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2025年01月16日

松尾鉱山跡地の排水中和処理

松尾鉱山跡地の排水中和処理 松尾鉱山
 明治15年(1882)ごろ露頭(ろとう)が発見された松尾鉱山は、試掘届が明治21年(1888)に出され、鉱業権が転々としながらも露天掘りやタヌキ掘り(地表から基盤へ鉱床をたどりながら採掘する方法)が行われていました。大正3年(1914)松尾鉱業(株)設立とともに硫黄の採掘と精錬を本格的に始め、大正10年(1921)からは硫化鉄鉱の採掘も開始、器械掘りを始めた大正末ごろには国内需要の約半分を生産する一大硫黄鉱山に成長しました。昭和10年代には生産量が急増し、国内需要の約8割を占める「東洋一の硫黄鉱山」と呼ばれるまでに成長します。従業員も増え、大正5年(1916)の352人から、20年後の昭和11年(1936)には2,213人になっています。最盛期には精錬硫黄約10万トン(昭和42年)、硫化鉄鉱68万トン(昭和41年)を生産しましたが、その後石油精製時にできる回収硫黄に押されて昭和47年(1972)に廃山となりました。

 また、大正3年には硫黄輸送と日用物資搬入のための松尾鉱山鉄道を設立。当初はふもとの屋敷台(八幡平市柏台)と新田の間約7キロの手押し軌道でしたが、翌年には国鉄(現JR)花輪線に接続する西根町大更まで延伸、動力も馬車鉄道からガソリンカー(大正5年)へと転換しました。昭和9年(1934)には専用鉄道として営業を開始して蒸気機関車を導入し、昭和23年(1948)からは運輸営業もスタート、昭和26年(1951)には電化も実現し、上野駅から東八幡平駅(屋敷台)までの直通スキー列車の運行なども行われました。松尾鉱山の閉山とともに昭和47年10月に廃止されています。
 松尾鉱山の隆盛にあわせ、屋敷台と標高約1,000メートルの採掘地・元山(もとやま、八幡平市緑が丘)には新たに街がつくられ、最盛期の昭和20〜30年代には病院、小・中・高校、郵便局、会館などが完備された「雲上の楽園」と呼ばれ、従業員4,500人、ヤマの人口は13,000人に達しました。
 また、松尾鉱山には「鉱毒事件」という負の一面もあります。松尾鉱山では大正後期になると鉱毒水問題が表面化、昭和に入ると仙台鉱山監督局から指導を受け石灰の投入などの中和処理を始めますが、昭和7年(1932)には大更村(八幡平市)住民から知事宛の嘆願書が提出されます。昭和8年(1933)ごろには被害は盛岡以南の北上川流域に及び、各地で賠償要求運動が起きて、マスコミなどに取り上げられて社会問題となりました。昭和11年(1936)からは赤川灌漑用水を他の水源に切り替える工事を始めるなどの対策を施し、昭和23年(1948)の松川用水路完成まで鉱山は多額の賠償金を支払い続けます。現在も鉱毒水の流出は続き、中和処理施設で処理が続けられています。
いわての文化情報大事典より

環境への影響と中和施設
 鉱山周辺の原植生はブナ林であったが、鉱山開発前から伐採によりミズナラ林となっており、開発後は牧草地が広がった。しかし硫黄精錬で出る煙による土壌汚染で強酸性となり、鉱山跡地と製錬所跡は草が生えない荒地になった。その周辺も煙害によって木が枯れ(条件が悪い順に)ヒメスゲ、ススキ、チシマザサ・クマイザサの群落になった[14]。排水中和施設の建設後は、失われた緑を取り戻すべく植林が行われている。
 廃坑から流出する排水(鉱毒水)はヒ素を含むpH2前後の強酸性となっており、毎分17~24トンと多量の排水が湧出している。かつては茶色い排水が下流の北上川流域と支流を汚染しており、魚の住めない川となっていた。そのまま垂れ流せば岩手県内はもとより、宮城県北部や北東北の太平洋沿岸に至るまで水質汚濁や生態系への影響が発生するため、岩手県により排水中和施設が建設された。この施設は鉱山の排水処理施設としては日本国内でも最大規模のもので、2010年代に入ってからも24時間体制で稼働を続けているが、処理費用が年間5億数千万円かかる上に、半永久的に処理を行わなくてはならないため、岩手県にとっては財政面でも非常に大きな負担となっている。
 岩手県内の小・中学校では、社会科と理科の統合授業として排水中和施設の見学を行う学校もある。恒久排水路トンネルの先端部には鉱毒水確認用の窓があり、見学者向けとして特別に水を汲むことができる。鉱毒水は非常に澄んでおり、手で触れることはできるが飲用とすることはできない。口に含むと血液と同等かそれ以上の鉄臭さが広がる。なお、処理前の鉱毒水のヒ素濃度は低く、致死量に達するまでには100リットル単位の未処理水を摂取する必要がある。
[14]^ 吉岡邦二「八幡平松尾鉱山跡地の荒廃植生とその人工による回復の見通し」130-132頁。
最終更新 2024年9月14日 (土) 00:02 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
松尾鉱山
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より


≪ぐだめぎ?≫
 "松尾鉱業鉄道"など、松尾鉱山の全盛期を伝えられるが、
現状、岩手県が半永久に排水中和施設を運用しなければならず、
負の遺産ばかりの様である。
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Posted at 2025/01/16 17:08:24

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