豊州鉄道→豊州本線
・1895年(明治28年)
・4月1日:九州鉄道が小倉駅 - 行事駅間を開業(小倉駅 - 小倉総合車両センター付近は1891年4月1日に九州鉄道本線の一部として既設)。城野駅・刈田駅・行事駅が開業。
・8月25日:行事駅が廃止。行橋駅が開業(豊州鉄道の駅として既設)。
・1897年(明治30年)9月25日:豊州鉄道が行橋駅 - 長洲駅間を延伸開業。新田原駅・椎田駅・松江駅・宇ノ島駅・中津駅・今津駅・四日市駅・長洲駅が開業。
・1907年(明治40年)
7月1日:鉄道国有法により九州鉄道を買収、官設鉄道の路線となる。
・1901年(明治34年)9月3日:九州鉄道が豊州鉄道を合併
・1909年(明治42年)
10月12日:国有鉄道線路名称の制定により、小倉駅 - 柳ケ浦駅間が豊州本線になる。
・1922年(大正11年)3月26日:神原駅 - 重岡駅間が延伸開業。重岡駅が開業。
●重岡駅 - 都城駅間宮崎線
・1913年(大正2年)10月8日:谷頭駅 - 都城駅間が宮崎線として開通(現在の吉都線が全通)。都城駅が開業。
・1914年(大正3年)
2月11日:都城駅 - 三股駅間が延伸開業。三股駅が開業。
8月15日:三股駅 - 山之口駅間が延伸開業。山之口駅が開業。
・1915年(大正4年)3月20日:清武駅 - 宮崎駅間が開業。大淀駅が開業。都城駅方面、佐伯駅方面ともに未接続のため宮崎県営鉄道に営業を委託。
・1916年(大正5年)3月21日:山之口駅 - 青井岳駅間が延伸開業。青井岳駅が開業。
4月10日:清武駅 - 大久保駅間が延伸開業。大久保駅が開業。
10月25日:青井岳駅 - 清武駅間が延伸開業し、宮崎線吉松駅 - 宮崎駅間が全通。田野駅が開業。大久保駅が廃止。
・宮崎県営鉄道妻線
1913年(大正2年)12月15日:宮崎駅 - 福島町駅間が宮崎県営鉄道妻線として開業。広瀬駅(初代)・次郎ヶ別府駅・蓮ケ池駅(初代)・花ヶ島駅が開業。
1914年(大正3年)
4月26日:福島町駅 - 佐土原駅(初代・後の西佐土原)間が延伸開業。
11月20日:宮崎駅 - 川口駅間の貨物線が開業。
1917年(大正6年)9月21日:宮崎県営鉄道妻線の買収により、吉松駅 - 宮崎駅間を宮崎本線とし、宮崎駅 - 広瀬駅 - 妻駅間が妻軽便線になる。宮崎駅 - 川口駅間の貨物線、蓮ケ池駅(初代)が廃止。
・宮崎本線
1920年(大正9年)9月11日:広瀬駅 - 高鍋駅間が延伸開業。高鍋駅・三納代駅・広瀬駅(2代)が開業。広瀬駅(初代)が廃止。宮崎駅 - 広瀬駅間が妻軽便線から宮崎本線に編入され、吉松駅 - 宮崎駅 - 高鍋駅間が宮崎本線、広瀬駅 - 妻駅間が妻軽便線になる。
1921年(大正10年)
6月11日:高鍋駅 - 美々津駅間が延伸開業。美々津駅・都農駅・川南駅が開業。
10月11日:美々津駅 - 富高駅間が延伸開業。富高駅・岩脇駅が開業。
10月11日: 細島軽便線(後の細島線)富高駅 - 細島駅間が開業。
1922年(大正11年)2月11日:富高駅 - 南延岡駅間が延伸開業。南延岡駅・土々呂駅・門川駅が開業。
5月1日:南延岡駅 - 延岡駅間が延伸開業。延岡駅が開業。
10月29日:延岡駅 - 日向長井駅間が延伸開業。日向長井駅が開業。
1923年(大正12年)
7月1日:日向長井駅 - 市棚駅間が延伸開業。市棚駅が開業。
12月15日:市棚駅 - 重岡駅間が延伸開業。豊州本線と宮崎本線が統合され、小倉駅 - 吉松駅が「日豊本線」になる。宗太郎信号場が開設。
6-1.注釈
[注釈 1]^ ただし竜ヶ水駅では利用できない
[注釈 2]^ 1995年4月19日までは全線を走破する列車が設定されていた。
[注釈 3]^ 同日のダイヤ改正より重岡駅 - 延岡駅間は使用車両の都合上、特急列車を除いてワンマン運転が取り止めとなった。
[注釈 5]^ a b 重岡駅 - 延岡駅間の普通列車本数の1.5往復は、本線を名乗る電化1923年(大正12年)
7月1日:日向長井駅 - 市棚駅間が延伸開業。区間の普通列車運転本数としては最少で、本線を名乗らない石勝線の新夕張駅 - 新得駅間の0往復、石北本線の上川駅 - 白滝駅間の1往復(特別快速を除く)に次ぐ本数(2024年3月現在)。
普通列車が一切存在しない石勝線の当該区間には「青春18きっぷ」などで特急自由席が利用できる特例があるが、少ないながらも普通列車があるため特例が設定されていない日豊本線や石北本線の当該区間は利用が困難な区間になっている。
[注釈 6]^ 寝台特急「みずほ」は1963年6月1日から1964年9月30日まで、東京駅 - 大分駅間の編成を併結していた。これに代わって「富士」が1964年10月1日に単独で設定された。
6-2.脚注
[2]^ a b FACt SHEETS 2017 - JR九州
[3]^ a b 宮崎エリアでSUGOCAが始まります! (PDF) - 九州旅客鉄道ニュースリリース 2015年9月17日
[4]^ a b 利用可能・発売エリア - 九州旅客鉄道 SUGOCA公式サイト、2015年11月18日閲覧
[5]^ a b 〜 運行情報のご案内を充実 〜 「JR九州アプリ」で列車位置情報を表示します! (PDF) - 九州旅客鉄道、2016年12月20日
7.参考文献
[6]^ a b “訪日外国人のお客さまに、安心してご利用いただけるご案内を目指します!北部九州エリア157駅に「駅ナンバリング」を導入します” (PDF). 九州旅客鉄道. 2018年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月28日閲覧。
[7]^ a b 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB、1998年。ISBN 978-4-533-02980-6。
[8]^ 4-4 安全設備「新しい自動列車停止装置(ATS-DK)への移行」『安全報告書2017』 p.19 (PDF) - 九州旅客鉄道(2017年8月25日)
[22]^ 鉄道と比較し高速バスが距離が3割近く、時間が2割程度短縮される。また新八代駅での乗り換えで高速バスから九州新幹線に乗車するルート(B&Sみやざき号)もある。
[23]^ “平成30年3月にダイヤを見直します(宮崎エリア)” (PDF). 九州旅客鉄道 (2017年12月15日). 2018年3月19日閲覧。
[24]^ “日豊本線「宗太郎越え」の普通列車が787系化される”. 鉄道ファン (2018年3月17日). 2018年3月19日閲覧。
[25]^ “えきから時刻表 日豊本線 2761M”. 2018年3月21日閲覧。
[27]^ 『貨物時刻表 平成26年3月ダイヤ改正』、鉄道貨物協会、2014年、106頁。
[29]^ “キハ40形車両を国鉄復刻カラーで運行!鹿児島車両センターでお披露目会を開催します!”. 九州旅客鉄道株式会社. 2024年2月19日閲覧。
[30]^ “指宿枕崎線など キハ40形 国鉄色復刻車両 運転”. 鉄道コム. 2024年2月19日閲覧。
[31]^ “特急783系「ハイパーサルーン」、ラストラン 日豊線、鉄道ファン惜しむ”. 南日本新聞 (南日本新聞社). (2021年3月13日) 2021年3月14日閲覧。
[32]^ “JR九州「にちりん」「ひゅうが」「きりしま」783系の定期運行終了”. マイナビニュース. マイナビ (2021年3月14日). 2021年3月16日閲覧。
8.関連項目
今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳 - 全線・全駅・全廃線』 12 九州沖縄、新潮社、2009年。ISBN 978-4-10-790030-2。
川島令三編著『四国・九州ライン - 全線・全駅・全配線』3 北九州・筑豊エリア、講談社、2013年。ISBN 978-4-06-295162-3。
川島令三編著『四国・九州ライン - 全線・全駅・全配線』4 福岡エリア、講談社、2013年。ISBN 978-4-06-295163-0。
川島令三編著『四国・九州ライン - 全線・全駅・全配線』7 宮崎・鹿児島・沖縄エリア、講談社、2013年。ISBN 978-4-06-295166-1。
9.関連項目
日本の鉄道路線一覧
JR日豊本線脱線転覆事故(2006年9月17日、南延岡駅で発生した列車脱線事故)
東九州新幹線
東九州自動車道
国道10号
最終更新 2024年9月14日 (土) 11:11 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
≪くだめぎ?≫
「宗太郎越え」(重岡 - 宗太郎間)大分県と宮崎県の県境の山間部は沿線人口も少ないことから、普通列車の本数が極端に少ない。
・1922年(大正11年)3月 小倉駅 - 重岡駅間が延伸開業
1909年(明治42年)10月より、小倉駅~が豊州本線となっていた。
・1923年(大正12年)7月、日向長井駅 - 市棚駅間が延伸開業。
1917年(大正6年)9月、吉松駅 - 宮崎駅間を宮崎本線となり、以後北進する。
・1923年(大正12年)12月15日:市棚駅 - 重岡駅間が延伸開業。豊州本線と宮崎本線が統合され、小倉駅 - 吉松駅が日豊本線になる。宗太郎信号場が開設。
2018年(平成30年)3月17日のダイヤ改正、佐伯駅 - 延岡駅間1.5往復(下り1本・上り2本)および佐伯駅 - 重岡駅間1.5往復(下り2本・上り1本)まで減少した。
2020年10月までは一部時期を除き、毎時1往復の特急列車が運転されていたが、
現在1日8.5往復あり、おおむね1-2時間に1本通過するため、この区間のすべての停車場(駅・信号場)に交換設備が設けられている。
●普通列車に関しては、事実上の"豊州本線"、"宮崎本線"の状態である。
・佐伯 - 重岡間は佐伯市コミュニティバス
・延岡 - 北川間は宮崎交通の路線バス
で何とかカバーしている様である。
更に特急列車「にちりん」が減便して現状になった。
特急列車昼行便の「重岡・宗太郎・市棚」停車も考えても良いのでは。
延岡駅の貨物営業でも路線維持している様である。