
導水管溶接部 新たに4カ所異常/大規模断水(2009/01/08)
八戸地域七市町の大規模断水事故で、八戸圏域水道企業団(企業長・小林眞八戸市長)が漏水した導水管の溶接部分を超音波検査した結果、新たに四カ所で異常が見つかったことが七日、分かった。同日の導水管漏水事故調査委員会(委員長・福士憲一八戸工業大教授)の第二回会合で、企業団が明らかにした。事故原因について、事故調査委は地震や地盤など複数の可能性を指摘。また、本格復旧に向けた工事の方針を提言することを決めた。
企業団によると、異常が見つかったのは、溶接部分十三カ所(漏水個所を含む)のうちの四カ所。超音波検査で影のようなものが計七つ確認された。亀裂ではないという。
長さは一二―二一〇ミリ。いずれも亀裂の入った漏水個所の下流側(櫛引方面)にある。企業団は今後、異常個所の変形状態などを詳しく調べて特定する。
事故調査委の第二回会合は七日午前、企業団庁舎で開かれ、委員ら五人が出席した。
管上部の溶接部分に沿って幅数ミリの亀裂が見つかった漏水個所については、下部に亀裂が見られないことなどから、「亀裂が大きく開いて漏水した後、閉じて今の状態になった」との見解で一致。
事故原因をめぐっては、導水管が施工された一九九〇年以降の地震や埋設現場の地盤の弱さ、上部を流れる坂牛川改修工事の影響など複数の可能性を挙げ、企業団に対し、原因究明に必要なデータの提示を要請した。
本格復旧に向けた工法について、委員から「万が一に備え、復旧後も仮設バイパス管を残しておくべきではないか」「当面の間使えるよう、導水管の亀裂などを内部から溶接してはどうか」などの意見が出された。
福士委員長は「今後はデータを基に調査を進め、事故の瞬間がどのようなものだったのかを解明したい」と述べた。
事故調査委 「導水管に何らかの力」(2009/01/08)
「導水管に何らかの力が加わったものと考えられる」。七日、八戸圏域水道企業団庁舎で開かれた第二回導水管漏水事故調査委員会。出席した委員は、亀裂や異常個所が溶接部分に集中していたことから、導水管に圧力がかかり溶接部分に亀裂が生じた―との見解で一致した。事故調査委は早期の原因究明を目指すが、データ解析などに時間を要することから、調査が長期化することも予想される。
水漏れを起こした個所は、地中を流れる一級河川・坂牛川を避け、「下越し」という工法で地下深くに埋設された部分で発生した。馬淵川から白山浄水場につながる導水管は一九七四年に完成した。管は地下三メートル程度の深さで、地面とほぼ平行に埋設されていた。
その後、八戸ニュータウンの造成事業などのため、青森県による坂牛川の改修事業がスタート。今回の漏水個所は坂牛川拡張工事の過程で障害となったため、九〇年に県が事業主体となり施工した部分だった。総延長約四キロに及ぶ導水管の中で、下越し工法が採用されたのはここだけだ。
事故調査委員で、日本水道協会工務部長の田口靖氏は「導水管の施工で、下越し工法は珍しいことではない」と話す。だが、この工法では多数の管をつなぐ必要があり、事故発生当初から溶接部分からの漏水が疑われていた。
鉄製の導水管の厚さは16ミリだが、漏水事故のあった部分はそれより三割程度厚い22ミリの管が使われていた。いずれの導水管も耐震仕様。ただ、耐震構造の送水管が揺れを吸収できるよう、つなぎ目の部分がある程度動くような構造になっているのに対し、導水管は溶接を施しただけだったという。
企業団の小島賢悦事務局長は「溶接部分を厚くつなげ、万全を期していた」と説明するが、溶接個所の強度に問題があった可能性も否定できない。
また、埋設場所には地下水が流れており、亀裂部分から大量の地下水が導水管の中に流入していた。地下水は弱い地層の存在を示唆しており、七日の事故調査委の会合で、水道技術研究センター常務理事の武内辰夫氏は「当然、地盤問題も考えなければならない」と指摘した。
問題の導水管が敷設されたのは九〇年。その後、八戸地域は九四年の三陸はるか沖地震、二〇〇八年の青森・岩手沿岸地震と、二度にわたる大きな地震を経験している。
溶接個所に発生した亀裂、地下水が存在する地層、二度の大地震…。事故調査委では、企業団や県に詳細なデータの提出を求め、本格的な事故原因の究明を進める。
ともに デーリー東北より
青森県の河川工事も問題になるのか。いずれにしても定期的な点検しない水道企業団が悪い。水止めて、この前の写真のように管の中に入れるのだから、あんなに地下水が湧いていると素人にも分かります。2年に1回ぐらい水止めて点検しても良いでしょう。私は丸2日くらいでした、断水は。
Posted at 2009/01/08 19:22:51 | |
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